今年2022年に発売された本から厳選!した、【読書の秋】だから朝読書で読みたい、中学生・高校生におすすめ長編小説10冊を紹介します。
発売されて数か月なので話題になってない本もありますが、最後まで読むのがやめられない、おもしろい本ばかりをそろえました。
話題になる前、みんなより先に読んじゃいましょう!
気に入ったら、友達に本の魅力を伝えて、本仲間を増やしてくださいね。

児童書、ヤングアダルト(YA)ブック、中学受験出題本のおもしろさにどっぷりにハマっている私が、実際に読んでおすすめしたい本10冊を紹介します。
『掬えば手には』
- 主人公:不思議な力をもつ?大学生の梨木匠(男)
- 人と人との繋がりに温かさを感じる物語
- 友達になりたいナンバーワン男子!の登場
人との付き合い方がわからない、苦手な中学生・高校生におすすめ
人を真正面からみつめず、いろんな方面からみてその人を理解しようとする男子、梨木くん。
それが彼の不思議なパワーの原動力となっています。
そのパワーは、イヤミで意地悪なアルバイト先の店長すら、手なずけてしまうのです。
「苦手だな」、「近寄りたくないな」と思った人を理解してみようと思う気持ちは、相手にも伝わるし、それが相手と自分の関係を和らげてくれるんだな~と教えてくれる本です。
大学生の梨木匠は平凡なことがずっと悩みだったが、中学3年のときに、エスパーのように人の心を読めるという特殊な能力に気づいた。ところが、バイト先で出会った常盤さんは、匠に心を開いてくれない。常盤さんは辛い秘密を抱えていたのだった。だれもが涙せずにはいられない、切なく暖かい物語。
『早番にまわしとけ 書店員の覚醒』
- 主人公:本屋の店長、由佳子
- 本屋さんで繰り広げられるチームワーク物語
- 青春をこじらせたまま大人になってしまった店長の成長物語
- 『遅番にまかせておけ』の続編
本好きの中学生・高校生におすすめ
本好きならだれもが、本屋さんで働いてみたい!と思いますよね。
そんな本屋さんの裏側がのぞける物語。
「早番」編は、本屋で働く個性的な女性たちが、ぶつかり合いながらも「いい本屋」を作りあげていくチームワークが楽しめます。
前編の「遅番」編は、本屋で働く男性たち(大学生)の物語です。「遅番」「早番」セットで読むとさらにおもしろいですよ。
朝から大量配本、レジに発注で夕方には燃え尽きる。それが書店の早番だ。とある書店・さかえブックスへ本社から由佳子が店長としてやってきた。本に恋愛に一切興味なし!そんな店長を前に、早番どうする!?
『宙ごはん』
- 主人公:お母さんが二人いる女の子、川瀬宙(そら)ちゃん
- 長編小説だが連作短編小説としても読める
- 宙ちゃんの幼稚園生から大人になる成長、変わりゆく家族や人間たちの物語
お母さんに不満をもっている中学生・高校生におすすめ
母親だってひとりの人間だし、家族はどんどん変わっていく生き物のようなものと教えてくれる物語です。
そして物語に登場する、おいしいそうなたくさんの食べ物はどんなに辛い時でも、幸せを運び、心を癒してくれることを伝えてくれます。
宙には、育ててくれている『ママ』と産んでくれた『お母さん』がいる。厳しいときもあるけれど愛情いっぱいで接してくれるママ・風海と、イラストレーターとして活躍し、大人らしくなさが魅力的なお母さん・花野だ。二人の母がいるのは「さいこーにしあわせ」だった。
宙が小学校に上がるとき、夫の海外赴任に同行する風海のもとを離れ、花野と暮らし始める。待っていたのは、ごはんも作らず子どもの世話もしない、授業参観には来ないのに恋人とデートに行く母親との生活だった。代わりに手を差し伸べてくれたのは、商店街のビストロで働く佐伯だ。花野の中学時代の後輩の佐伯は、毎日のごはんを用意してくれて、話し相手にもなってくれた。ある日、花野への不満を溜め、堪えられなくなって家を飛び出した宙に、佐伯はとっておきのパンケーキを作ってくれ、レシピまで教えてくれた。その日から、宙は教わったレシピをノートに書きとめつづけた。
『ラブカは静かに弓を持つ』
- 主人公:チェロ教室にスパイとして潜入する、全日本音楽著作権連盟の職員、25歳の橘樹(たちばないつき)
- 新しい自分が見つけた友情と信頼、そして自分自身の成長の物語
- 「音楽の著作権を管理する団体の職員が、音楽教室の演奏実態の調査のために一般客を装って覆面調査した。そして、その職員が裁判で調査内容を証言した」という実際にあった事件が元になった作品(作者インタビューより)
今の自分があまり好きじゃない中学生・高校生へおすすめ
過去のトラウマで避けていたチェロ、人づきあいが苦手な自分だったはずなのに、スパイ活動として潜入したチェロ教室で、新しい自分に出会ってしまう主人公。
何がキッカケで自分が変わっていくのかなんてわからないのが、人生の面白さでもあり、大変さなんだと教えてくれる物語です。
それにしても実際にあった事件がもとになった作品って、物語に漂う緊張感が違いますよね!
武器はチェロ。
潜入先は音楽教室。
傷を抱えた美しき潜入調査員の孤独な闘いが今、始まる。
少年時代、チェロ教室の帰りにある事件に遭遇し、以来、深海の悪夢に苛まれながら生きてきた橘。
ある日、上司の塩坪から呼び出され、音楽教室への潜入調査を命じられる。
目的は著作権法の演奏権を侵害している証拠をつかむこと。
橘は身分を偽り、チェロ講師・浅葉のもとに通い始める。
師と仲間との出会いが、奏でる歓びが、橘の凍っていた心を溶かしだすが、法廷に立つ時間が迫り……
『カレーの時間』
- 主人公:昭和生まれの頑固な83歳の祖父と暮らすことになった、穏やか草食男子の孫、25歳の佐野桐矢
- まったく違う祖父と孫の物語
- カレーが食べたくなること間違いなし!
おじいちゃんが苦手な中学生・高校生におすすめ
カレー好きな中学生・高校生におすすめ
なんでおじいちゃんが苦手なのか考えたことってあります?
そもそも、おじいちゃんについて詳しく知っている人って少ないんじゃないでしょうか?
おじいちゃんがどんな仕事をしてきて、どんな人と友達で、どんな人が好きなタイプだとか、好きな食べ物は何か?なんて知ってますか?
当たり前だけど、おじいちゃんだっていろんなモノを抱えた人間で、若い時があったんだと教えてくれる物語です。
ゴミ屋敷のような家で祖父・義景と暮らすことになった孫息子・桐矢。カレーを囲む時間だけは打ち解ける祖父が、半世紀の間、抱えてきた秘密とは――ラスト、心の底から感動が広がる傑作の誕生です。
『ペーパー・リリイ』
- 主人公:野中杏 結婚詐欺師の叔父に育てられている高校2年生(17歳)
- 詐欺にあった女(キヨエ40歳)と詐欺をした男の姪、奇妙な女二人の旅物語
- 女は強し!と驚きと爽快な気分が味わえる
おもしろい物語を読みたい中学生・高校生におすすめ
物語の設定に引き込まれ、あとはテンポよく進んでいく物語にグイグイ入りこんでしまう。
そして最後の最後まで読者の気持ちを離さない!
読んでいる自分も、杏とキヨエと旅している気持ちになれる物語です。
野中杏、17歳、結婚詐欺師の叔父に育てられている高校2年生。
夏休みの朝、叔父に300万円をだまし取られた女性キヨエが家にやって来た。
キヨエに返してやりたい、人生を変える何かをしてあげたい。
だってあたしは「詐欺師のこども」だから。
家から500万円を持ち出し、杏はキヨエと一週間限定の旅に出る。
目指すは幻の百合!
『優等生は探偵に向かない』
- ぶ厚め文庫本
- 主人公:高校生のピップ
- 警察にも解けない謎を解決する、女子高校生探偵物語
- 女子高校生探偵の武器はSNS!
- 『自由研究には向かない殺人』待望の続編
本格ミステリーが好きな中学生・高校生におすすめ
専門職の大人顔負けの推理力で事件を解決していく女子高校生ピップは、ミステリ―好きな中学生・高校生には憧れの存在になるかもしれません。
ピップは決して目立つタイプの女の子じゃないのも好感がもてます。
ちなみに前作『自由研究には向かない殺人』を読んでなくても大丈夫ですが、せっかくならセットで楽しむのをおすすめします。
友人の兄ジェイミーが失踪し、高校生のピップは調査を依頼される。警察は事件性がないとして取り合ってくれず、ピップは仕方なく関係者にインタビューをはじめる。SNSのメッセージや写真などを追っていくことで明らかになっていく、失踪当日のジェイミーの行動。ピップの類い稀な推理で、単純に思えた事件の恐るべき真相が明らかに……。
『両手にトカレフ』
- 主人公:イギリスに住むミア、育児放棄した母親と弟と3人暮らしの14歳の少女
- 14歳の少女が弟を守りながら生き抜く物語
- 作者は『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』のブレイディみかこさん。
あたたかくて優しい家族と一緒に、何不自由なく暮らしている中学生・高校生におすすめ
中学生・高校生のときは、自分の家族が当たり前に思えます。
だって、それしか知らないんですから仕方ないですよね。
でもとなりの家は、あなたの家族とまったく違う生活をしているかもしれない。
中学生にはどうにもならない生活がリアルに目のまえに現れ、社会は決して平等ではないことを教えてくれる物語です。
これは決して遠いイギリスの物語ではない!
「ここではない世界」は、 今この場所から始まっていく――。 寒い冬の朝、14歳のミアは、短くなった制服のスカートを穿き、図書館の前に立っていた。そこで出合ったのは、カネコフミコの自伝。フミコは「別の世界」を見ることができる稀有な人だったという。本を夢中で読み進めるうち、ミアは同級生の誰よりもフミコが近くに感じられた。一方、学校では自分の重い現実を誰にも話してはいけないと思っていた。けれど、同級生のウィルにラップのリリックを書いてほしいと頼まれたことで、彼女の「世界」は少しずつ変わり始める――。
『レペゼン母』
- 主人公:山間の町の梅農家、深見明子64歳
- ラップでダメ息子と勝負する母の明子、泣いて笑える親子の物語
親子関係に悩み中、笑って泣きたい中学生・高校生におすすめ
母と息子。
生まれる前は同じ体でつながっていたのに、生まれてしまうとなぜか通じ合えないことばかり。
親子だから素直になれないけれど、心配で愛おしい気持ちは計り知れない。
家族や親子の愛が、ラップにのって飛び出してくる物語です。
中学生・高校生には、母親がどれだけ自分を愛してくれているか、明子のラップを通じて知ってほしいなと思います。
マイクを握れ、わが子と戦え!
山間の町で穏やかに暮らす深見明子。
女手一つで育て上げた一人息子の雄大は、二度の離婚に借金まみれ。
そんな時、偶然にも雄大がラップバトルの大会に出場することを知った明子。
「きっとこれが、人生最後のチャンスだ」
明子はマイクを握り立ち上がる――!
『雲を紡ぐ』
- 待望の文庫本発売!
- 主人公:いじめが原因で学校に行けなくなった高校2年生・美緒
- 家族と成長の物語
- 第8回高校生直木賞(2021)受賞作
- 文庫版特典として、スピンオフ短編「風切羽の色」(「いわてダ・ヴィンチ」掲載)を巻末に収録。
- 2021年中学入試、公立高校入試出題本として話題になった本
自分に自信がない中学生・高校生におすすめ
家族関係に悩みがある中学生・高校生におすすめ
今いる場所がすべてではない。
中学生や高校生のときは学校や家族がすべてに感じてしまうけれど、社会はもっと広いし、自分のほんとうの居場所探しはまだまだ始まったばかりなんだと教えてくれる本です。
主人公の祖父が住む岩手県盛岡市にある実際の喫茶店や、食事店、名産品などが登場する、盛岡のおいしい魅力もたっぷりつまった物語です。
羊毛を手仕事で染め、紡ぎ、織りあげられた「時を越える布・ホームスパン」をめぐる親子三代の「心の糸」の物語。
いじめが原因で学校に行けなくなった高校2年生・美緒の唯一の心のよりどころは、祖父母がくれた赤いホームスパンのショール。
ところが、このショールをめぐって母と口論になり、美緒は岩手県盛岡市の祖父の元へ行ってしまう。
美緒は、祖父とともに働くことで、職人たちの思いの尊さを知る。
一方、美緒が不在となった東京では、父と母の間にも離婚話が持ち上がり……。
「時代の流れに古びていくのではなく、熟成し、育っていくホームスパン。
その様子が人の生き方や、家族が織りなす関係に重なり、『雲を紡ぐ』を書きました」と著者が語るように、読む人の心を優しく包んでくれる1冊。
今回紹介した本リスト
今年2022年に発売された本から厳選!した、【読書の秋】だから朝読書で読みたい、中学生・高校生におすすめ長編小説10冊を紹介しました。
発売されて数か月なので、話題になってない本もありますが、読んだら最後、どっぷりハマってしまう本ばかりです。

好みの本を選んで読んでみてね。
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