せっかくの夏休み。
だから、“夏休み”がテーマの小説を読んでみませんか?
中学・高校入試にも出題された本の中から、小学校高学年~中学生にぴったりの本を厳選して紹介します。
登場する主人公たちは、自分と同じような年ごろの小学生や中学生ばかり。
だからこそ、「わかる!」と共感したり、「これ、自分の気持ちみたい」と思える場面にきっと出会えるはずです。
この夏は、自分にぴったりの1冊を見つけて、本といっしょに夏休みを過ごしてみてください。
きっと、忘れられない夏休みになるはずです。
せっかく本を読むなら、入試に出た本を読んでみませんか?
このブログでは、中学入試・高校入試で出題された本のなかから選んでいます。なぜなら……。

中学・高校受験出題本はとにかくおもしろい!
国語の専門家である国語の先生たちが選んだ本はどれも失敗なし!なのです。
『この夏の星を見る(上)(下)』

全国の中高生(天文部)
星を通じて仲間になる夏休み
●画像をクリックするとアマゾンへ
【著者】辻村深月
【出版社】KADOKAWA
●あらすじ
星がつなぐ、ぼくらの青春――
全国の天文部メンバーと出会った、特別な夏。
コロナで行事が中止、思い描いていた学校生活はバラバラに。
なんだかモヤモヤする毎日を過ごしていた中学生・高校生たち。
そんな中、パソコンの画面越しに全国の「天文部」の仲間たちと出会った。
遠く離れていても、星や宇宙が大好な知らない誰かが、少しずつ「仲間」になっていく――。
これは、星空がつないだ等身大のリアルな青春の記録。
●文庫本発売 2025年6月17日

おすすめポイント
将来のこと、部活のこと、夢のこと。
人生って思い通りにいかないことばっかりだけど、それでも前を向いて、今できることを全力で楽しもうって思えます。
ようやく文庫化して、さらに読みやすくなりました!
映画化もされるので、さらに注目は集まりそう。
今年2025年の夏の一冊といえばこの本にまちがいなしです。
前評判通りに、2024年度の中学・高校受験で多く出題された
2024年度、群馬県、埼玉県、東京都、愛知県、広島県の公立高校入試で出題された
2024年度、多数の中学入試で出題された
☟2025年7月映画になります
☟2025年6月11日児童向けつばさ文庫でも出版されます
『青いスタートライン』

小学5年生の颯太君
オープンウォータースイム(自然の水域で行われる長距離の水泳競技)に挑戦する夏休み
●画像をクリックするとアマゾンへ
【著者】高田由紀子
【出版社】ポプラ社
●あらすじ
ねえ、海で泳ぐのって、どんな感じか想像できる?
プールみたいにまっすぐじゃないし、波があって、流れもあって――けっこう大変なんだよ
小学5年生の颯太(そうた)くんは、夏休みに親元をはなれて、おばあちゃんの家に行くことに。
そこで、めっちゃ大きなチャレンジを決意する。
それが…「オープンウォータースイム」!
しかも海を1キロも泳ぐっていう、めちゃハードなやつ!
海ってこわいし、波も強い。
そんな中で、颯太くんは練習をがんばって、いろんな人と出会って、初めて知ることもたくさんあって――ちょっとずつ変わっていくんだ。
最後に、颯太くんが海を泳ぎきったとき。
その目にうつる世界は、今までとどうちがって見えるのか?
2024年度、普連土学園中学校の中学入試で出題された

おすすめポイント
ひとつのことを成し遂げる、その充実感が心地よい!
自然のなかでのびのびと成長する気持ちよさや、海から感じる涼しさも味わえちゃいます。
読んだ後には、颯太君の夏の大きな挑戦が、あなたの心にも何か残してくれるはずです。
『君が夏を走らせる』

高校生の太田君
育児に奮闘する夏休み
●画像をクリックするとアマゾンへ
【著者】瀬尾まいこ
【出版社】新潮社
●あらすじ
大人気の青春駅伝小説『あと少し、もう少し』の“続き”が読める!
今度の主人公は、あの駅伝メンバーのひとり――ちょっとワルだった太田くん!
中学のときは、全力で走ってキラキラ青春してた太田くん。
でも高校生になったら、学校もサボりがちで、毎日なんとなく過ごすだけ…。
そんな太田くんの夏休みをガラッと変えたのは、ある日かかってきた一本の電話!
なんと――先輩から「1歳の娘の子守をしてくれ」ってお願いされるんです!
赤ちゃんにふりまわされる毎日は、ドタバタで大変だけど、思わず笑っちゃうこともいっぱい。
少しずつ心が通じていくふたりの姿には、きっと胸があつくなるはず。
★その他情報
太田君の中学生時代の物語があり
『あと少し、もう少し』
2018年度、海城中学校の中学入試で出題された

おすすめポイント
思うようにはならない赤ちゃんとの生活をとおして、太田君はいろんなことに気づくのです。
太田君と一緒に、あなたも「人を育てること」のすごさを体感でます!
本を読みながら、太田君と一緒に、ステキな育児夏休みを楽しんでみてください。
『キッドナップ・ツアー』

小学5年生ハルちゃん
誘拐される夏休み
●画像をクリックするとアマゾンへ
【著者】角田光代
【出版社】新潮社
●あらすじ
「夏休みの第一日目、私はユウカイされた」
えっ!? いきなり何それ――衝撃のひとことから、この物語は始まります!
「え、誘拐って…それってもう事件じゃん? ニュースになっちゃうやつじゃない!?」
思わずツッコミたくなるような展開に、最初のページからグイグイ引きこまれます。
しかも、その“誘拐犯”は――なんと、自分のお父さん!
え? どういうこと? なんでお父さんが!?
ハルちゃんの夏休み、いったいどうなっちゃうの!?
ドキドキ、ハラハラ、ちょっと笑えて、じーんと心があたたまる。
読み終わったあと、きっと「家族」について、何かを感じたくなる一冊です。
2022年度、法政大学第二中学校の中学入試で出題された

おすすめポイント
ダメダメなお父さんが愛おしくなってしまいます(笑)
両親へのイライラしたときに、お父さんだって、お母さんだって完璧な人間じゃないって思うと、なんだかやさしくなれるかも。
もしかしたら自分の方が大人なのかもと思っちゃうかもしれません!
『夏にネコをさがして』

小学6年生佳斗くん
亡くなったおばあちゃんの猫を探す夏休み
●画像をクリックするとアマゾンへ
【著者】西田俊也
【出版社】徳間書店
●あらすじ
知らない町で過ごす、はじめての夏休み。
友だちもいないし、何をして過ごせばいいんだろう?
おばあちゃんが亡くなったあと、その家に引っこしてきた佳斗くん。
そんなある日、おばあちゃんが飼っていた猫のてんちゃんがいなくなっているのに気づきます。
てんちゃんを探して町の中を歩き回るうちに、佳斗くんはいろんな人と出会って、少しずつ町にとけこんでいきます。
ふしぎな出会い、あたたかい言葉、小さな冒険。
そんな毎日が、佳斗くんをちょっとだけ大人にしてくれる――。
2024年度、明治大学付属中野中学校の中学入試で出題された

おすすめポイント
今まで知らなかったこと、気づかなかったこと、想像もしなかったことにぶつかりながら、一歩一歩成長していく佳斗くんと一緒に大人になる夏を経験できます。
『シャンシャン、夏だより』

小学6年生、土田野歩人(つちだのぶと)くん
クマゼミ自由研究を通して自然のことや、友だちのことを知る夏休み
●画像をクリックするとアマゾンへ
【著者】浅野竜
【出版社】講談社
●あらすじ
農家の家に生まれた野歩人くん。
小学6年生の彼には、「将来は家を継ぐのが当たり前」――そんな空気がずっとあります。
でも、野歩人くんは思ってる。
「自分の将来は、自分で決めたい」って。
そんな思いをかかえながらむかえた夏休み。
野歩人くんは、いろんなことを経験します。
クラスメイトのちとせちゃんの、意外な一面を知ったり。
私立中学を受験する友だち・カモッチの、本当の気持ちにふれたり。
自由研究を通して、自然と向き合い、自分の中の気持ちとも向き合ったり。
自分の未来って、どうやって決めていくんだろう?
野歩人くんと一緒に、ちょっとだけ先の自分を考えてみませんか?
2023年度、桐朋中学校、高輪中学校の中学入試で出題された

おすすめポイント
野歩人くんの夏休みを通して、自分のことだけじゃない、自然のこと、社会のこと、地元のこと、そしてお友達のこと、家族のことを考えてみるキッカケになります。
『月白青船山』

中2年の兵吾くん、小5年の主税(ちから)君・鈴音ちゃん
鎌倉時代にタイムスリップする夏休み
●画像をクリックするとアマゾンへ
【著者】朽木祥
【出版社】岩波書店
●あらすじ
なんて読むんだろう? この本のタイトル。
正解は――そのまんま、「つきしろ あおふねやま」って読みます!(笑)
「えっ、なんだかややこしそう…」って思ったかもしれないけど、心配いりません!
『月白青船山』は、現代と過去を行き来する、ドキドキの歴史ファンタジー冒険小説なんです!
主人公は、3人の少年少女。
彼らがタイムスリップしたのは――鎌倉時代
気がつくと、時間が止まってしまった“とある鎌倉の場所”にワープしていて…。
「このあとどうなるの?」
「現代に戻れるの?」
「そもそも、なんでワープしたの!?」
読めば読むほど、ナゾが深まって、ワクワクが止まらない!
歴史がちょっと苦手な人も、物語に夢中になれることまちがいなしです!
2023年度、桐朋中学校、高輪中学校の中学入試で出題された

おすすめポイント
神奈川県にある「鎌倉」という土地や、鎌倉時代にも興味がわいてくる!
夏休みを「鎌倉」三昧で過ごしたくなります。
『ある晴れた夏の朝』

アメリカの高校生、日系アメリカ人のメイちゃん
広島・長崎に落とされた原子爆弾についてディベート(討論)する夏休み
●画像をクリックするとアマゾンへ
【著者】小手鞠るい
【出版社】偕成社
●あらすじ
「あなたは原爆投下に賛成ですか?反対ですか?」
――もしそう聞かれたら、どう答えますか?
そして、その理由を、あなたは説明できますか?
この本では、原爆投下をテーマにしたディベート(討論)がくり広げられます。
参加するのは、主人公で日系アメリカ人のメイをはじめ、アイルランド系、中国系、ユダヤ系、アフリカ系など、さまざまな人種やルーツを持つ高校生たち。
それぞれの家族や歴史の背景が違うからこそ、意見も立場もさまざまです。
原爆の話題から、やがて真珠湾攻撃や南京大虐殺など、戦争中の出来事へと話は広がり、やがて人種や差別の問題にもふれていきます。
ひとつのテーマから、どんどん深いところへ――。
難しそうに見えるけど、大切なことを考えて、だれかと話したくなる一冊です。
2020年度、麗澤中学校の中学入試で出題された

おすすめポイント
「原爆」について、あらためて考えてみるきっかけになる物語です。
そして――ディベート(討論)って、こんなにおもしろいんだ!って気づかせてくれる物語でもあります。
人をひきつける話し方、言葉の順番やタイミングによる駆け引き、
相手の気持ちに寄りそいながらも、自分の考えをしっかり伝えるテクニック……。
読んでいるうちに、ディベートの奥深さにぐいぐい引きこまれていくはず!
さらに、アメリカの高校生たちの学校生活や、日本とのちがいが見えてくるのもおすすめポイント。
よみどころたくさんの一冊です!!
☟文庫本で読むならこちら
☟児童書でも読むならこちら
『Surf Boys(サーフボーイズ )伝説になった12歳の夏』

小学6年生、亮くん
サーフィンでつながる友情、青春の夏休み
●画像をクリックするとアマゾンへ
【著者】南田幹太
【出版社】PHP研究所
●あらすじ
サーフィンがテーマの小説って、ちょっとめずらしくてワクワクしませんか?
この物語の舞台は、1960年の湘南。
そこで伝説となったのは、なんと小学生のサーファー!
大波に立ち向かい、「湘南のレジェンド」と呼ばれた少年の、友情あり、青春あり、成長ありの熱い物語です。
そして物語は、時をこえて現代の夏へ――。
その伝説にあこがれる地元の少年たちの姿も描かれています。
過去と今をつなぐのは、もちろん“サーフィン”
夏にぴったりの、さわやかで胸が熱くなる一冊です!
2022年度、品川⼥⼦学院中等部の中学入試で出題された

おすすめポイント
暑い夏に、熱い友情、熱い男の戦い。
小学6年生のとにかく熱く、かっこいい夏を体感できます。
『わたしの苦手なあの子』

小学6年生、ミヒロちゃんとリサちゃん
苦手なクラスメイトと仲良くなる?夏休み
●画像をクリックするとアマゾンへ
【著者】朝比奈蓉子
【出版社】ポプラ社
●あらすじ
今年の夏休みの宿題は、「苦手なものを克服すること」。
もしあなたなら、何を克服しますか?
ミヒロちゃんが決めたのは、「苦手なクラスメイトのリサちゃんと向き合うこと」。
そしてリサちゃんは、「ありのままの自分を受け入れること」にチャレンジします。
ふたりの間に、本当の友情は生まれるのでしょうか?
2022年度、聖園女学院中学校の中学入試で出題された

おすすめポイント
勇気を出して、苦手なものに立ち向かい、それを乗りこえたとき。
そこには、今までとはちがう新しい景色と、うれしさや達成感が待っています。
やさしさと不安を胸に秘めて、一歩をふみ出したふたりの女の子たちの友情と成長の物語です。
『みつばちと少年』

集団生活が苦手な中学1年、松井雅也
両親と離れ、いろいろな年齢や立場の子どもたちと共に暮らす夏休み
●画像をクリックするとアマゾンへ
【著者】村上しいこ
【出版社】講談社
●あらすじ
何かを言うたびに、空気がピリつく。
まわりから少しずつ距離を置かれる。
——どうして、自分だけがうまくいかないんだろう。
中学1年の夏休み。
雅也は、北海道にある「北の太陽」という家に集まった、年齢も性格もバラバラな5人の子どもたちと過ごすことに……。
みんな、それぞれに訳あり。
5人はぶつかり合ったり、泣いたり、悩んだり。
でも、少しずつ心が通っていく。
素直になれなくて傷つけてしまったり。
自信がなくて、強がってしまったり。
さみしい気持ちがあふれてしまったり。
——雅也は、人と向き合うことのむずかしさと、大切さを知っていく。
自分とは違う相手の気持ちを考えられるようになる雅也くんが、大人への一歩を踏み出す物語。
2022年度、成蹊中学校の中学入試で出題された

おすすめポイント
ふだんとちがう場所で、いろんな人とすごしてみると、「あれ、こんな自分もいたんだ!」って、びっくりすることありませんか?
そんな驚きと楽しみにも気づける物語です。
『はじめての夏とキセキのたまご』

小学5年生、都会から引っ越してきた世夏(せな)
田舎で、新しい友達と過ごすはじめての夏休み
●画像をクリックするとアマゾンへ
【著者】麻生かづこ
【出版社】講談社
●あらすじ
都会から山だらけの田舎へ引っ越してきて、気分が沈みがちな世夏(せな)。
そんな世夏が出会ったのは、ふたりの少年。
なんと、3人にはある共通点が!
それは――「恐竜が大好き」ってこと。
この出会いで、世夏の田舎で迎える“はじめての夏休み”がガラッと変わる。
好きなことを語り合える友だちとすごす夏休みって、最高に楽しい!
2022年度、鎌倉女学院中学校の中学入試で出題された

おすすめポイント
化石探しに出かけたり、恐竜博士に会って話を聞いたり。
好きなことにワクワク楽しむ3人の夏休みがうらやましくなります。
『14歳の水平線』

父親:沖縄の実家に帰省した征人
故郷で14歳の自分に想いをはせる夏休み
息子:沖縄でキャンプをする加奈太
「中2男子限定のキャンプ」に参加する夏休み
●画像をクリックするとアマゾンへ
【著者】椰月 美智子 (著)
【出版社】双葉社
●あらすじ
中学2年生のモヤモヤと思春期の揺れ、そしてさわやかな青春。
だれもが通る、14歳の夏。
両親の離婚をきっかけに、父とふたりで暮らす中学2年生の加奈太は家でも学校でも、なにかとイライラしてしまう毎日。
そんな加奈太が、夏休みに父の故郷の島で行われる「中2男子限定のキャンプ」に参加することになります。
一方、思春期まっただ中の息子にどう接していいかわからず、悩む父・征人。
故郷の島に戻った征人は、気づけば自分が14歳だった30年前の夏を思い出しています。
14歳の息子と、かつて14歳だった父。
ふたりの、「たった一度の14歳の夏」が始まります。
2016年度、筑波大学付属中学、浅野中学、ラ・サール中学、2020年度には帝京八王子中学校の中学入試で出題された

おすすめポイント
自信がなくて、人に嫉妬したり、異性にドキドキしたり。
うまく言葉にできないけど、心の中にはモヤモヤがいっぱい。
そんな気持ちを、思いきり心と体で感じながら過ごす、14歳の特別なひと夏。
14歳の彼らの青春は、まぶしすぎるほどに輝いています!
☟児童書文庫本はこちら
☟文庫本はこちら
『夏のカルテット』

中学1年生、ツカサくん
バンドを組む夏休み
●画像をクリックするとアマゾンへ
【著者】眞島めいり
【出版社】講談社
●あらすじ
夏休みに、やってみたいことってある?
中学1年の夏休み。
図書室当番でたまたま集まった、クラスも部活もバラバラな4人(男子3人・女子1人)のツカサ、ササヤ、ミキ、カノ。
最初は「グループ課題どうする?」って話だったのに、気がつけば――「バンド組んでみない?」なんて話に!
“夏だけのバンド”
でも、集まって練習したり、話したりしていくうちに、バンドは4人にとってすごく大事なものになっていきます。
ところが、夏休み明け。
SNSにアップしたバンドの動画が、思わぬトラブルを巻き起こしてしまって……。
このまま、4人の友情は終わっちゃうの?
2022年度、西大和学園中学校の中学入試で出題された

おすすめポイント
「夏って、やっぱいいな」
読み終わったあと、きっとそうつぶやいてしまうはずです。
キラキラしてて、ちょっとほろ苦くて、でも最高にかけがえのない夏。
おたがいのことを大切に思う気持ちが、少しずつ育っていく4人の物語に、胸がぎゅっとなります。
『夏の体温』

短編小説「夏の体温」
小学3年生の瑛介くん
検査入院のため病院で過ごす夏休み
●画像をクリックするとアマゾンへ
【著者】瀬尾まいこ
【出版社】双葉社
短編小説3編
「夏の体温」
「魅惑の極悪人ファイル」
「花曇りの向こう」
●あらすじ
短編小説「夏の体温」
夏休みだけど、小学3年生の瑛介は病気の経過観察で1ヶ月以上も入院中。
退屈な夏休みと思っていたら、同学年の男子壮太が病院にやって来た!
おもしろい友達ができて、楽しくなる毎日だったのに、壮太の検査入院はあっという間に終わってしまうから、2人でいられるのは、あと少し。
明るくふるまっているけれど、またひとり病院に残されてしまう瑛介。
ほんとうの瑛介の気持ちを理解してくれる人はいるのかな?
*短編小説「魅惑の極悪人ファイル」は大学生が主人公の物語。
➡(小学高学年や中学生にはちょっと難しい)
*短編小説「花曇りの向こう」は、中学1年生の国語教科書に載った作品。
2023年度、暁星中学校ほかたくさんの中学で出題された
出題短編:「夏の体温」

おすすめポイント
短編「夏の体温」は、瑛介くんの驚きの行動にビックリ!
でも、そんな大人には言えない、いい子でありたい瑛介くんの気持ちが痛いほど伝わってくるのです。
『永遠の夏をあとに』

小学6年生、拓人
ミステリアスな夏休み
●画像をクリックするとアマゾンへ
【著者】雪乃紗衣
【出版社】東京創元社
●あらすじ
思い出せない夏。
そこにいたのは、バイオリンを持った少女だった???
幼いころに行方不明になっていた、あの2ヶ月間――
そのあいだに何があったのか、拓人(たくと)は今も何ひとつ覚えていない。
1999年の夏休み、拓人はバイオリンを抱えた見知らぬ少女・弓月小夜子(サヤ)と出会います。
年上の彼女と過ごす不思議なひとときは、少しずつ、拓人の“失われた記憶”とつながっていき――。
ファンタジーとノスタルジーがまじりあう、切なくて、どこか懐かしい夏の物語。
2021年度、栄東中学校の中学入試で出題された

おすすめポイント
どこか不安で、でも目が離せない――
そんなミステリアスな夏の世界に引き込まれていきます。
1999年のレトロな空気も、令和の今だからこそ新鮮に感じるはずです。
『魔女ラグになれた夏』

3姉妹の末っ子、小学6年生の岬ちゃん
2020年東京オリンピックの開かれた夏休み
●画像をクリックするとアマゾンへ
【著者】蓼内明子
【出版社】PHP研究所
●あらすじ
このお話の舞台は、2020年――
本来なら東京オリンピックが開かれていたはずの夏の物語です。(※実際には延期に)。
青森市で食品スーパーを営む棚山家には、ちょっとユニークな「オリンピック姉妹」がいます。
長女はシドニー大会の年に、次女はアテネ大会の年に、そして末っ子の岬ちゃんは北京大会の年に生まれた、三姉妹です。
3人の性格はまったくバラバラ!
特に、しっかり者だけど自由すぎる“あてねちゃん”こと次女・富美は、末っ子の岬ちゃんにとってちょっと手ごわい存在。
自己主張が苦手な岬ちゃんが、姉妹や友だち、そして幼なじみの要との関わりを通して、少しずつ自分の気持ちを言えるようになっていく――
そんな、笑って泣けて心があたたかくなる、夏休みの成長ストーリーです。
2021年度、鎌倉女学院中学校の中学入試で出題された

おすすめポイント
夏休みになると、いつも以上に一緒にいる時間が長くて……。
家族や兄弟関係にイライラする!
そんな人におすすめです。
大切な人とのつながりが、きっとあなたの心にも響くはずです。
『奮闘するたすく』

小学生5年生、佑(たすく)くん
祖父が通うことになったデイサービス(通所介護施設)の体験レポートをつくる夏休み
●画像をクリックするとアマゾンへ
【著者】まはら三桃
【出版社】講談社
●あらすじ
学校の先生の提案(という名の、ほぼ指示)で、たすくは友達の一平と一緒に、祖父が通うことになったデイサービス(通所介護施設)の体験レポートを書くことに。
最初は気が重かったたすくだけど、認知症が進んでいくおじいちゃんの現実に向き合いながら、子どもみたいに無邪気なお年寄りたちとのふれあいや、スタッフとのやり取りを通して、少しずついろんなことを感じていきます。
そして、たすくは気づくのです。
おじいちゃん自身も「自分が認知症になった」ことに戸惑い、苦しんでいる――そんな心の奥の気持ちに。
大切なおじいちゃんの変わりゆく気持ちや姿を理解していく貴重な夏休みが書かれた物語です。
2018年度、栄光学園中学校の中学入試で出題された

おすすめポイント
この物語の読みどころは、孫のたすくの気もちだけじゃなく、おじいちゃんの気持ちにも丁寧に寄り添っているところ。
お年寄りと過ごしてみないとわからないことが、ぎゅっとつまった一冊です。
『しずかな日々』

小学5年生、光輝くん
祖父の家で、友達とともに昔ながらの夏の楽しみを経験する夏休み
●画像をクリックするとアマゾンへ
【著者】椰月美智子
【出版社】講談社
●あらすじ
母と二人きりの暮らし。
友だちも少なく、いつもひとりだった光輝(こうき)にとって――この夏は、ちょっと特別。
ほとんど会ったことのなかった祖父の家で、母と離れて夏休みを過ごすことになったのです。
広い庭でラジオ体操、縁側でひと休み。
きゅうりの漬物をかじって、冷たい井戸水をごくり。
塩をかけたスイカを、友だちと笑いながら食べる――。
どれも光輝にとっては“はじめて”の体験。
母と少しだけ離れて暮らすことで、光輝は少しずつ変わっていきます。
友だちとの絆も深まって、心がどんどん大きくなっていくのです。
旅行に行かなくても、特別なことをしなくても、夏休みってちゃんと楽しい。
そんな気持ちを思い出させてくれる、あたたかな物語です。
2019年度、鎌倉学園中学校の中学入試で出題された

おすすめポイント
つまらない夏休みだな~と思っている人におすすめ。
本を読み終わった後、毎日がなんだかワクワク、キラキラしてくるはずです。
☟児童用文庫本はこちら
☟文庫本はこちら
『ぼくたちのP(パラダイス)』

中学生の雄太くん
山のなかで、大学生たちの仲間の一員となり過ごす夏休み
●画像をクリックするとアマゾンへ
【著者】にしがきようこ
【出版社】小学館
●あらすじ
雄太の“想定外”だらけの夏が始まる!
ちょっと人が苦手で、あまり友だちもいない少年・雄太。
この夏は、おじさんの別荘でのんびり快適に過ごせる――そう思っていたのに……。
たどり着いたのは、電気も通っていない山奥(5時間のきつい山登り)の小さな山小屋!
実はおじさん、大学で山の保全活動をしている先生だったのです。
山小屋で、雄太も大学生たちといっしょに自然を相手に活動することになるのですが。
思いがけないハプニングだらけだった――
雄太といっしょに、山の面白さと、ちょっぴり?怖い体験を味わってみませんか?
2021年度都市大学付属中学校、2022年度東洋大学京北中学校の中学入試で出題された

おすすめポイント
大自然の中での生活は大変だけど、だからこそ学べることがたくさん。
厳しい自然のなかで、大学生たちとふれあい大きく成長していく雄太くんがカッコイイです。
『しずかな魔女』

学校に行けなくなり図書館に通っている、中学1年生の草子ちゃん
図書館でおすすめされた物語「しずかな魔女」の夏休み
●画像をクリックするとアマゾンへ
【著者】市川朔久子
【出版社】岩崎書店
●あらすじ
「自分がきらい」――そんなあなたに、そっと寄りそう一冊です。
この物語には、もうひとつの物語が入りこんでいます。
その物語も「しずかな魔女」。
これは、小学生のひかりちゃんと野枝ちゃんが過ごす、キラキラしたまぶしい夏休みの物語なのです。
物語「しずかな魔女」の世界に引き込まれていく草子ちゃんは、どんな魔法にかかるのでしょうか?
2021年度、跡見学園中学校の中学入試で出題された

おすすめポイント
自分の気持ちをはっきり言えない、自分に自信がない、学校で過ごす自分はにせものだ、自分は弱虫だ
そんな「自分がきらいだ」と思っている人におすすめです。
「しずかな魔女」の世界を旅したあと、自分の中にある「静かな強さ」に気づけるはずです。
『夏の庭』

小学6年生の少年3人
生涯、忘れられない夏休み
●画像をクリックするとアマゾンへ
【著者】湯本香樹実
【出版社】新潮社
●あらすじ
長く読み継がれてきた、名作と呼ばれる一冊。
思春期まっただ中の男の子3人が、ある“こと”に興味を持ちます。
それは――「死」。
ちょっと残酷だけど、「気になる気持ち、なんかわかるかも」って思う人もいるかもしれません。
3人が目をつけたのは、生きてはいるけれど、まるで屍(しかばね)のような老人。
「近いうちに死ぬはずだ」と思った彼らは、その“瞬間”を見ようと観察を始めます。
でも、なぜかそのおじいさん、前より元気になっていくようで……?
はたして、彼らは“死”を見ることができるのか?
そしてそのとき、何を思うのか?
ひとつだけ言えるのは――
この夏は、きっと一生忘れられないということ。
『夏の庭』は、過去に多数の中学校の中学入試で出題されています。

おすすめポイント
ちょっとゾクッとして、笑ってしまって、でもあたたかさもある。
いろいろな感情が心を揺さぶります。
「生きること」について、自然と考えてしまう。
そして「今」を生きていることが大切に感じられる物語です。
【入試出題本より厳選】夏休みがテーマになった小説本リスト
小学高学年~中学生におすすめの、【入試で出題された】夏休みがテーマになった小説本を紹介しました。

気になる本があったら読んでみてくださいね。
コメント