中学入試でよく出題される作品を書いている佐藤いつ子さんの本『ソノリティ』を紹介します。
気弱な女の子早紀ちゃんが合唱コンクールの指揮者になり、クラスメイトたちとともに成長していく青春物語です。
自分への苛立ち、友達への嫉妬、異性へ恋の芽生えなど、子どもたちが共感しやすいテーマがたっぷりつめこまれています。
感想文の読書や、朝読書の時間にぜひ読んでほしい本です。
『ソノリティ』は朝読書におすすめ
『ソノリティ』は小学高学年・中学生の朝読書におすすめかを検証してみるわよ
<Q1>小学高学年・中学生でも1冊丸ごと読める?
<A>読めます
【理由】連作短編集なので読みやすいです。全体的には長めの物語なので、読み終えるまで日数はかかると思います。小学高学年生から読めます。
<Q2>読んだ後どんな気分になる本?
<A>前向きになれる 恋がしたくなる ワクワクドキドキ
<Q3>どんな小学高学年・中学生おすすめしたい?
●音楽が好きな小学高学年・中学生
●恋に興味のある小学高学年・中学生
●自分自身に悩みのある小学高学年・中学生
<Q4>朝読書におすすめ度数は?
3段階【1.難しい 2.挑戦してみて 3.ピッタリ】のうち「2.挑戦してみて」
【理由】
連作短編集になっているので読みやすいですが、全体的には長めの物語なので読み終わるまで数日かかります。
でも合唱に関わる中学生の気持ちがていねいに書かれた物語に夢中になってしまうはずです。
読書が苦手な人でも読みやすい本です。
『ソノリティ』は、小学高学年・中学生の朝読書におすすめの本よ
『ソノリティ』読書感想文のテーマ
『ソノリティ』は読書感想文が書きやすい本よ
読書感想文を書くときにテーマになりそうなものを選んでみました。
- 自分に似ている登場人物はいた?
- 自分が早紀だったら、涼万だったらと登場人物と自分を置き換えてみて、自分ならどうするかを考える
- 登場人物で苦手なタイプの子はいた?そのわけは?
- 自分だったらだれを好きになる?そのわけは?
- 自分が経験した合唱コンクールのクラス練習と比べてみる
自分なりに感想文が書きやすいテーマを選んでみてね
『ソノリティ』はこんな本
【著者】佐藤いつ子
【出版社】KADIOKAWA
【出版年月】2022年4月
*難しい漢字にルビあり
*アマゾンに試し読みあり (クラスメイトの紹介もあり)
- 主人公:中学1年生の早紀、涼万、キンタ、岳
- 5つの連作短編集(クラスメイトが順番に主人公になっていく)
- 本の長さ:256ページ
- テーマ:成長、恋の芽生え、人と自分を比べてしまう自分の弱さなど読みどころ満載の物語
- 作者は中学入試で頻出の作家、佐藤いつ子さん(『キャプテンマークと銭湯と』『駅伝ランナー』などあり)
第1章 涼万の場合
クラスの人気者 バスケ部 声変わり中 何かに夢中になっているクラスメイトたちをうらやましく思い自分にあせっている
第2章 キンタの場合
クラスのリーダー的存在の女子金田晴美 オンチを気にしている
第3章 岳の場合
バスケ命のバスケ部男子 涼万へ対抗心を勝手にもやし、合唱の練習に参加していない 母の再婚により年の離れた弟がいる
第4章 早紀の場合
才能がないと指揮者として立つことに恐怖を感じている
第5章 ソノリティ
合唱コンクール直前にアクシデント発生する
*アマゾンでクラスメイトの紹介がみられます
父親にすら自分の気持ちを伝えられない、おとなしい早紀ちゃんが合唱コンクールの指揮者になり、クラスメイトと合唱をつくりあげていく物語。
早紀ちゃんは合唱をとおして、思いがけない異性にときめいたり、逆にクラスメイトから恋をされたり、それまで交流のなかったクラスメイトと仲良くなったり、今までの早紀ちゃんの世界ではありえなかった世界が広がっていきます。
この本の魅力は、早紀ちゃんだけではなくクラスメイト3人の目線から物語が語られる連作短編集になっていることです。
クラスのリーダー的存在のキンタも涼万も岳も、実は自分に自信を失いかけているのです。
そして彼らも気になる相手がいて、その想いが空回りしてイライラしたりやきもちをやいたりするのです。
そう、この物語みんながそれぞれ恋心をもっているんだけど、全員片思いなんです。
恋も合唱も、いくら頑張っても結果がでないこともあるけれど、がんばったこそたどり着ける世界がある。
一歩ふみださなくちゃ、たどり着けない世界があるんだと教えてくれる物語です。
短編物語の主役にはならないピアノの天才音心(ソウル)くんが、クラスのみんなを繋いでいるキー男子です。
彼は音感もあり、みんなの良いところや悩みを見ぬく力もある、スーパーカッコいい男子でした。
私なら音心(ソウル)くんに恋するな。
【出版社のあらすじより】
気弱な少女が歌を通じて自分を解き放つ【音楽×青春】物語。
「俺たちにも才能、あるんじゃね?」
「自分よりすごいやつがそばにいても、差を見せつけられても、それでも絶対めげない才能」
吹奏楽部というだけで、合唱コンクールの指揮者を任されてしまった中学1年生の早紀(さき)。
内気な彼女が、天才ピアニストの幼なじみ、合唱練習に来ないバスケ部のエースなど、個性的なクラスメイトたちとの関わりを通じて自分を解き放っていく。
しかし本番直前、思わぬアクシデントが起こり ……
仲間とともに何かをつくりあげる達成感、悩みもがきながらも「自分らしさ」を模索する中学生たちの内面、みずみずしい人間ドラマをまっすぐに描いた、珠玉の成長物語。
『ソノリティ』まとめ
【中学入試に頻出の作家】佐藤いつ子さんの本、『ソノリティ』を紹介しました。
『ソノリティ』は、小学高学年・中学生の朝読書で読む本としても、読書感想文を書く本としてもおすすめです。
中学1年のクラスメイトたちの成長青春物語であり、彼らの恋心が交差しあう物語でもあります。
本を読みなれていない子どもでも読みやすい本なので、ぜひ読んでみてくださいね。
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