児童書、ヤングアダルト(YA)ブック、中学受験出題本のおもしろさにどっぷりにハマっている私が、実際に読んでおすすめしたい本を紹介します。
読書しているときが一番の幸せと感じている私が実際に読んだ本のなかから、「女友達」について考えるおすすめ本を紹介します。
お気に入りの本を見つけて、女友達ならではの楽しさや、難しさを感じてくださいね。
紹介した本は、大人も中学生、高校生(本好きなら小学校高学年でも)も楽しめる本です。
中学入試で出題された本も選書しています。
『レンタルフレンド』
- 女友達の形:必要な時にお金で借りるレンタル女友達
- 主人公:お金をもらいプロのレンタルフレンドとして仕事をするのは七実
- 4つの連作短編集
友達がいるのが当たり前、友達を作らなきゃと思っている人におすすめ
小学校に入る前に「友達100人できるかな?」と歌ったことありませんか?
友達をつくることを強制され、お友達と一緒に頑張りましょう、お友達と楽しく給食を食べましょう、お友達は多いほどスゴイと言われ、お友達がいないと変人扱いをされ。
そんな学生時代、いや大人になってからもそんな風潮の中で生きてきた人たちにこそ読んでほしい一冊が青木さんの『レンタルフレンド』です。
お金を出して、必要な時に、TPOに合わせた友人をお貸しします
そんなレンタルフレンド会社に勤める女性、七実。
お客様に友人役として満足してもらうために、多方面の勉強し、気も遣い、お客様に心を寄り添い仕事をこなします。
ただ、一線は踏み越えない
レンタルだから
でもそのさじ加減が、レンタルする側にはありがたい!
そんな人間関係も時には必要なのかもしれないな、そんな人間関係が自然になればもっと生きやすい社会になるのでは、と思える物語です。
この本、もっと注目されてもいいと思うんですよね。
おすすめなのでぜひ読んでみてください。
「友達が多いから人間的に優れているというわけでもないですから」という、レンタルフレンドのプロ七実の言葉が胸に突き刺さたわ
「これは経費で落ちません!」の青木祐子、最新作!
世の中には、お金を払っても「友達(フレンド)」をレンタルしたい人がいる。
Case1:人付き合いが苦手そうな大学4年生・香住。デザートブッフェへの同行を依頼してきた理由は……?(第一話「バニラクッキーは砕けない」)
Case2:ヘアメイクアーティストMISA、38歳。女優志望の若手という設定で、観劇につきあってほしいというが……?(第二話「赤い花に幻の水」)
Case3:常連の翻訳家・野枝、46歳独身。検査入院するため、飼い猫の面倒を見て欲しいと言われたことから本人の過去にかかわることになり……?(第三話「臆病な猫を抱く」)
Case4:いかにもお嬢様然とした女性、26歳の綾音。婚約者の元カノも参加するというパーティに友人として同行してほしいというが……?(第四話「仁義なき女子の歌」)
->
『鎌倉駅徒歩8分、空室あり』
- 女友達の形:シェアハウスに集まった見ず知らずの女性5人
- 主人公:鎌倉のカフェを経営している香良
- 連作短編集
シェアハウスで繋がる今どきの女友達ってどうなの?と思っている人におすすめ
シェアハウスって、ワイワイにぎやかで、なんか楽しそうと思う反面、知らない人同志が一緒に暮らすのって気を遣いそう、めんどくさそうと思っちゃいます。
『鎌倉駅徒歩8分、空室あり』をオープンさせたシェアハウスにも、ぞくぞくと秘密や悩みを抱えた女性たちが集まってきます。
年齢もそれぞれだし、育った環境も異なる人たち。
もちろん考え方や、生き方、趣味もちがいます。
気の合う人もいれば、なんか近寄りがたい人もいますし、相性が悪いと思う人もいます。
でも、同じところに住むのだから、理解し合うほかないですし、理解してもらうほかありません。(学校生活も似たところがありますよね)
彼女たちを結ぶのは、みんなで一緒に同じカレーを食べて、コーヒーを飲むこと。
新しい入居者が来るたびに登場するカレーがとっても美味しそう。
それだけで、このシェアハウスに入居したくなっちゃいます。
誰かと仲良くなりたいと思ったら、相手を知る以上に、自分を知ってもらうことが大切なんだなと感じたわ
誰かと生活することは、めんどくさいけどあたたかい。
鎌倉駅から徒歩8分。木々と小鳥に囲まれたシェアハウスには、今日もカレーとコーヒーの香りがいっぱい。
まだ空室アリ〼。
男手一つで育ててくれた父が死んで、鎌倉のカフェを引き継いだ香良。ある日離婚した親友が押しかけてきて、いつの間にかシェアハウスをはじめることに! 次々やって来る入居者たちは、みんなちょっとワケあり。慣れない他人との共同生活に、イラっとしたり文句を言ったりもするけれど……。家族だから言えない、家族だから甘えられない。そんなひとりぼっちになった住人たちが見つけた新しい形のきずなに、あたたかい気持ちになる1冊。
『クレイジー・フォー・ラビット』
- 女友達の形:友達の考えていることを深読みしすぎて、友達関係を結ぶことを困難に感じてしまう
- 主人公:友達の隠しごとに敏感な愛衣 小学生から大人になるまで
- 成長過程ごとの連作短編集
友達の気持ちを疑ってしまいがちな人におすすめ
友達と仲良くしていても、楽しく会話をしていても、一緒に遊びに出かけても、もしかして友達は私とムリやり会っているのでは?仕方なくおしゃべりしているのでは?と考えてしまう人におすすめの本です。
「友達の隠し事の匂いを感じ取れる」ため、人付き合いが苦手と思っている主人公ですが、まあ、女性ならこれくらいのこと(隠し事の匂い)は、だれもが普段のお付き合いのなかで「あ!」と気づきます。
なので、主人公に共感できる人が多いはず。
というか、同じような体験をしたことがある!と思うストーリーが多いと思います。
ということは、自分だけでなく、相手もこちらの気持ちを疑っているのかもしれないんですよね。
と思うとちょっと気持ちも軽くなります。
何も考えず、ピュアな心で女友達と付き合っていくのって難しいけれど、相手を信じて付き合っていくのはできるのかな。
女友達に限らず、人の気持ちなんてしょせんわからないんだから、気にしない。目のまえのことだけを信じるほかないのかな?
愛衣は隠しごとの「匂い」を感じる。そのため人間関係が築きにくい。小中高大、そして30歳を過ぎてからの五つの年代を切りとり、その時々の友情の変化と当時の事件を絡めながら、著者の育った年代に即した女性の成長を描く連作短編
『一心同体だった』
- 女友達の形:年代ごとに異なる女友達
- 主人公:いろんな年代の女子たち(小学生から大人まで)
- 8つの連作短編集 章ごとに年齢と年代(1990年から)が進んでいく
懐かしい女友達に会いたくなった人におすすめ
一生続く女友達の方が珍しく、たいていは、その場限り、その時代限りという女友達が多く存在します。
その時、その場ではとても大切な友達だったとしても、自分の立場や、自分自身が変わると、話題が無くなり、話すこと・悩みこともわかり合えなくなってしまうし、友達への見方も変わってしまうのですから仕方ありません。
「でもあのときは確実に、気持ちが一つになるほど大切な友達だった、心の支えだったことは変わらないから」
と思えるような女友達たちを振り返ってしまいます。
昔仲良しだった懐かしい女友達たちと、本を通じて会ってみませんか。
もしかしたら、また仲良くなれる女友達もいるかもしれないし、人と人って不思議よね
小学4年生の千紗は最近、親友の裕子より活発な美香に惹かれている。裕子と帰る約束の水曜日、美香に誘われ・・・・・・「女の子たち」 映画監督を夢見て東京の大学に進んだ北島は、なし崩し的に挫折していくが、歩美との出会いがあった。「白いワンピース殺人事件」十歳から四十歳まで。全八話、それぞれの年代の女子の友情が、ロンド形式でつながっていく、わたしたちの平成三〇年史。
『終点のあの子』
- 女友達の形:クラスメイト
- 主人公:女子高で同じクラスの女子たち
- 4編の連作短編集
- 2023年、開成中学の入試で出題された本
女友達に対する気持ちにモヤモヤしている人におすすめ
憧れ、嫉妬、自意識過剰。
女子心はいくつになっても、いろんなものであふれているんだなと思ってしまいます。
どの子にも、いろんな心の葛藤があり、彼女たちの繊細なガラスの心が上手に書かれているので、まるで自分のことなのかな!と思ってしまうほどです。
クラスでは仲が良くしていても、一緒にお弁当を食べていても、女友達をどう思っているかは自分だけの秘密なのかもしれませんね。
友達に対して腹黒い心をもっちゃうのは「自分だけじゃないわ」とちょっと安心できるかも
ゆらぎやすい女子高生の友情を描く短篇集。
プロテスタント系女子高の入学式の日。中学からの内部進学者の希代子は、高校から入学した奥沢朱里に声をかけられた。海外暮らしが長い彼女の父は有名なカメラマンだった。希代子は風変わりな朱里が気になって仕方がないが、一緒にお昼を食べる仲になった矢先、ある変化が訪れる。外部からの進学者の朱里には見えない、女子校ならではの「ルール」。希代子はその枠から飛び出した存在になってしまうのか?華やかに見える少女たちの日常に潜む、複雑な心情と、絡み合う人間関係。少女たちの繊細な心理描写が各紙誌で絶賛されたオール讀物新人賞受賞作「フォーゲットミー、ノットブルー」を含むオムニバス四篇。
『本屋さんのダイアナ』
- 女友達の形:ダイアナと、正反対の環境で育った女の子、彩子 本好きで親友になった
- 主人公:普通の感覚とはちょっと違った母親二人暮らしの矢島大穴(ダイアナ) 小学時代~大人になるまで
- 連作短編集
- 2016年、私立駒込中学の入試で出題された本
自信がないすべての人におすすめ
大穴といった強烈な名前をもつ主人公。
もちろんこの名前が大嫌いで、悩みの種。つねに改名を考えています。
一方で育ちがよく優等生、何の悩みもなさそうな彩子と本を通じて親友になり、彩子が好きになってくれる自分にちょっとづつ自信がもてるようになっていきます。
『本屋さんのダイアナ』はダイアナだけでなく、登場する人たちがそれぞれ秘密や悩みを抱え、自信の無いことをそっと教えてくれます。
はたからみれば、とっても幸せそうなのにと思えるような人でさえ、心に傷や闇をもっています。
でも、実は悩みってその人の個性や、その人らしさを作り出す、一因なのではないでしょうか
悩みや秘密を抱えた人たちだからこそ、人に優しくできるんじゃないかなと感じる、読んでいてずっと心温まる本です。
はっきり言わないと通じ合えないのよ
家族に幻想を抱いちゃダメなの
私に命令できるのは、この世界で私ひとりだけ……。
私の名は、矢島大穴(ダイアナ)。変な名前も金髪もはしばみ色の瞳も大嫌いだった、あの子に出会うまでは。心ふるえる最強のガール・ミーツ・ガール小説。
私の名は、大穴(ダイアナ)。おかしな名前も、キャバクラ勤めの母が染めた金髪も、はしばみ色の瞳も大嫌い。けれど、小学三年生で出会った彩子がそのすべてを褒めてくれた――。正反対の二人だったが、共通点は本が大好きなこと。地元の公立と名門私立、中学で離れても心はひとつと信じていたのに、思いがけない別れ道が……。少女から大人に変わる十余年を描く、最強のガール・ミーツ・ガール小説
『ホリー・ガーデン』
- 女友達の形:高校までずっと同じ女子校に通っていた親友の二人
- 主人公:30歳目前の二人 果歩と静枝
- 長編小説
大人の女友達ってなんぞやと思っている人へおすすめ
小学生から高校生まで同じ学校に通って、仲良し。
もちろん楽しかったことも、辛かったことも、恥ずかしかったことも、すべてを共有している女友達。
世間ではこんな関係を親友と呼ぶのですが。
親友といってもお互いを理解できないと思っている果歩と静江。
大学生、社会人となり距離が離れると、性格も考え方も、生き方も、違う二人は、ますますお互いを理解できないと感じています。
あまりにも理解できず、イライラしたり、もう会いたくないと思ったり、イヤな言葉をぶつけたりするのですが。
でもでも、二人はやっぱり離れられない。
お互いが気になって仕方ないし、お互いが自慢の友達なんです。
「あ~こんなふうに友達と付き合っていけたらいいな」と思える二人の関係にうらやましく思っちゃう物語です。
江國さんのみずみずしくもあり、甘くもあり、冷ややかでもある文章も魅力的です。
果歩と静江をみていると「大人の女友達っていいな」と素直に思えるのよ
果歩と静枝は高校までずっと同じ女子校だった。ふと気づくといつも一緒だった。お互いを知りすぎてもいた。30歳目前のいまでも、二人の友情に変わりはない。傷が癒えない果歩の失恋に静枝は心を痛め、静枝の不倫に果歩はどこか釈然としない。まるで自分のことのように。果歩を無邪気に慕う中野くんも輪に加わり、二人の関係にも緩やかな変化が兆しはじめる……。心洗われる長編小説。
『オーラの発表会』
- 女友達の形:不思議系女子の海松子(みるこ)と、ターゲット女子を見つけてはメイクからファッション、すべてをマネをする萌音(もね)、ふつうでいえば友達になりたくない女子同士が友達になっている
- 主人公:不思議というより不気味な女子、海松子(みるこ)
- 連作短編集
私、なんでこの人と友達なの?と友達を不思議に思っている人におすすめ
友達になりたい人ってどんな人ですか?
口の臭いで食べたものを当てることで人と仲良くできると思っている不思議ちゃん女子、海松子の唯一の友達は、だれかのマネをすることで自分をつくっている女子、萌音(もね)。
どちらも友達になりたいか?と聞かれれば、「う~ん」と悩んじゃうような女子なのですが、ふたりは世間で言う女友達です。
最初はマネっ子女子の萌音が嫌で、ぜったい友達になれないと思うかもしれませんが、だんだん萌音が普通に思えてくるほど、海松子が不気味に思えてきて、それを通りこすと二人の掛けあいがなぜか笑えてしまうようになります。
さらにはとにかく変な関係の女友達、海松子と萌音が最強コンビじゃないと思えてしまう、なんとも不思議でクセになる物語です。
友達としてどうなの?と思っていたマネっ子萌音のマネ技術がものまねタレント並みにスゴイのよ
嫌な女を通り越して、笑えてくるわ
「人を好きになる気持ちが分からないんです」
海松子(みるこ)、大学一年生。
他人に興味を抱いたり、気持ちを推しはかったりするのが苦手。
趣味は凧揚げ。特技はまわりの人に脳内で(ちょっと失礼な)あだ名をつけること。
友達は「まね師」の萌音(もね)、ひとりだけ。
なのに、幼馴染の同い年男子と、男前の社会人から、 気づけばアプローチを受けていて……。
「あんまり群れないから一匹狼系なんだと思ってた」「片井さんておもしろいね」「もし良かったらまた会ってください」「しばらくは彼氏作らないでいて」「順調にやらかしてるね」
――「で、あんたはさ、高校卒業と大学入学の間に、いったい何があったの?」
綿矢りさデビュー20周年!
他人の気持ちを読めない女子の、不器用で愛おしい恋愛未満小説。
『パラ・スター 〈Side 宝良〉』
- 主人公:車いすテニス選手の宝良
- 連作短編集
- 女友達の形:同じ高校に通っていた気の強い宝良と心やさしい百花、性格はまったく違うが親友
- 百花ちゃん目線で書かれた『パラ・スター 〈Side 百花〉』もあり
こんな親友がほしいと感動したい人におすすめ
親友が突然事故にあい、車いすでしか動けなくなったら。
美人でずけずけモノを言う、負けずキライの宝良が思いがけない障害を負うことになったときに、心の支えになったのは泣き虫の百花だった。
人間ピンチになったときに、周りの人がどんな人なのか、本当の姿が見えるといいます。
なんとなくふっと離れてしまう人もいるかもしれませんし、心から寄り添ってくれる人もいるかもしれません。
百花は、心から寄り添ってくれる人でした。
親友の宝良を思う百花の気持ちはひろく、大きく、優しさにあふれています。
「こんなにいい子いるんかい!」とツッコみたくなるくらい、いい子なんです。
百花と宝良ふたりの関係の強さ、爽やかさ、キラキラさがまぶしく思える青春友情物語です。
また、同じく車イスの小学生のみちるちゃんの友だち問題もでてきます。
こちらは、友達同士でも相手の気持ちを考えてあげるのって難しいよな~と思える問題で、女友達の関係の難しさも書かれています。
ちなみに、百花ちゃんが主役になった『パラ・スター 〈Side 百花〉』も合わせて読むと、宝良と百花の互いの気持ちがわかり、面白さ倍増です。
「ただ助けてあげたい」
難しく考えなくても、女友達ってそんな風に成り立っていくのよね
遠くて高くてすべてが報われる景色の見える場所。そこへたどり着くためなら何でもする。
迷いも絶望も超えて、夢を摑み取れ! 感動の青春スポーツ小説! いきなり文庫!
東京パラリンピックまで、あと数ヶ月。車いすテニス選手の宝良は女子の代表候補として注目を集めるが、昨年末から不調が続き苦しんでいた。勝利を摑むため、宝良は親友の百花が働くメーカーの競技用車いすを採用。夢に向かい努力する百花や小学生みちるとの交流を経て、競技への思いを強くする宝良。そして、世界の強豪選手が勢揃いするアジア最高峰の大会ジャパンオープンの幕が上がる──!
『対岸の家事』
- 女友達の形:子どもを通じて知り合う 遊びに行ったり、同じ趣味があったり、ムダに楽しくおしゃべりするわけじゃなくても、困ったときに助け合える関係
- 主人公:専業主婦の志穂ほか
- 連作短編集
自分が独りぼっちに感じたときにおすすめの本
疲れていたり、不安なとき、どうしようもなく「独りぼっち」な気分になるときってあります。
自分と違う生き方を選択している人を見下してしまうことあります。
自分では思いがけない行動や言動をしてしまい後悔することあります。
ひとりでどっぷり不幸にハマる前に読んでほしい本が『対岸の家事』です。
人生の間で、だれもが助けが必要な時があります。
そんな時に声をあげられるか、声をかけられるかの勇気が必要なんだと。
それはごく一般的な趣味や気が合う女友達同士という関係でなくても、お互いを認め合い、気を遣い合うことができる女友達同士(もちろん男性であっても)であれば十分可能なんだと教えてくれます。
困ったときにこそ助け合える。
そんな女友達が欲しくなるし、そのためにはどうしたらいいのかを考えさせてくれる本です。
第1章のタイトル「専業主婦が絶滅危惧になった日」が恐ろしいわ
専業主婦という生き方だって認められるべきよね
家族のために「家事をすること」を仕事に選んだ、専業主婦の詩穂。娘とたった二人だけの、途方もなく繰り返される毎日。幸せなはずなのに、自分の選択が正しかったのか迷う彼女のまわりには、性別や立場が違っても、同じく現実に苦しむ人たちがいた。二児を抱え、自分に熱があっても休めない多忙なワーキングマザー。医者の夫との間に子どもができず、姑や患者にプレッシャーをかけられる主婦。外資系企業で働く妻の代わりに、二年間の育休をとり、1歳の娘を育てるエリート公務員。誰にも頼れず、いつしか限界を迎える彼らに、詩穂は優しく寄り添い、自分にできることを考え始める――。
手を抜いたっていい。休んだっていい。でも、誰もが考えなければいけないこと。『わたし、定時で帰ります。』の著者が描く、もう一つの長時間労働。 終わりのない「仕事」と戦う人たちをめぐる、優しさと元気にあふれた傑作長編!
『団地のふたり』
- 女友達の形:同じ団地に住む幼なじみの50歳独身のふたり 週に3,4度多ければ毎日会う仲
- 主人公:イラストレーターのなっちゃん(桜井奈津子)と、非常勤講師のノエチ(太田野枝)
- 連作短編集
女友達がいればいいと思っている人におすすめ
イラストレーターのなっちゃんも、非常勤講師のノエチも仕事にバリバリ、男に頼らなくたって生きていけるのよ。といった、田島陽子先生や上野千鶴子先生の考え方通りに生きているような女性ではありません。
50歳になっても、仕事は決して成功しているとはいえず、食べていくのがやっとだし、これといって趣味にうちこむわけもなく、淡々と毎日を暮らしているふたりです。
もう、すぐ隣に住んでいそうな彼女たち。
まるで自分?と思うような気持ちにもなります。
殺人が起こるわけでもなく、犯罪に巻き込まれるわけでもなく、しびれるような恋愛に陥るわけでもない物語ですが、ふたりのマイペースの生活が「これが自分たちの幸せなんだな」という気持ちがずっと感じられて、読んでいる自分も二人と一緒にこのマイペース生活を楽しんでいる気持ちになれます。
「うまくいっていてもいっていなくても、次の日は必ず来る」という言葉があり、人生に達観している、さすが50歳だな~と思っちゃいました。
なっちゃんとノエチの女友達がいる生活は、幸せってだれが決めるわけじゃなくて、自分が決めることなんだなと教えてくれます。
なっちゃんのフリマアプリ生活がやけにリアルで笑えたわ
50歳、独身、幼なじみ。
小さな恥も誇りも初恋もほとんど全て知っているから、のほほんと気楽でいい。
話題書『じい散歩』の著者・藤野千夜 最新作
五十歳を迎え、生家である団地に戻った幼馴染の二人、なっちゃん(桜井奈津子)とノエチ(太田野枝)。売れないイラストレーターのなっちゃんは今やフリマアプリでの売り上げが生計のメインで、ノエチは非常勤講師の仕事のストレスを日々友に吐き出す。保育園からの付き合いの二人がゆるく、のんびり毎日を過ごす。
友情をユーモアと温かさたっぷりに描いた傑作
『東京近江寮食堂』
- 女友達の形:偶然出会った妙子と安江 ふたりの心に密かにあった、だれかと繋がりたいという気持ちが二人を急接近させ結びつける
- 主人公:定年退職を間近に控えた妙子
- 連作短編集
- 続編2冊 青森編・宮崎編あり
運命的な友達関係を信じる人におすすめ
大人になると友達をつくるのは本当に難しいです。
損得なしに、煩わしい人間関係になるかもしれないと思っても「どうしても友達になりたわ」なんて思うことも少なくなります。
それでも信頼できる友達となる人が現れたら、それは、運命的な出会いなのかもしれません。
偶然に女友達となる妙子と安江は、お互いの境遇を理解しあいながら、お互いに足りないところをフォローしあい、仲を深めていきます。
「気が合う」「友達になりたい」のは当然だけど、年のいったふたりは誰かと繋がることで、社会のなかで生きている自分を実感でき、それが嬉しさ楽しさになると気づき、お互いが大事な存在になっていったのかなと思います。
いくつになっても、一緒に笑って、おいしいものを食べる女友達がいるって「いいな」と思える感動物語です。
妙子と安江以外の登場人物も、一筋縄ではいかない個性的な面々なの
彼らも魅力的よ
定年退職を間近に控えた妙子は、十年前に消えた夫の行方を探すため東京にやってきた。慣れない土地でのひょんなトラブルから、谷中にある宿泊施設、近江寮にたどりつく。個性的な管理人や常連客の貧しい食生活を見かねた妙子は彼らの食事を作り始めるが、その料理はやがて人々を動かし、運命を変えていく。そして彼女自身も―。おいしくてせつない、感動長編
『ウチの江戸美人』
- 主人公:江戸美人ちゃんと現代女子ちゃん
- コミックエッセイ
- 女友達の形:現代女子ちゃんのお家に突然現代にワープしてきた江戸美人ちゃん 時代を超えたオシャレ好きの不思議なコンビ
オシャレ好きさんと女友達になりたい人におすすめ
いつの時代も「可愛くなりたい!」「きれいになりたい!」気持ちは共通です。
江戸時代から突然やってきた女の子と現代の女の子が、お互いのオシャレについて教え合う、おもしろい設定のコミックエッセイが『ウチの江戸美人』です。
江戸時代のオシャレや身だしなみの常識に「へ~」と驚いたり、「わりとハイカラ」と感動したり、「なるほどね」と納得したり、新しい発見がたくさんあります。
なによりも江戸時代と現代のオシャレを教え合う、ふたりの女友達どうしの生活ぶりが可愛くて、楽しそうで、うらやましくなっちゃうのもこの本の魅力。
ぜひぜひ読んでみてほしい。
小説を読むのは苦手な人にもおすすめの本です。
時代が違えども、女どうしの会話って楽しいのよ
私も江戸時代や、平安時代の女子とも会話してみたいわ
私んチに、粋なあの娘がやってきた!
江戸風俗×現代美容! ?
「時代」変われば「イケてる」も変わる。
時空を超えて、なぜか一緒に暮らすことになった
江戸美人ちゃんと現代女子ちゃん。
二人の日常から見えてくる
「ほんわか江戸のおしゃれ入門」!
ポーラ文化研究所サイトで好評連載中「ウチの江戸美人」 が待望の書籍化!
江戸時代からやってきた「江戸美人ちゃん」と独身会社員の「現代女子ちゃん」が ルームシェアする奇妙なストーリー。同世代のごく普通の女性たちが、 それぞれの価値観や好みを否定せず、時に共有しながらおしゃれや趣味を楽しむ様子 を描く。
書籍オリジナルの四コマ漫画では、二人の暮らしぶりまで紹介
『阿佐ヶ谷姉妹の のほほんふたり暮らし』
- 女友達の形:仕事は一緒、女芸人コンビ 住まいは共同から隣同志へ 顔が似ているが本当の姉妹ではない
- 主人公:お笑い芸人の阿佐ヶ谷姉妹 エリコさんとミホさん
- エッセイ
いつも一緒の女友達って楽しそうと思っている人におすすめ
朝起きたら同じ部屋にいて、仕事場にいっても一緒で、帰り道も同じ、ご飯も一緒に食べる。
そんな女友達がいたら、楽しそうと思ったことありませんか?
芸人の阿佐ヶ谷姉妹のエッセイを読むと、実際にいつも一緒というのは、気が合う友達でも、顔が似てようとも、なかなか難しそうです。
お母さんのようにミホさんが気になって仕方ないエリコさんと、気にはかけているけれどちょっとエリコさんがウザいクールなミホさん。
エリコさんとミホさんの、二人のお互いへの熱量の違いが笑えます。
まあ、女友達ってこんな感じが普通、当たり前ですよね。
つくられた物語の女友達じゃない、リアルな女友達だからこそ、これくらいで十分仲良しです。
なんでも気が合う、いつもどこでも一緒にいたいなんて女友達がいたら奇跡だと思うわ
40 代・独身・女芸人の同居生活はちょっとした小競合いと人情味溢れるご近所づきあいが満載。エアコンの設定温度や布団の陣地で揉める一方、ご近所からの手作り餃子おすそわけに舌鼓。白髪染めや運動不足等の加齢事情を抱えつつもマイペースな日々が続くと思いきや――。地味な暮らしと不思議な家族愛漂う往復エッセイ。「その後の姉妹」対談も収録。
『ランチのアッコちゃん』
- 女友達の形:派遣社員の三智子と、派遣先の部長黒田敦子(アッコ女史)のコンビ
- 主人公:自信なし、派遣社員の澤田三智子
- 4編の連作短編集 うち2編が三智子とアッコ女史の物語
- 続編2冊あり 『3時のアッコちゃん』『幹事のアッコちゃん』
意外な女友達がほしいと思っている人におすすめ
仕事場の上司が女友達になる!
なかなか想像のつかない女友達コンビの物語が『ランチのアッコちゃん』です。
今や人気作家となった柚木麻子さんのヒット作として有名な作品、続編が2作あるシリーズものです。
ランチを通じて仲良くなる二人は、上司と部下という関係を超えて、お互いをリスペクトしているのがわかります。
だからこそ女友達になれるんです。
女友達は結局のところ人間と人間の繋がりのひとつにすぎません。
そこには人間としてお互いに認め合い、尊敬できるかどうかが大切なんですよね。
ちょっと変わっているけれど、アッコ女史がカッコイイのよ
おいしそうなランチも魅力よ
発行部数12万部を超え、著者を一挙に若手人気作家へと押し上げた注目作がついに文庫で登場!
彼氏にフラれて落ち込んでいた派遣社員の澤田三智子は、畏怖する上司、通称“アッコ女史”こと黒田敦子部長から突然、一週間のランチ交換を命じられる。
アッコ女史の風変わりなお昼のコースを巡るうち、自然と活力が湧いている自分に気づいて……。
表題作ほか、「読むと元気になる! 」と絶賛され、本屋大賞にもノミネートされたビタミン小説
『ミーナの行進』
- 女友達の形:朋子と1歳年下の従妹ミーナ
- 主人公:中学生の朋子
- 長編小説
姉妹のような女友達に憧れる人におすすめ
1972年の昭和時代、芦屋の豪華な洋館、裕福な家族だが父親に秘密がありそう、コビトカバを庭で飼っている
どこか浮世離れした世界観のなかで繰り広げられる少女たちの日常の物語。
家庭の事情で芦屋のミーナの家で暮らすことになった朋子と、まったく違った環境で育ってきたミーナは出会ってすぐ、どこか通じ合うものがあることをお互いに確認しあいます。
事件があって、なにかキッカケがあってとかじゃない。
ただ、ビビビときて繋がるふたり。
相手のために何かをしてあげたい、役立ちたいと思える、そんな友達に出会えたら、それだけで幸せですよね。
コビトカバのポチ子がいい味だしているの
この物語の世界観がとってもステキだから、ぜひ読んでみてほしいわ
美しくて、かよわくて、本を愛したミーナ。あなたとの思い出は、損なわれることがない―ミュンヘンオリンピックの年に芦屋の洋館で育まれた、ふたりの少女と、家族の物語。あたたかなイラストとともに小川洋子が贈る、新たなる傑作長編小説。第四二回谷崎潤一郎賞受賞作
今回紹介した本リスト
家族愛を感じる物語、おすすめ本16冊を紹介しました。
お気に入りの本を読みながら、家族の愛情をたっぷり楽しんでください。
あなたの好みの本を選んで読んでみてね。
コメント