「自分に合う仕事って何だろう?」って悩むことありませんか?
自分のイメージしている仕事って、実際はどんな仕事なんだろうか?
やってみないとわからないしな~。
とグルグル悩みだすとキリがありませんよね。
そんなときにおすすめするのが「お仕事物語」を読んでみること!
私が実際に読んだ本のなかから、読みやすい「お仕事物語」おすすめ本を紹介します。
もちろん、物語なのでリアルな世界とは違いますが、まったく知らないよりは役立つはずです。
さらに、気になる仕事なら、面白く読めるのも「お仕事物語」の魅力です。
お気に入りの本を見つけて、お仕事選びの参考にしてみてくださいね。
児童書、ヤングアダルト(YA)ブック、中学受験出題本のおもしろさにどっぷりにハマっている私が、実際に読んでおすすめしたい本を紹介します。
紹介した本は、中学生、高校生(本好きなら小学校高学年でも)も楽しめる本です。
が、小学生や中学生には読ませたくないシーンもあるかもしれませんので、まずは親御さんが読んでから、読めるかどうかの判断をおねがいします。
- 『27000冊ガーデン』
- 『5年3組リョウタ組』
- 『空にピース』
- 『付き添うひと』
- 『店長がバカすぎて』
- 『早番にまわしとけ 書店員の覚醒』
- 『世界は終わらない』
- 『タスキメシ 箱根』
- 『和菓子のアン』
- 『上流階級 富久丸百貨店外商部』
- 『たそがれ大食堂』
- 『校閲ガール』
- 『ほたるいしマジカルランド』
- 『櫓太鼓がきこえる』
- 『ガール』
- 『半沢直樹 1 オレたちバブル入行組(オレたちバブル入行組)』
- 『メガバンク銀行員ぐだぐだ日記――このたびの件、深くお詫び申しあげます』
- 『これは経費で落ちません! ~経理部の森若さん~ 1』
- 『クローゼット』
- 『われ去りしとも 美は朽ちず』
- 『モダン』
- 『私のカレーを食べてください』
- 『パラ・スター 〈Side 百花〉』
- 『地中の星』
- 今回紹介した本リスト
『27000冊ガーデン』
- 仕事:学校司書
- 働く人:県立高校にある図書館に勤める32歳の駒子さん
- 連作短編集 コージーミステリー
学校司書という職業があることに気づいてない人もいるかもしれませんが、本が好きで、人が好きな人にはぜひおすすめしたいお仕事です。
多感な高校生たちを相手にする難しさ、家庭環境がちがうだけで本を読むのさえままならない生徒もいる現実にぶち当たることもありますが、どんな子にも平等に本の楽しさを知ってほしいと願い仕事をしている学校司書の駒子さんがステキな人でした
高校生が読んで面白い!おすすめの本がたくさん登場するのも面白いです。
星川駒子は県立高校の図書館に勤める学校司書だ。たまたま居合わせた出入りの書店員・針谷敬斗と共に、生徒が巻き込まれた事件の解決に一役買う。
そんな二人のもとには、ディスプレイ荒らしや小口ずらり事件など、図書館や本にまつわる謎が次々と持ち込まれる!?
学校図書館を舞台にすべての本好きに贈る、心あたたまるミステリー。
『5年3組リョウタ組』
- 仕事:小学校教師
- 働く人:見た目は茶髪にネックレスと今風?の25歳、中道良太先生 子どもと誠実に向き合うことをモットーとしているが、先生として自信がない一面ももつ
- 連作短編集
主人公のリョウタ先生を含めて、子どものピュアな心、生徒を想う先生たちの熱い心に感動の涙がとまりませんでした
どんな事件がおきても子ども第一に考える先生たち
小さな心にいろんな思いを抱えている子どもたち
思いをストレートにぶつけてくれる先生と一緒に過ごし、培った信頼の絆が、子どもたちの生きる糧になるんだなと思う
先生ってスゴイ!
希望の丘小学校5年3組、通称リョウタ組。担任の中道良太は、茶髪にネックレスと外見こそいまどきだけれど、涙もろくてまっすぐで、丸ごと人にぶつかっていくことを厭わない25歳。いじめ、DV、パワハラに少年犯罪…教室の内外で起こるのっぴきならない問題にも、子どもと同じ目線で真正面から向き合おうと真摯にもがく若き青年教師の姿を通して、教育現場の“今”を切り取った、かつてなくみずみずしい青春小説。
『空にピース』
- 仕事:小学校教諭
- 働く人:都内の公立小学校に勤める女性教諭 教師になって5年目のひかり
- 長編小説 ミステリーあり
みんな同じような能力があって、同じような境遇で、同じような考えをもっている
そんな子どもがひとつのクラスに集まっている、夢のような教室はない!
現代の教育現場の問題が続々とでてくる物語です。
それでも先生が子どもに寄り添う気持ちは今も昔も変わりません
そして、その先生を頼る子どもたちの可愛らしさ!も変わりません
なにがあろうとも、教師という仕事に希望をもてる物語です。
公立小学校教諭のひかりは、都内の赴任先で衝撃を受ける。立ち歩き、暴力、通じない日本語……。強くならなければ、子どもたちは守れない。
公立小学校の教師になって五年目のひかりは、都内の赴任先で出会った人々に衝撃を受けていた。日本語が話せないベトナム国籍のグエン・ティ・ロン、授業中に教室を出て行く今田真亜紅、不登校気味で給食だけ食べに来る佐内大河、クラス分けに抗議をしにくる児童の母親…。
ひかりの前任者は鬱で休職中。さらに同僚からは「この学校ではなにもしないことです。多くのことを見ないようにしてください」と釘をさされてしまう。
持ち前の負けん気に火がついたひかりは、前向きな性格と行動力で、ひとりひとりの児童に向き合おうとするが……。
虐待、貧困、性暴力――。過酷な環境で生き延びる子らに、悩みながら寄り添うひかりが最後に見た希望とは。
『付き添うひと』
- 仕事:弁護士(付添人)
- 働く人:付添人(少年犯罪において弁護人の役割を担う人)の弁護士、朧太一
- 連作短編集
弁護士って事件の犯人を弁護するだけじゃない、困っている人を助けるのが仕事なんだ
あらためて、弁護士という仕事の範囲の大きさを知りました。
子どもの声を親身になって聞き、助けてあげる人がいる
それを仕事にしている人がちゃんといる
あまり知られていない「付添人」の存在は、子どもにも知ってほしい仕事です。
出版界で大注目の新鋭・岩井圭也が、子どもたちを取り巻く現状と未来を描き出す、感動のヒューマンドラマ。
僕は、あの頃の僕を救えているだろうか。
過去の経験を通して、付添人(少年犯罪において弁護人の役割を担う人)の仕事に就いたオボロ。彼に舞い込む依頼の先では、簡単には心を開かない、声を上げる方法すら分からない子どもたちが、心の叫びを胸に押し込め生き延びていた。オボロは、彼らの心に向き合い寄り添う中で、彼らとともに人生を模索していく――。
『店長がバカすぎて』
- 仕事:書店員
- 働く人:本屋さんで契約社員として働く28歳、谷原京子 本に携わる仕事を愛しているが、薄給と多忙、そして店長が悩みのタネ
- 連作短編集
- 2020年本屋大賞ノミネート作
- 続編『新! 店長がバカすぎて』あり
本屋さんの日常が書かれた本で、リアルな本屋さん勤務の実態がわかります。
本を好きなだけじゃ、やっていけないかも(笑)
第三者的にみると笑えるシーンが多いのですが、実際にその立場になったら……。
会社という組織のなかで不条理なことにも従いながら働く現実も教えてくれる本です
谷原京子、二十八歳。吉祥寺の書店の契約社員。超多忙なのに薄給。お客様からのクレームは日常茶飯事。
店長は山本猛という名前ばかり勇ましい「非」敏腕。人を苛立たせる天才だ。ああ、店長がバカすぎる!
毎日「マジで辞めてやる! 」と思いながら、しかし仕事を、本を、小説を愛する京子は──。
全国の読者、書店員から、感動、共感、応援を沢山いただいた、二〇二〇年本屋大賞ノミネート作にして大ヒット作。
『早番にまわしとけ 書店員の覚醒』
- 仕事:書店員
- 働く人:町の本屋さん「さかえブックス」の書店員 早く本社に戻りたい異動してきた新店長 本への愛とクセの強い書店員達
- 連作短編集
- 前作あり『遅番にやらせとけ 書店員の逆襲』
朝から大量の本を書架に並べ、お客様が望む本を見つけ出し クレームにも対応し、良い本が売れるように工夫をしたり、本屋さんのリアルな仕事ぶりがわかる物語です
お客様にステキな本を届けたい
本を愛する気持ちにあふれた書店員さんの仕事ぶりが、すがすがしくて、「たいへんそうだけど、やっぱり書店員いいな」と思っちゃいました。
朝から大量配本、レジに発注で夕方には燃え尽きる。それが書店の早番だ。とある書店・さかえブックスへ本社から由佳子が店長としてやってきた。本に恋愛に一切興味なし! そんな店長を前に、早番どうする!?
『世界は終わらない』
- 仕事:書店員
- 働く人:書店員の土田新二・32歳 6年間彼女なし 絵本コーナー担当
- コミック形式
- 益田ミリさんの大人気シリーズ『すーちゃん』のスピンオフ作品
真面目一徹なわけじゃないけれど、仕事はコツコツとこなしていく
でも、心のうちでは書店員としてだけでなく、人生そのものにもお悩み中の土田くん
そんな彼が、自発的に担当する絵本コーナーの充実を目指そうと行動を起こします。
地味な行動だけど、何かしようとする一歩ってそんなもの 「リアルだな」と共感しちゃう物語です
書店員の土田新二・32歳は、後輩から「出世したところで給料、変わんないッスよ」と突っ込まれながらも、今日もコツコツ働く。どうやったら絵本コーナーが充実するかな? 無人島に持って行く一冊って?1Kの自宅と職場を満員電車で行き来しながら、仕事、結婚、将来、一回きりの人生の幸せについて考えを巡らせる。ベストセラー四コマ漫画。
(単行本『オレの宇宙はまだまだ遠い』を改題して文庫化。)
『タスキメシ 箱根』
- 仕事:栄養管理士
- 働く人:大学駅伝部のコーチアシスタント兼栄養管理士となった眞家早馬 高校時代は駅伝部だったが足のケガのため走ることを諦め栄養士となった
- 連作短編小説
- シリーズ化 『タスキメシ』『タスキメシ箱根』『タスキメシ五輪』がある
今やスポーツは努力だけでなく、食事も大事!という考え方が当たり前
だからこそ、栄養管理士の腕が試されます。
管理栄養士兼コーチになった早馬は、箱根駅伝を目指す大学駅伝部のメンバーたちを、おいしくて栄養満点の食事と、走ることへの熱い想いで裏方として支えます。
走るためだけでなく、食べることを幸せに感じられるおいしいメニューが続々と登場する物語です。
箱根駅伝を目指すスポーツ青春物語としても面白い!
2倍楽しめます。
駅伝小説の真骨頂、箱根駅伝を描く大傑作!
あの眞家早馬が「駅伝」の世界に戻ってきた!
大学卒業後、管理栄養士として病院で働いていた早馬は、紫峰大学駅伝部のコーチアシスタント兼栄養管理として、部員たちと箱根駅伝初出場を目指すことになる。高校時代、大学時代も陸上の名門校で長距離走選手として期待されたものの、怪我から思うような成績を残せなかった早馬。その背景にあった、嫉妬、諦め、苦い思い――。数々の挫折を経験した者として部員たちに寄り添い、食の大切さ、目標達成の楽しさを伝えようと奮闘する早馬。そんな彼のことをキャプテンの4年生、仙波千早は最初は受け入れられずにいたが……。
一度も箱根駅伝に出場できない弱小チーム。でも、だからこそ、「箱根駅伝に出たい」「箱根を走らせてやりたい」。徐々にひとつになっていく千早たち部員の熱い願い、そして早馬が見つけた新たな夢は、果たして叶うのか――。
臨場感溢れる箱根駅伝本戦の描写とともに、丁寧に描かれるそれぞれの心情。エリートではない若者たちの夢、苦悩、様々な思いが、箱根路を駆け抜ける!
「エピローグ」は、今回の文庫化に合わせ、丸ごと新たに書き下ろしました。
『和菓子のアン』
- 仕事:和菓子屋のアルバイト店員
- 働く人:デパートの地下にある和菓子店
- 連作短編小説 ミステリーあり
- シリーズ化『アンと青春』『アンと愛情』あり
高校卒業して何もやりたいことが見つからなかったアンちゃん、今まで和菓子には興味がなかったアンちゃんが、和菓子と仕事のおもしろさに目覚める物語です。
といっても和菓子職人になるわけではありません。和菓子を売りながら、仕事の基本やお客様への対応、和菓子に込められた歴史や想いを知っていきます。
仕事に対しても誠実で素直なアンちゃんがとっともキュート!
個性的だけど頼りになる一緒に働く仲間と一緒に、アンちゃんと同じ職場で働きたいなと思っちゃう物語です
デパ地下の和菓子店「みつ屋」で働き始めた梅本杏子(通称アンちゃん)は、ちょっぴり(?)太めの十八歳。プロフェッショナルだけど個性的すぎる店長や同僚に囲まれる日々の中、歴史と遊び心に満ちた和菓子の奥深い魅力に目覚めていく。謎めいたお客さんたちの言動に秘められた意外な真相とは?読めば思わず和菓子屋さんに走りたくなる、美味しいお仕事ミステリー。
『上流階級 富久丸百貨店外商部』
- 仕事:デパート店員 外商部
- 働く人:高級住宅地芦屋に住むセレブたちを顧客にもつ、デパート富久丸百貨店芦屋川店の外商部で働く37歳の女性、鮫島静緒
- 連作短編小説
- シリーズ化
「こんな世界もあるのね!」と庶民が驚くデパート外商部の世界!
お金があっても解決できない問題もある、お金持ちの人々がもつ”闇”がみえるのが、サスペンスドラマをみているようで面白いんです。
どうしたらお客様の欲しいものを的確に届けられるのか、お客様の心をガッチリつかむにはどうすべきか、を知るのにも役立つ物語です。
天下の富久丸百貨店芦屋川店で、外商員として働く鮫島静緒(37)。日本一の高級住宅街・芦屋に住む本物のセレブたちに、ロレックスの時計やダイヤの指輪を持参してお買い物をしていただくのが仕事だ。新人外商員の静緒に課されたノルマはなんと、月1500万円! 職場の正社員としては珍しく高卒からのたたきあげで働く静緒は、顧客の要望に応えるため、そしてマンネリ感満載の百貨店業界を立て直すため、前のバイト先・パティスリー「ローベルジュ」での人脈をフル活用して全力で奔走する。
静緒をパティスリーから引き抜いたカリスマ外商員・葉鳥士朗の勧めで、静緒は実家から芦屋の高級マンションに引っ越した。ところがそこには思わぬ同居人が。大嫌いな同僚の桝家修平(29)も、葉鳥の勧めでその部屋に住んでいたのだ。バツイチ独身の静緒だが、桝家は実は、セクシャリティの問題を抱えていて……。
『たそがれ大食堂』
- 仕事:デパート社員 料理人
- 働く人:デパートの屋上にある大食堂で働く新マネージャーの美由起、新料理長の智子
- 連作短編小説
- 2023年聖光学院中学の入試問題で出題
バラバラだった人たちが、仲間となり大食堂が危機に立ち向かう!
なにか目標ができ、闘う相手が一致した仲間って強い
自分のアイディアが実行されたうれしさや、仲間と働ける楽しさ、だれかに喜んでもらえたときの感動を味わえる
働くのってたいへんだけど、素敵なことなんだと教えてもらいました。
伝統あるマルヨシ百貨店に勤める美由起は、大食堂のマネージャーに就任した。
しかし、長年愛されていた大食堂は時代の変化とともに廃れ、存続の危機に直面していた。
その上、若社長が引き抜いてきた料理人の智子は、大食堂の味を片っ端から変えようとして……! ?
古き良き大食堂の未来はいかに?
美味しい料理と懸命な奮闘が奇跡を起こす、お仕事グルメ小説!
『校閲ガール』
- 仕事:出版社勤務の会社員 校閲部
- 働く人:ファッション編集員に憧れ出版社に入社した河野悦子
- 長編小説
- シリーズ化 2作目『校閲ガール ア・ラ・モード』3作目『校閲ガール トルネード』
元気いっぱい!
おしゃれ大好き!
なんだかんだといっても素直で、キュートな悦子ちゃんが大好きになっちゃいました
最初はイヤだと思っていたこともやってみると面白い(かも)、自分にあっている(かも)ってありますよね
仕事も同じですね
ダメと決めつけないでやってみる 続けてみる 楽しんでみると新しい自分に出会えるかも。
ファッション誌の編集者になるはずだったのに、どうして私が校閲に!?
憧れのファッション雑誌の編集者を夢見て、根性と気合と雑誌への愛で、 激戦の出版社の入社試験を突破し 総合出版社・景凡社に就職した河野悦子(こうの・えつこ)。
しかし、「名前がそれっぽい」という理由で(!?)、悦子が配属されたのは校閲部だった。
入社して2年目、苦手な文芸書の校閲原稿に向かい合う日々。 「こんなところ早く抜け出してやる」とばかりに口が悪い演技をしているが、 段々自分の本性がナマイキな女子であるような錯覚に陥ってくる毎日だ。
そして悦子が担当する原稿や周囲ではたびたび、ちょっとしたトラブルが巻き起こり……!?
読んでスッキリ、元気になる! 最強のワーキングガールズエンタメ☆
『ほたるいしマジカルランド』
- 仕事:遊園地勤務の会社員、アルバイト
- 働く人:遊園地勤務の人々 マネージャー、清掃担当の女性、植物管理担当の男性、インフォメーションの女性など
- 連作短編小説
夢がつまった楽しくてワクワクしちゃう遊園地だって、モヤモヤした想いをや、悩みを抱えて働く人たちがいます。
不器用な自分にガッカリしたり、昔の思い出が忘れられなかったり、自分の生き方に不安を抱えていたり。
でも、遊園地にはやっぱり魔法があるのかもしれません!
それぞれが前に踏み出していく、感動あり、心温まる物語です。
文庫本の可愛い表紙は、大人気のくらはしれいさんが担当しているのも要チェックです
あなたのそのがんばりを、見つけてくれる人が、きっといる。
本屋大賞ノミネート作家が贈る、心をときほぐす温かな物語。
大阪北部の蛍石市にある「ほたるいしマジカルランド」は、
願いごとを叶えてくれるという噂のある
メリーゴーラウンドが人気の老舗遊園地だ。
ここで働くのは、どこか不器用で悩みを抱えた人ばかり。
アトラクションやインフォメーションの担当者、
清掃スタッフに花や植物の管理。
お客様の笑顔のために奮闘する従業員たちの日常が、
ふとしたきっかけで動き出し――。
毎日がんばるあなたの心をふっと軽くする、温かな物語。
『櫓太鼓がきこえる』
- 仕事:相撲の呼出
- 働く人:高校を中退した17歳で「呼出見習」として相撲部屋に入門し、「呼出」として働くことになる篤
- 長編小説
- 2022年兵庫県・広島県の公立高校入試で出題された
この仕事がやりたかったわけじゃないし、自分に自信はもてないし、だれかに嫉妬したり、親を恨んだり、なにもかも中途半端な主人公の篤。
「しっかりして!」と声をかけたくなるくらいだったのに。
同じ相撲部屋の仲間たち(関取や親方)や、「呼出」として活躍する先輩や仲間との触れ合いを通して、自分を見つめなおし、変わることを決心した後の成長をしていく姿はたくましかった!
もちろん、すんなり成長するわけではないのですが……。
でも途中から、人をねたんだり、自暴自棄になったりと挫折をする姿さえ愛おしく感じるくらい、篤を応援してました。
日本の国技「相撲」の世界がのぞけるのも、この本の魅力です。
第33回小説すばる新人賞受賞作
選考委員を唸らせた、知られざる角界の裏方「呼出」に光を当てる、新しい相撲小説!
17歳の篤は高校を中退し、親との関係が悪化する中、先の見えない毎日を過ごしていたが、相撲ファンの叔父の勧めで相撲部屋に呼出見習いとして入門することに。関取はいないし弟子も少ない弱小の朝霧部屋で力士たちと暮らし、稽古と本場所を繰り返す日々が始まる。部屋違いの呼出である直之さんは、篤と年は同じながら角界入りは2年早い兄弟子で、声のよさと愛らしい顔立ちで人気があり、すでにファンもついていた。面倒見もよく助言をくれたり相談にのってくれたりするありがたい存在だ。しかし篤は本番で四股名を呼び間違える失態を演じるなど、しくじってばかり……。一方、年の近い先輩呼出の光太郎からは嫌がらせを受け続けていたが、ある日、直之さんのファンだと思っていた女性から、篤を応援していると告げられる。そんな日々を過ごす篤は、兄弟子力士たちの焦りや葛藤を間近に感じながら、「呼出」という仕事に就いた自分の在り方を見つめ直していく。
『ガール』
- 仕事:会社員
- 働く人:広告代理店、建設会社など
- 短編集
マスコットのように考えられている若い女性、男性より出世する女性への妬みや嫌がらせ、母親である女性同僚へのマタハラなどなど。
この本が出版されてから10年以上経ったけれど、会社での女性の立場はあんまり変わってない気がします。
独身女性もシングルマザーも、家庭をもっている女性もだれもが会社の中で闘っています!
にしても、作者が男性の奥田さんなのにビックリです。
奥田さん、女性の気持ち、わかりすぎです(笑)
すべての女性に「これって、私のこと!」と言わしめた爽快ベストセラー
生涯一ガール。結婚しても、仕事してても。
わたし、まだオッケーかな。ガールでいることを、そろそろやめたほうがいいのかな。滝川由紀子、32歳。仕事も順調、おしゃれも楽しい。でも、ふとした時に、ブルーになっちゃう(表題作)。ほか、働く女子の気持ちをありえないほど描き込み、話題騒然となった短編集。あなたと彼女のことが、よくわかります
『半沢直樹 1 オレたちバブル入行組(オレたちバブル入行組)』
●画像をクリックするとアマゾンへ
【著者】池井戸 潤 (著)
【出版社】講談社
【文庫出版年】2019年
*アマゾンに試し読みあり
*『オレたちバブル入行組』の最新版「半沢直樹シリーズ」バージョン(出版社は違うが内容は同じ)
- 仕事:銀行マン(バンカー) 融資担当
- 働く人:入社から数年たち大阪西支店融資課長になっている、半沢直樹
- 長編小説
- シリーズ化 『半沢直樹 2 オレたち花のバブル組』『半沢直樹 3 ロスジェネの逆襲』『半沢直樹 4 銀翼のイカロス』『半沢直樹 アルルカンと道化師』
バブル期から最近まで花形の職業だった銀行マン
頭が良くて、高給取りで、華やかなイメージの一方で、お金にまつわる仕事だけにダークなイメージもあるかもしれません
そして銀行の仕事は、お金の出し入れをしたりするだけと思っている人が多いかもしれません。
けれど、銀行を舞台にしたリアルな物語「半沢直樹シリーズ」を読むと、融資をする会社のために、親身になって役立ついろんな経営アドバイスをすのも銀行業務のひとつですし、そこには人情もついてきます。
銀行マン、面白そうな仕事と興味をもつ人、きっといるはずです。
大志を抱いてバンカーとなり、今では大阪西支店融資課長を務める半沢直樹。ある時支店長命令により五億円もの融資を行った会社があえなく倒産した。融資ミスの責任をすべて半沢に押し付け、醜い保身に走る浅野支店長。沸き上がる怒りを抑えながら、半沢は巨額の債権を回収するすべを探る。やられたら、倍返し――ここから痛快リベンジ劇が始まる!
『メガバンク銀行員ぐだぐだ日記――このたびの件、深くお詫び申しあげます』
- 仕事:メガバンクM銀行の行員
- 働く人:バブル期の入社から30年 とある支店の課長
- 実録日記
- お仕事日記シリーズとして『住宅営業マンぺこぺこ日記』『コールセンターもしもし日記』『ディズニーキャストざわざわ日記』など多数ある
リアルな現場からのレポート!
銀行マンを目指す人には必読書です
半沢直樹のような世界に憧れて銀行に入行したら-……。
どの業界にもある、業界ならではの「あるある」が惜しみもなく書かれています。
「上司に振りまわされる仕事」
現役銀行員が暴きだす、
業界の恥部と醍醐味
――語らずにいられないこと
M銀行は最近、世間を騒がせるいくつかの不祥事を引き起こした。
多くの行員がその対応、事後処理にあたり、私もその最前線にいたひとりだった。
ニュースで報じられる事件の裏側には、現場で汗を流し、時に罵倒され、頭を下げている人たちがいる。そんな生身の姿を知ってもらいたいと思った。
――四半世紀を超える銀行員生活で、語りたいこと、語らずにはいられないことがある。
『これは経費で落ちません! ~経理部の森若さん~ 1』
- 仕事:会社員 経理課
- 働く人:入社以来、経理一筋の27歳、森若沙名子
- 連作短編集
- シリーズ化
会社ではなぜ経理課のお仕事が煙たがられるのが、わかっちゃいます(笑)
数字に隠された謎を解く!
ストーリーがミステリー仕立てになっているのも面白いです。
イヤな顔をされても経理の仕事を誠実にこなす 会社員の鑑のような森若さん
でも、じつは自信がなくて不器用な面もあり、そんなギャップがキュートで好印象な森若さんもこの本の魅力です。
森若沙名子、27歳、彼氏なし。入社以来、経理一筋。きっちりとした労働と、適正な給料。過剰なものも足りないものもない、完璧な生活をおくっている、はずだった。
最近、そんな気配のなかった同期に恋人ができてしまい、少し迷いが生じている。ある日、営業部のエース・山田太陽が持ち込んだ領収書には「4800円、たこ焼き代」。経理からは社内の人間模様が見えてくる?
『クローゼット』
- 仕事場:服飾美術館
- 働く人:服飾補修士のトラウマをもち男性恐怖症の纏子(まきこ)、学芸員など
- 長編小説
- 『クローゼット』の美術館のモデルは京都服飾文化研究財団(KCI)
オシャレが好き、ファッションに興味がある人にぜひぜひおすすめの本です。
好きな服をキッカケにつながる二人の関係がストーリーの主軸ですが、本にでてくる服飾美術館が魅力的すぎます!
こんな美術館があって、こんな仕事があるんだと感動。
好きなことや興味のあることを仕事にできる幸せもつまっています
「少しずつの生きにくさを抱えたひとたちの、拠りどころであり、またそこから出て行くことのできる場所。それは確かに存在するのだ。この本を読み終えたあとの、ひとりひとりのこころのなかに。」 作家・谷崎由依(解説より)
十八世紀のコルセットや手編みのアンティークレース、1950年代のバレンシアガのコートにディオールのドレス、現代のファストファッションまで、およそ一万点の衣装を収蔵する服飾美術館で、洋服補修士として働く纏子(まきこ)。彼女は、幼い頃のある事件のせいで、大人になった今も男性恐怖症を抱えている。
一方、デパートの婦人服売り場内のカフェでバイトをする芳(かおる)もまた、男だけど女性服が好きというだけで、傷つけられた過去があった。
ある日、デパートでの特別展示を機に出会った纏子と芳。でも二人を繫ぐ糸は、遠い記憶の中にもあって……。
服飾美術館を舞台に、洋服の傷みと心の傷みにそっと寄り添う、新たなお仕事小説。
◆舞台である服飾美術館のモデルとなった、京都服飾文化研究財団(KCI)キュレーターの筒井直子氏と、千早茜氏による『クローゼット』文庫化記念対談を特別収録。
『われ去りしとも 美は朽ちず』
- 仕事場:美術館
- 働く人:鴻塚国際美術館(モデルは大塚国際美術館)の設立に携わる人々
- 長編小説
本のモデルとなった「大塚国際美術館」といえば、2018年紅白歌合戦で米津玄師さんが中継した場所として知られています。
美術館を設立するという、大勢でひとつのことを成し遂げる仕事が、携わる人たちの熱意と実行力はもちろん、さまざまな面からの仕事ぶりが集められて、ひとつの物語となっています。
いろいろな立場の人たちの葛藤、仕事への真剣さ楽しさのぶつかりあいに心を奪われ、夢中でよんじゃいました。
世界の美術業界に革命をもたらした陶板技術。その技術を発見し、美術作品として活用することで、世界に類を見ない規模の美術館として広く知られている鴻塚国際美術館。その設立に尽力した人々の姿を描くことで、「陶板」という、一つのおおきなムーヴメントを起こした先見性、可能性、将来性を、老若男女問わず、アートに興味をもつ世界中の人々に訴える。
当時の陶板制作の現場担当者、版権取得に関する交渉話、美術館建設に関する話を、関係者への取材に基づき描いたアート小説。
『モダン』
- 仕事場:ニューヨークの近代美術館MoMA
- 働く人:MoMAで働く人たち(職員、監視員、学芸員など)
- 連作短編小説
ニューヨークのMoMAで働く、アート好きならだれもが憧れる仕事です。
美術館の花形の学芸員だけでなく、裏方の人たちにもスポットを当てた、この物語は華やかな仕事じゃなくても、大切な仕事はいくらでもあるし、仕事はどれも誰かの役に立つものだとおしえてくれました。
美術に関する仕事だけじゃなく、どんな仕事を選ぶ時でも参考にもなるんじゃないかなと思います。
ピカソ、マティス、ワイエス…。現代絵画の巨匠たちの代表作に材を取り、アートを愛する者たちの様々な人間模様を描き出す短篇集。
『私のカレーを食べてください』
- 仕事:カレー屋さん
- 働く人:小さなころ食べた忘れられないカレーを求める山崎成美 専門学校卒業後カレー屋勤務
- 長編小説
カレーがすべての人生を送っている主人公 とにかくカレーが物語を埋め尽くします
本からカレーの香りがただよってきそうなくらいです。
そんな大好きなカレーを仕事にしたら……。
カレーをただつくるだけじゃない、仕事の壁にバシバシ当たってしまうのです(笑)
笑えることから、ホロリとくること、イラッとくること、恐ろしいことなどなど、これでもかとトラブル発生!
「あ~、仕事ってたいへん」
「でも、だれかのために役立つってうれしい」
そんな気持ちがカレーとともにつまった本です。
第2回「日本おいしい小説大賞」受賞作!
「お前の売りは何だ?」「私にはカレーしかありません!」――――。
古びた喫茶店の装いながら、本格的なスパイスカレーを出す「麝香猫」。そこで働く山崎成美は調理師学校に通う19歳。成美は幼い頃に両親が離婚、育ててくれた祖母も失踪してしまい、天涯孤独の身であった。
そんな彼女の運命を変えたのは、小学校の先生が作ってくれた一杯のカレーライス。成美はその味を自分でも作りたい一心で調理を始め、カレーの奥深さに戸惑いながらも、ようやくきっかけを掴みはじめていた。しかし突然、ある事情から「麝香猫」が店を閉めることになってしまい……。
理想のカレーを追い求める少女と人々の人情が織りなす、おいしい×青春×お仕事小説!
『パラ・スター 〈Side 百花〉』
- 仕事:車イス製作所 エンジニア
- 働く人:新米エンジニアとして働く百花
- 長編小説
- 合わせて読む本『パラ・スター 〈Side 宝良〉』あり
- 2022年桐朋女子中学入試で出題された
百花と、宝良の友情物語としても読みごたえがありますが、〈Side 百花〉の魅力は車イス製作に携わる仕事人たちの熱い想いです。
エンジニアたちが、一体となり、誠実に商品(車イス)に向き合い、お客様と向き合い、仲間と向き合い、自分にも向き合っている姿に感動します。
素敵な先輩に恵まれ、仕事にうちこめるのって幸せ。
そんな環境をうみだしているのは、百花の仕事への真剣さと素直さなのかな。
「たーちゃんは最強の車いすテニス選手になって。わたしはたーちゃんのために最高の車いすを作るから」
少女たちの夢の行方は──!? 汗と涙と感動の、きらめく青春小説! いきなり文庫!
車いすメーカーで働く百花の夢は、親友で車いすテニス選手の宝良のために最高の競技用車いすを作ること。高校2年の時、交通事故で脊髄損傷し、車いすでの生活を余儀なくされた宝良を救ったのは、百花が勧めた車いすテニスだった。宝良が日本代表チームに選出され華々しく活躍しているのに対して、新米エンジニアの自分に焦りを感じている百花は、はじめて顧客との面談を担当することになり……。
『地中の星』
- 仕事:地下鉄プロジェクトリーダー
- 働く人:日本に初めて地下鉄をつくった男、早川徳次
- 長編小説
いまや東京の地下をハチの巣のように線路をめぐらせている地下鉄
どうやって日本初の地下鉄を計画し作りあげたのか知っていますか?
壮大で莫大なお金がかかる未知なる地下鉄事業
どのように認可させるか、資金はどうするか 現場と支援者や設計者たちの軋轢、立ちはだかるライバル会社などなど
ひとつの事業を完成させるおもしろさと大変さを肌で感じられる物語です
渋沢栄一を口説き、五島慶太と競い、東京に地下鉄を誕生させた男の熱き闘い! 資金も経験もゼロ。夢だけを抱いてロンドンから帰国した早川徳次は、誰もが不可能だと嘲笑した地下鉄計画をスタートアップし、財界大物と技術者たちの協力を取り付けていく。だがそこに東急王国の五島慶太が立ちはだかる!
『家康、江戸を建てる』の著者がモダン都市東京の揺籃期を描く、昭和二年のプロジェクトX物語。
今回紹介した本リスト
実際に読んだ本のなかから、「お仕事物語」おすすめ本を紹介しました。
お気に入りの本を読んで、仕事選びの参考にしてみてくださいね。
あなたの好みの本を選んで読んでみてね。
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