2022年に発売された文庫本から厳選!したおすすめ【中学入試出題作家の小説】11冊を選んでみました。
文庫本なので千円あれが買える本ばかりです。
千円払って、自分の知らない世界に飛び込んだり、自分と似た登場人物に出会ってみませんか?
児童書、ヤングアダルト(YA)ブック、中学受験出題本のおもしろさにどっぷりにハマっている私が、実際に読んでおすすめしたい本10冊を紹介します。
『アスリーツ』
- 主人公:高校生の結城沙耶ちゃん 射撃部に入る
- 長編物語
- 中学時代に陸上部で失敗した経験をトラウマにもつ沙耶ちゃんの成長物語
- 沙耶ちゃん自身だけでなく、先生や友達との関りあいも物語の大きなポイント
- 2020年開智中学の入試問題で出題された作品
失敗した過去が忘れられない人におすすめ
今までとは違ったスポーツに取り組むことで、新しい自分を見つけていく沙耶ちゃん。
ひとつのことが順調にいきだすと、どこかが狂いだす。
人生にありがちですよね~。
「人生って難しいな」と感じてしまう物語ですが、何かに真剣に向かい合うことが自分を変えていける、自分で人生をコントロールできると励ましてくれる物語でもあります。
沙耶ちゃんのように、いいことばかりじゃない、人生は浮き沈みのあるものってわかると、困難にも乗り越えられるかもしれないわね
陸上では、自分に失望した。もう、負けたくない――。
結城沙耶は、中学2年で出場した全日本中学陸上広島県大会100メートルハードル女子決勝で転倒し、失意のうちに陸上部を退部した。親友の松前花奈に誘われ、広島の進学校・大明学園高校へ入学し、射撃部に入る沙耶。初めて構えるビームライフルの重さに驚き、個性豊かな先輩たちに励まされ、童顔の監督・磯村辰馬の指導を受けつつ、未知の競技に戸惑いながらも花奈とともに励む毎日だったが――。
五輪種目のライフル射撃と格闘する少女たちの喜怒哀楽に心震える、名作『バッテリー』に連なる10代の挫折と再生の物語。
作者:あさのあつこさん
あさのあつこさんの中学入試で出題された主な作品
『13歳のシーズン』
『ただいま神様当番』
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【著者】青山美智子
【出版社】宝島社
【文庫本出版年月】2022年7月
*アマゾンに試し読みあり
- 主人公:バス停で並ぶ7人の男女
- 連作短編集
- それぞれが神さまをもてなすことで、自分を変えていく物語
- 自分に自信がない人たちが一歩踏み出す勇気に、元気がもらえる
自分に自信がない人におすすめ
なんだかパッとしない毎日、イライラする家族、いじいじする自分自身
悩ましい日々に追い立てられている人たちが、突然現れた神様によって大きく変身していきます。
わがままな神様にふりまわされる人たちの悪戦苦闘ぶりは、笑ってしまうことも!
毎日の生活から徐々に溜まる悩みやストレスを抱えた人たちは、なんだか自分を見ているような気分になるはずです。
神さまに会いたくなるような、会いたくないような(笑)
なにかがキッカケで自分自身を変えることができるのはステキよね
ある朝、目を覚ますと手首から腕にかけて「神様当番」と太くて大きな文字が書かれていた! 突如目の前に現れた「神様」を名乗るおじいさんの願いを叶えないと、その文字は消えないようで……。「お当番さん、わしを楽しませて」幸せになる順番を待つのに疲れた印刷所の事務員、理解不能な弟にうんざりしている小学生の女の子、SNSでつながった女子にリア充と思われたい男子高校生、大学生の崩れた日本語に悩まされる外国語教師、部下が気に入らないワンマン社長。奇想天外な神様に振り回されていたはずが、いつのまにか彼らの悩みも解決していて……。青山美智子氏が贈る、笑えて泣けるエンタメ小説です。
作者:青山美智子さん
青山美智子さんの中学入試で出題された主な作品
短編集『木曜日にはココアを』
短編集『鎌倉うずまき案内所』
『風に恋う』
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【著者】額賀 澪
【出版社】文芸春秋社
【文庫本出版年】2020年6月
- 主人公:幼馴染のふたり 高校1年の茶園基(ちゃえん・もとき)と、高校3年の鳴神玲於奈(なるかみ・れおな)
- 今は弱小化した吹奏楽部をよみがえらせる高校生の”ど青春物語”
- 吹奏楽部の意外な体育会系のパワフルさがカッコイイ
- 仲間とともに成長していくすがすがしい青春を味わおう
何かに情熱を燃やしたい人におすすめ
一見楽器を弾きこなし優雅に見える吹奏楽部ですが、実際はパワフル全開な体育会家の部活のようです。
そんな吹奏楽部で情熱をもやし続ける生徒たちの、青春が清々しく、ときには痛々しく感じられる物語を読むと、自分がもっている情熱がふつふつ湧き出してくるはずです。
何かに必死になる
人生で一度は体験してみてもいいかもしれません!
この『風に恋う』だけ文庫化されたのは2020年だけど、ぜひ読んでほしいから紹介しちゃったわ
かつては全国大会連続金賞、その象徴的存在としてマスコミにも頻繁に取り上げられた黄金時代を持つ、名門高校吹奏楽部。子供の頃に演奏会で魅了された幼馴染の茶園基(ちゃえん・もとき)と鳴神玲於奈(なるかみ・れおな)は入部したものの、現在の吹奏楽部にかつての栄光は見る影もない。そこへ突然、黄金時代の部長だったレジェンド・不破瑛太郎(ふわ・えいたろう)がコーチとして戻ってきて、一年生の基を部長に任命した。
部に渦巻く嫉妬とプライド、大学受験のプレッシャー、才能への不安と選抜オーディションの恐怖。一年生部長を擁する名門吹奏楽部は今年、全国大会開催の地・名古屋への切符を手にする事ができるのか。
「高校時代が一番輝いてた、なんて言う大人にはなるなよ」―-コーチとして部活の真剣な舞台に戻ってきた瑛太郎は高校生との時間に何を見つけられるのか。
悔いのない高校生活とは。部活動にすべてを賭ける「今」は、どんな未来へと繋がっているのか。青春小説の名手・額賀澪が紡ぎだすリアルで美しい言葉たちが奔流のごとくあふれ出し、高校時代の輝きを懐かしむ全ての大人たち、部活動に青春をささげる中高生の胸に突き刺さる!
涙腺決壊の王道青春エンタメ小説!
作者:額賀 澪さん
額賀 澪さんの中学入試で出題された主な作品
『屋上のウインドノーツ』
『タスキメシ』
『跳べ、暁!』
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【著者】藤岡 陽子
【出版社】ポプラ社
【文庫本出版年月】2022年7月
- 主人公:女子バスケット部を立ち上げた中学2年生、転校生の暁ちゃん
- 女子バスケ部の”青春物語”
- 中学生では解決できない問題が多発する社会派小説
- 幸せに暮らしている子どもたちにこそ読んでほしい
親や家族に恵まれている人におすすめ
母親を亡くし、父親と田舎へ越してきた14歳の暁ちゃんが、秀才だが運動神経ゼロの欣子、不法滞在の身でほとんど学校に来られないタンザニア人のプミリア、陸上部から転部してきた薫などと繰り広げる青春バスケ物語。
バスケ初心者の彼女たちの情熱がキラキラ光る青春物語です。
そして爽やかな部活動の裏には、家族問題、イジメ、不法滞在、受験失敗など、親に振り回される子どもをめぐる問題もはこびった物語でもあるのです。
中学生にもなると、世の中には自分じゃどうにもならないことがあると気づく
でも、自分でどうにかできることもあると前向きになれるのがこの小説の読みどころです。
読みごたえたっぷりです。
登場する女子中学生たちが背負っているものが大きすぎて、大人の私でもどうしていいのだろうと思っちゃうくらい衝撃的な物語だったけれど、彼女たちの明るさと友情に涙がとまらないくらい感動したわ
母親を病で失い、会社を退職した父親と実家のある田舎へ越してきた14歳の暁。バスケットに情熱を燃やしていたものの、転校先に女子バスケット部はない。そこで暁は、学年イチの秀才で運動神経ゼロの欣子、不法滞在の身でほとんど学校に来ていないタンザニア人のブミリアたちと女子バスケット部を立ち上げる。初心者の集まりだったチームに苦心する暁たちの前に一人の少女が現れる。それが、暁と本田薫との出会いだった。
作者:藤岡 陽子さん
藤岡 陽子さんの中学入試で出題された主な作品
『海とジイ』
➡こちらの作品も2022年9月文庫本化されていますので、ぜひ読んでみてください。
『金木犀とメテオラ』
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【著者】安壇美緒
【出版社】集英社
【文庫本出版年月】2022年2月
*アマゾンに試し読みあり
- 主人公:東京生まれで裕福な家庭で育った秀才・佳乃と、北海道育ちで経済的に恵まれない家庭で育った美少女・叶
- 北海道の中高一貫の女子校を舞台に、思春期の歯がゆさ、そして成長が描かれた青春物語
- お互い成績優秀だが、生まれた生活環境のまったく違うふたりのバチバチのライバル心が読みどころ
なぜかライバル心をもってしまう人がいるへおすすめ
生まれた環境がまったく違う二人の少女だが、成績優秀な二人は、お互いのもつプライドの高さや孤独さをうすうすと感じ取っています。
お互いを認め合いながらも、互いに負けたくないというライバル心は、互いを理解する気持ちへと変化していきます。
なぜか気になる、ライバル心をもってしまう人っていますよね~。
冷ややかにメラメラと闘志をもやす女子同士のライバル心の熱さと、優秀な女子が笑顔の裏にひた隠すプライドの高さがおもしろい小説です。
女子のライバル心って、怖いのよ(笑)
思春期ならではの嫉妬やモヤモヤが上手く書かれていて、同調できる人が多いと思う物語よ
12歳の春。東京出身の宮田佳乃は、家庭の事情で北海道にある中高一貫の女子校に入学する。しかし、秀才でプライドが高い彼女には、受け入れ難い進路だった。一方、地元出身の奥沢叶も、新入生総代に選ばれるほどの優等生。パッと目を引く美少女で誰もが羨む存在だが、周囲には知られたくない〝秘密〟があり……。思春期の焦燥や嫉妬、葛藤をふたりの視点で描く、青春長編。
スピンオフ短編も収録。
作者:安壇美緒さん
安壇美緒さんの中学入試で出題された主な作品は、調べたところ現在ありませんでした。(2022年12月)
『迷犬マジック(2)』
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【著者】山本甲士
【出版社】双葉社
【文庫本出版年月】2022年9月
*アマゾンに試し読みあり
- 主人公:黒柴系のオスの中型犬”迷犬マジック” 年齢も性別も異なる男女4人(小学4年の男の子の物語あり)
- 春夏秋冬とマジックがお世話になる人たちの悩み解決物語
- マジックが起こすマジックは自分自身が起こすモノ!と元気と勇気を与えてくれる
元気が出ない、うじうじと悩みがちな人におすすめ
「あ~、今日もついてないな。」「またダメだった。」「なんだか困っているけれど、まあ、いっか」
そんな毎日を過ごしている人にぜひぜひ読んでもらいたい一冊です。
元気がないときに読むとマジックのパワーが伝わってきて、元気になれることまちがいなし!
シリーズものの2巻目ですが、この作品から読んでも大丈夫です。
1巻目もマジックパワー全開で元気になれる本なのでおすすめします。
マジックに会いたい!
自分だけじゃなくて、誰かのために(マジックのため)に頑張ろうと思う気持ちが、良い方向へ回りだすんじゃないかなと前向きにしてくれる物語よ
マジックは今日も〝迷い犬〟として誰かのもとを訪れる。
マジックと一緒にいると、これまではまったく接点のなかった人との会話が生まれて気持ちが変わったり、自然と未来に光が差してきたりする。
みんな、「マジックに出会った瞬間」から奇跡が起きている!? 大人気のワンダフル・ストーリー、待望の第2弾。
作者:山本甲士さん
山本甲士さんの中学入試で出題された主な作品
『あたり 魚信』短編「らいぎょ 雷魚」
山本甲士さんの県立高校入試で出題された主な作品
『ひかりの魔女』
中学受験生でも十分読める楽しめる本です。おすすめ!
『おいしくて泣くとき』
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【著者】森沢明夫
【出版社】角川春樹事務所
【文庫本出版年月】2022年5月
*アマゾンに試し読みあり
- 主人公:中学3年生の心也くん
- 貧困、暴力など、中学3年生の子どもにはどうにもならない現実を知りながらも、懸命にもがく彼らの青春物語
- つらい現実はあろうとも、やさしい心がぶつかりあうストーリーに涙します
- 難関中学「開成中学校」の2022年入試問題(国語)で出題された物語
心がお疲れ気味の人におすすめ
心也の父親は、貧困家庭の子どもたちに無料で「こども飯」を提供する『大衆食堂かざま』のオーナーであることで、学校でイヤな目にあっている心也。
でも「こども飯」に助けられている子どもたちが、その学校にもいるのが現実です。
ただつらい物語ではなく、数年後の心温まるエピソードありの、人のもつやさしさや恩返しストーリーに胸がいっぱいになりますよ。
心也くんのカッコよさに胸がどきどきしたわ
でも夕花ちゃんのカッコよさも負けてなかった!
人と人の繋がりってほんとうに大切にしたいなと思える本よ
無料で「こども飯」を提供する『大衆食堂かざま』。
店のオーナーの息子・心也は、怪我で大好きなサッカーができなくなり、中学最後の夏休みを前に晴れない気持ちを持て余している。
また心也は、時々こども飯を食べにくる同級生のことを気にしていた。
一人は夕花。クラスから疎外され、義父との折り合いも悪い。もう一人は金髪パーマの不良、石村。
友情と恋心、夏の逃避行。大人たちの深い想い。
〈子ども食堂〉から始まる思いやりの連鎖が、温かな奇跡を呼ぶ。傑作長篇、待望の文庫化!
作者:森沢明夫さん
森沢明夫さんの中学入試・公立高校入試で出題された主な作品
『海を抱いたビー玉』
『津軽百年食堂』
『虹の岬の喫茶店』
『早朝始発の殺風景』
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【著者】青崎 有吾
【出版社】集英社
【文庫本出版年月】2022年1月
*アマゾンに試し読みあり
- 主人公:高校生の男女
- 短編集5編とエピローグ
- ふつうの高校生活に潜む、普段の生活にかくれたミステリーに挑む物語
- 見た目からはわからない秘密や悩みを抱えた高校生の青春物語
ちょっとしたミステリーが好きな人、気分転換におすすめ
毎日のほほ~んと楽しそうにみえる高校生にも、悩みがあります。
それは目に見えてみえるものでないのは、本人は隠すことに必死になっているのかもしれません。
高校生ならではの、微妙に繊細な心、計算されたようなアリバイつくり、知らなかったあの人の秘密などがみえてくる殺人なしのミステリーです。
「へーあの人ってこんな人だったんだ」
よく知らなかったクラスメイトたちを知るミステリーって意外におもしろい!
青春は、気まずさでできた密室だ。始発の電車で遭遇したのは普段あまり話さない女子。二人は互いに早起きの理由を探り始め……(表題作)。部活の引退日、男同士で観覧車に乗り込んだ先輩と後輩。後輩には何か目的があるようだが(「夢の国には観覧車がない」)。不器用な高校生たちの関係が小さな謎と会話を通じて少しずつ変わってゆく。ワンシチュエーション&リアルタイムで進行する五つの青春密室劇。
作者:青崎有吾さん
青崎 有吾さんの中学入試で出題された主な作品は、調べたところ現在ありませんでした。(2022年12月)
『線は、僕を描く』
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【著者】砥上裕將
【出版社】講談社
【文庫本出版年月】2021年10月
*アマゾンに試し読みあり
- 主人公:大学生の霜介(そうすけ) 両親を亡くしている
- 大学の友達、水墨の師匠や兄姉弟子たちのキャラの濃さが際立つ
- なじみのない水墨画の世界がのぞける
- 2022年10月公開された横浜流星主演映画『線は、僕を描く』の原作小説
- 2020年本屋大賞第3位、ブランチBOOK大賞2019受賞
- 2020年江戸川取手中学と三輪田学園中学の入試問題(国語)で出題された
自分の殻を破りたい人におすすめ
両親を突然亡くして生きる希望を失っている青年が、水墨画と出会い、、自分を見つめなおじ、人生が変わっていく様子や成長が読める物語です。
美しいライバル、尊敬できる師匠などが与えてくれる霜介へ愛情、登場人物みんなの水墨画への情熱がストレートにつたわってくる、純粋さがあふれでています。
水墨画はなじみがない人が多いと思いますが、読みやすい本です。
水墨画がまったくわからなくても大丈夫です。
逆に水墨画に興味津々になれる本だったわ
「できることが目的じゃないよ。やってみることが目的なんだ」
家族を失い真っ白い悲しみのなかにいた青山霜介は、バイト先の展示会場で面白い老人と出会う。その人こそ水墨画の巨匠・篠田湖山だった。なぜか湖山に気に入られ、霜介は一方的に内弟子にされてしまう。それに反発する湖山の孫娘・千瑛は、一年後「湖山賞」で霜介と勝負すると宣言。まったくの素人の霜介は、困惑しながらも水墨の道へ踏み出すことになる。
作者:砥上裕將さん
砥上裕將さんの中学入試で出題された主な作品は、調べたところ現在ありませんでした。(2022年12月)
『スイート・ホーム』
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【著者】原田マハ
【出版社】ポプラ社
【文庫本出版年月】2022年4月
*アマゾンに試し読みあり
- 主人公:小さな洋菓子店を営む家族と、そのお店に通う人たち
- 連作短編集8編
- それぞれ悩みをかかえている人たちが繰り出す、あたたかい愛の物語
モヤモヤする悩みを抱えて頑張っている人におすすめ
おいしいお菓子とあたたかい家族愛が、心をモヤモヤにする悩みを解決してくれます。
受験を前にした中学生の物語や、好きな人に告白できない女性、家族との同居に悩む女性などなど、人の悩みっていろいろなんだな~と感じられる本です。
そしていい人ばかりが登場します。
読んだ後、悩みを抱えて頑張っている人にエールを送ってくれるはず。
心が温かくなり、おいしいケーキが食べたくなりました。
年齢を超えて、ひとつのお店に通う人たちそれぞれの人生物語が、ちょっとずつ繋がるのが面白い小説です。
大人や年配の人たちの物語は、理解できない、気持ちがわかりにくいかもしれないけれど、自分のそばにいる似た人たちに置き換えて読んでみると楽しめると思うわ
幸せのレシピ。
隠し味は、誰かを大切に想う気持ち――。
舞台は阪急沿線の小さな洋菓子店。
頑張るあなたに元気をくれる、
とびきり温かな絆の物語。
香田陽皆は、雑貨店に勤める引っ込み思案な28歳。
地元で愛される小さな洋菓子店「スイート・ホーム」を営む、
腕利きだけれど不器用なパティシエの父、明るい「看板娘」の母、
華やかで積極的な性格の妹との4人暮らしだ。
ある男性に恋心を抱いている陽皆だが、なかなか想いを告げられず……。
さりげない毎日に潜むたしかな幸せを掬い上げた、
心にあたたかく染み入る珠玉の連作短編集。
作者:原田マハさん
原田マハさんの中学入試で出題された主な作品
『生きるぼくら』
『翔ぶ少女』
『奇跡の人』
『常設展示室』短編「群青」
『純喫茶パオーン』
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【著者】椰月美智子
【出版社】角川春樹事務所
【文庫本出版年月】2022年7月
*アマゾンに試し読みあり
- 主人公:祖父母が喫茶店を営む少年の来人くん
- 連作短編集3編(主人公が小学五年・中学一年・大学一年の物語)
- 家族と来人くんの成長物語
- 2021年品川女子学院中等部(第一回)入試で出題された作品
家族が大好き、祖父母が大好きな小学高学年生におすすめ
大好きなおじいちゃんとおばあちゃんが営む、居心地のいい喫茶店パオーンで起こる事件のあれこれ。
あたたかい家族愛と、おもしろい学校の先輩、喫茶店の常連の大学生、そして男の子の友情など来人くんの青春時代が楽しめる一冊になっています。
おいしい喫茶店メニューがでてくるので、おいしいもの好きな人には特におすすめです!
私は主人公の来人くんが中学時代の話が一番面白かったわ。
来人くんの部活の先輩がいい味だしているのよ~。
創業五十年(おおよそ)の喫茶店「純喫茶パオーン」。
トレイを持つ手がいつも小刻みに震えているのに、グラスたっぷり表面張力ギリギリで運ぶ「おじいちゃんの特製ミルクセーキ」と、どんなにお腹がいっぱいでも食べたくなっちゃう「おばあちゃんの魔法のナポリタン」が看板メニューだ。
その店主の孫である「ぼく」が小学五年・中学一年・大学一年でそれぞれ出会う不思議な事件と、人生のちょっとした真実。
きっとあなたも通いたくなる、心地好さ。
作者:椰月美智子さん
椰月美智子さんの中学入試で出題された主な作品
『十二歳』
『しずかな日々』
『14歳の水平線』』
今回紹介した本リスト
2022年に発売された文庫本から厳選!したおすすめ【中学入試出題作家の小説】11冊を選んでみました。
中学受験で出題されるほどの作家さんたちの本は、言葉もきちんとしていて、読みやすい本なので寒い冬を家の中で過ごすお伴にどうぞ。
あなたの好みの本を選んで読んでみてね。
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