2022年1月から8月までに発売された膨大な数の文庫本のなかから、中学生・高校生におすすめしたい 朝読書用の本を紹介します。
恋愛物語、友情物語、家族の物語、青春物語、時代小説、ミステリーなどいろんなタイプの物語を選んでいます
小さくて軽い文庫本は、朝時間だけじゃ物足りないと思ったら、さっとポケットやバッグにいれて、空き時間にさらりと読めるのがメリット。
さらに文庫本はお手頃価格なので、気になった本があったらどんどん読んで読書の幅を広げてみてくださいね。
児童書、ヤングアダルト(YA)ブック、中学受験出題本のおもしろさにどっぷりにハマっている私が実際に文庫本を読んで「いい!」と思った本を紹介しています
『悪い姉』
【著者】渡辺優
【出版社】集英社
【文庫本発売】2022年8月
- 長編小説(ページ数288ページ)
- 主人公:邪悪な姉をもつ高校生の麻友
- 自分のため、周囲のため、姉を殺すことを決意した妹のハラハラドキドキの心理サスペンス物語でもあり、恋アリ、友情ありの青春成長物語でもある
- 感想:モヤモヤが残る ハラハラドキドキ ムカッとする
ヒンヤリした気分を味わいたい人におすすめ
犯罪を犯すわけじゃないが、悪意がはこびった行動や発言を繰り返す人に出会ったらどうしますか?その人が家族だったら一生付き合わないといけないのでしょうか?
考えただけでもヒンヤリしちゃいますよね。
殺人はいつおこなわれるのか?ハラハラドキドキし続ける、朝読書の時間が過ごせます。
『チューニング!』
【著者】風祭千
【出版社】文芸社
【文庫本発売】2022年5月
*アマゾンに試し読みあり
- 長編小説(ページ数:304ページ)
- 主人公:仲良しの叔父さんの死から立ち直れない、中学2年のあさちゃん
- 宿泊学習の班が同じになったきっかけで、バンドを組むことになるクラスメイト4人の青春物語
- 感想:あたたかい 友だちっていいな 前向きになれる
「仲間っていいな」という気分を味わいたい人におすすめ
毎日顔を合わせているクラスメイトだってお互い知らないことでいっぱい。
いろんな人がいて、いろんな環境で育ってきて、いろんな状況にいて、いろんな立場があって。
でもそれでも何かをきっかけに仲間になれるのって、奇跡にちかくて運命的でもあるんですよね。
自分もバンド仲間の一員になった気分で、朝読書の時間が楽しめます。
『ただいま神様当番』
【著者】青山美智子
➡『お探し物は図書室まで』で2021年「本屋さん大賞」にノミネートされた
【出版社】宝島社
【文庫本発売】2022年5月
*アマゾンに試し読みあり
- 5つの連作短編集
- 主人公:毎朝バス停「坂下」に並ぶ、OL、小学女子、男子高校生、外国人男性、おじさんの5人
- わがままな神様のお世話をすると、悩んでいる自分を変えられる成長物語
- 感想:前向きになれる 神様がおもしろい 主人公たちの悩みに共感できる
青山美智子さんのお得意なパターン物語、悩める人がある人に出会う・ある場所に行くとその悩みを解決できるアドバイスやヒントに気づける系の本です。
青山さんの作品をすべて読んでいる私は、このワガママな神様に取りつかれるパターンの『ただいま神様当番』が一番おもしろくて大好きです。
連作短編集なので、短い時間の朝読書でも読みやすいです。
『マジカルグランマ』
【著者】柚木麻子
【出版社】朝日新聞出版社
【文庫本発売】2022年7月
*アマゾンに試し読みあり
- 長編小説(ページ数:376ページ)
- 第161回直木賞候補作
- 主人公:浜田正子75歳、元女優
- 老人はみんな優しくて、か弱いから周囲が気を遣ってあげなくちゃいけない存在といった概念を吹き飛ばす爽快物語
- 感想:老人パワーに驚く おもしろい 人生はいくつになっても楽しい
毎日ガミガミ怒る両親とは全然違って、たまに会うおばあちゃんやおじいちゃんは、おだやかで優しいと思っている人にぜひぜひ読んでほしい本です。
いくつになっても、おばあちゃんやおじいちゃんだって人間ですから、だれかに悪意をもつこともありますし、自分勝手になって自分の生き方を守っていかなくちゃならないし、いろいろ大変なんです。
あなたの老人に対する考え方を大きく変えてしまうはず。
少し長めの長編小説なので、朝読書で読むと読み終えるまで日数はかかりますが、物語がテンポよく進むので楽しみながら読みきれると思います。
『縁結びカツサンド』
【著者】冬森灯
➡この作品がデビュー作品
【出版社】ポプラ社
【文庫本発売】2022年8月
*アマゾンに試し読みあり
- おいしいパンで繋がる4つの連作短編集
- 主人公:商店街のパン屋で知り合う悩みや心配ごとを抱えた男女4人
- パンで繋がる人たちの助けが自分にも返ってくる助け合い物語
- 感想:人とのご縁ってありがたい ほっこり おいしそう
がっつりした人間関係に疲れている人におすすめしたい本です。
パン屋で繋がる人たちの関係が、近すぎず遠すぎずで程よいのが心地いい物語なんです。
顔見知り程度の知り合いだからこそ、打算なく的確なアドバイスをできることがあるんだなと、学生時代の友達でもない、仕事仲間でもない、家族でもない、そんな程よい人間関係ってわりと大事なんだと気づかせてくれます。
連作短編集なので、短い時間の朝読書で読みやすい本です。
『跳べ、暁!』
【著者】藤岡 陽子
【出版社】ポプラ社
【文庫本発売】2022年7月
- 長編小説
- 主人公:母親亡くし父親と田舎へ越してきた14歳の暁ちゃん
- 問題を抱えた仲間たちと、新設した女子バスケ部をつくりあげていく青春物語
- 感想:感動 友情のありがたさ どうにもならない子どもの虚しさ
今の自分ではどうにもならない悩みを抱えている人に読んでほしい本です。
爽やかなバスケット部に励む活動の裏には、家族問題、イジメ、不法滞在、受験失敗など、親に振り回される子どもをめぐる問題がはこびっています。
長めの長編小説で読み終えるまで大変ですが、朝読書の時間、同世代の彼女たちの心の叫びが聞こえてくる物語に没頭できるはず。
『ぷくぷく』
【著者】森沢明夫
【出版社】小学館
【文庫本発売】2022年1月
*アマゾンに試し読みあり
- 長編小説(ページ数412ページ)
- 主人公:内気なイズミを愛するユキ(金魚)
- 言葉を交わすことはできないがイズミを大きな愛で包むユキ。そんな二人の間に新たな男性の登場が二人関係を変えていくのか?愛情たっぷり物語
- 感想:やさしい 愛って大きい おもしろい
守ってあげたいくらい大事な人、好きな人がいる人におすすめの本
あなたと一緒に暮らすペットは、さみしい時もうれしいときも、つらいときも楽しい時も、どんなときも一緒にいるだけであなたを癒してくれませんか?
それはきっとあなとのことが大好き仕方ないからに違いありません。
ほっこりしたり、さみしくなったり、ドキドキしたり、ペットに会いたくなったり、いろんな感情が押し寄せてくる、朝読書の時間が退屈せず過ごせます。
『スイート・ホーム』
【著者】原田マハ
【出版社】ポプラ社
【文庫本発売】2022年4月
*アマゾンに試し読みあり
- 連作短編小説(ページ数215ページ)
- 主人公:毎日をがんばって生きている人たち
- 兵庫県宝塚市にある町のケーキ店を訪れる人たちの、心あたたまる家族の物語
- 感想:やさしい 家族っていいな ピュアな幸せな時間が過ごせる
毎日あわただしくてお疲れ気味の人におすすめの本
おいしそうなケーキを想像しながら、人の優しさと家族のあたたかさで胸がいっぱいになれます。
バタバタして、いろんな思わくがひしめき合う学校のなかとは思えない、すがすがしくピュアな朝読書時間が過ごせるはずです。
『流星コーリング』
【著者】河邉徹
【出版社】ポプラ社
【文庫本発売】2022年2月
*アマゾンに試し読みあり
- 長編小説(ページ数216ページ)
- 主人公:高校3年生のりょう君
- 天文部の男女4人のごくごくふつうの青春物語と思いきや、不思議な現象が起こりだす奇跡の感動物語
- 感想:ビックリ 感動 心あたたまる 切なさ
不思議な世界にはいりこみたい人におすすめ
なんの情報もなく読み始めて、ただただ物語の驚きと切なさを感じてほしい本です。
朝読書の時間だけ、違う世界いるような感覚に思えてきます。
『お父さんはユーチューバー』
【著者】浜口倫太郎
【出版社】双葉社
【文庫本発売】2022年4月
*アマゾンに試し読みあり
- 長編小説(ページ数312ページ)
- 主人公:宮古島のゲストハウスを経営する父勇吾と娘の海香
- お父さんの「俺はユーチューバーになる! 」から始まる家族の物語から、急展開!驚きの事実が明らかになる感動物語
- 感想:驚き 人と人の繋がりってあったかいな
最近、驚きがないなと思っている人におすすめ
人生には、いろんな秘密がある。
「もしかしたら自分にも何か驚くべき秘密があるのでは?」と思ってしまうほどビックリする物語の展開が楽しめます。
「え~、これからどうなっちゃうの」が何回もやってくるドラマチックな物語なので、興奮しながら朝読書の時間を過ごせます。
『赤ずきん、旅の途中で死体と出会う。』
【著者】青柳碧人
【出版社】双葉社
【文庫本発売】2022年8月
*アマゾンに試し読みあり
- 連作短編小説(ページ数336ページ)
- 主人公:あの有名な、赤ずきんちゃん
- 赤ずきんちゃんが探偵になり、西洋童話「シンデレラ」「ヘンゼルとグレーテル」「眠り姫」「マッチ売りの少女」の物語に入りこみ謎に迫る!ミステリー小説
- 感想:驚き おもしろい 赤ずきんちゃんカッコいい
おどろきが味わいたい人におすすめ
赤ずきんちゃんが他の物語に入りこむ!こんな物語の設定を考えた作者ってすごい!と感動しながら、面白くて、ぐいぐい読み進めちゃいます。
赤ずきんちゃんの冴えた名推理に「赤ずきんちゃんスゴイ」と思いながら、朝読書の時間があっという間にすぎちゃうはずです。
『純喫茶パオーン』
【著者】椰月美智子
【出版社】角川春樹事務所
【文庫本発売】2022年7月
- 連作短編小説(ページ数224ページ)
- 主人公:喫茶店「純喫茶パオーン」の店主夫婦の孫「ぼく」小学5年、中学1年、大学1年
- 老夫婦が営む純喫茶を舞台になった、老夫婦の孫「ぼく」の成長物語であり、あったか家族物語
- 感想:おもしろい 人とのつながりがあったかい おじいちゃんおばあちゃんに会いたくなる
心地よい自分の時間を味わいたい人におすすめ
おいしそうな看板メニュー「おじいちゃんの特製ミルクセーキ」「おばあちゃんの魔法のナポリタン」、おだやかで、まったりした、懐かしさたっぷり、そんな心地よい喫茶店の雰囲気が本から漂う物語に、あなたも喫茶店の常連メンバーになった気分になれます。
喫茶店でモーニングを食べながら本を読んでいる、ちょっと大人の気分で、朝読書の時間を過ごせます。
『虹にすわる』
【著者】瀧羽麻子
【出版社】幻冬舎
【文庫本発売】2022年8月
*アマゾンに試し読みあり
- 長編小説(ページ数253ページ)
- 主人公:実家の修理屋を継いでいる徳井
- 学生時代の約束を元に小さな椅子工房を始める徳井と魚住。恋も友情、仕事も不器用な男ふたりの遅い青春物語。
- 感想:青春だな~ 男ってめんどくさいな(笑)
素直になれない、こじらせ男のめんどくささに共感したい人におすすめ
20歳もすぎ遅くにやってきた青春だから、こじらせが半端ないんだなと、なんだか大人の男性が可愛く思えてしまいます。
青春をしている大人に「素直になりなさいよ」と”喝”をいれながら、朝読書の時間を過ごせます。
『亥子ころころ』
【著者】西條 奈加
【出版社】講談社
【文庫本発売】2022年6月
*アマゾンに試し読みあり
- 長編小説(ページ数320ページ)
- 主人公:菓子店「南星屋」の店主・治兵衛(出生に訳あり)
- 江戸時代の物語。治兵衛を主に、出戻り娘のお永、孫娘のお君(16歳くらい)と三人で営む「南星屋」を舞台にしたおいしいお菓子物語であり、心あたたまる家族物語。
- 感想:おいしそう 時代小説っておもしろい 家族っていいな
おいしいお菓子が大好きな人におすすめ
この『亥子ころころ』には前作『まるまるの毬』があります。なので前作から続けて読むのをおすすめします。
ちなみに中学生高校生には、16歳くらいの孫娘お君ちゃんの恋愛模様がある前作の『まるまるの毬』の方が、面白いと思います。
甘いおいしいお菓子が好きなのは江戸時代の人たちもおんなじなんだなと、朝読書の時間だけ江戸時代にタイムスリップできる本です。
『探偵はぼっちじゃない』
【著者】坪田侑也
【出版社】KADOKAWA
【文庫本発売】2022年7月
*アマゾンに試し読みあり
- 長編小説(ページ数368ページ)
- 主人公:中学3年生、緑川光毅、緑川が通う中学の新任教師・原口 「ぼっち」キャラ
- 学校にも家庭にもどこにも自分の居場所がないと思っている「ぼっち」の生徒と教師が生きづらい社会を生き抜く青春ミステリー物語
- 感想:ビックリ
なんだか、なにもかもにも、モヤモヤしている人におすすめ
ビックリですが執筆当時の作者は15歳!
なので、15歳の作者がリアルに感じていた世界が書かれていて、みずみずしくさも感じる作品です。
中学生の子どもだけではなく、教師という大人の世界ものぞける面白さがあります。
となりの席に座っているクラスメイトの物語を呼んでいるかのような、不思議な朝読書の時間になります。
『海がきこえる〈新装版〉』
【著者】氷室冴子
【出版社】徳間書店
【文庫本発売】2022年7月
*アマゾンに試し読みあり
- 長編小説(ページ数330ページ)
- 主人公:中学・高校・大学時代の杜崎拓
- 東京から転校してきた気まぐれな美少女、里伽子にふりまわされる拓。高知を舞台にした中学高校時代から、上京した東京でも彼女に振り回されっぱなしの青春物語
- 感想:青春って甘酸っぱい
好きな人にイラッとしたり、でも気になって仕方ない。「好き」な人に振り回されている人におすすめ
『海がきこえる』の単子本が出版されたのは1993年、平成初期でバブルが終わりかけの時代。
本を原作としてスタジオジブリが制作したアニメーション作品になり、1995年にはテレビドラマが製作された氷室冴子さんの名作であり伝説の本です。
青春時代の真っただ中の男女のモヤモヤした気持ちは、いつの時代も同じだからか、携帯電話もでてこないけれど、なぜか現代小説としても読んで楽しめます。
美少女に振り回される男子の姿が、頼りない➡愛しい➡カッコよく思えてくる、朝読書の時間を楽しくさせてくれます。
紹介した本16冊リスト
2022秋の朝読書に読みたい! 【文庫で読める】中学生・高校生におすすめ本16冊を紹介しました。
16冊すべて2022年に文庫本になったばかりの本です。
主人公が中学生・高校生の作品がほとんどなので、自分に似た主人公の本を読んでもいいし、自分とはまったく違うタイプの主人公の本を読んでもおもしろいと思います。
恋愛物語、友情物語、家族の物語、青春物語、ミステリーなどいろんなタイプの物語を楽しんでみてくださいね。
気になる本があったら読んでみてくださいね
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