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戦争について考える小説 自由研究・朝読書におすすめ!小学高学年・中学生向き【入試出題本より厳選した10冊以上】

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「戦争について考える」
そんなキッカケをあたえてくれる小説を紹介します。

「戦争」という重苦しいテーマの専門書を読むのは難しそうだけど、物語なら読みやすいはずです。

さらに今回は、中学入試で出題された物語から選んでみました

せっかく読書をするなら、入試ででた本を読んでおくのも、おすすめです。

入試出題本だからといって、難しいわけではなりません。
逆に小中学生が主役となっているので、同世代の子どもたちにとって、気持ちがわかりやすいと思います。

まずは自分が気になった本から読み始め、もっともっと戦争について知りたいな、戦争に関する本をもっともっと読んでみたいなと思ってもらえるとうれしいです。

さらに物語から、自由研究の題材として「戦争」や「原爆」を取り上げてみると、より理解が深まります。

小学高学年・中学生向けとしましたが、高校生や大人たちにも、ぜひ読んでほしいです。

児童書、ヤングアダルト(YA)ブック、中学受験出題本のおもしろさにどっぷりにハマっている私が紹介します

『トンネルの森1945』


【著者】角野栄子
【出版社】KADOKAWA

★主人公
9歳の少女、イコちゃん(角野栄子さん)

★ページ数
200ページ

★読みどころ
戦争中の子どもたち

★入試情報
2016年、筑波大学附属駒場中学校・聖ヨゼフ学園中学校の中学入試で出題された

『魔女の宅急便』を書いた角野栄子さんの自叙伝的小説をおすすめします。

仕事のあるお父さんを東京に残し、どこかなじめないお父さんの再婚相手光子さんと、生まれたての弟と3人で田舎に疎開するイコちゃんは、父を想い心配しながら、近くに恐ろしい森が広がるボロボロの家に住み、毎日の食料もままならず、遠い学校まで歩いて通う毎日を過ごします。

敗戦の1945年、角野さんはまだ10歳だったそうです。

平和な時代に生きている私たちには、想像できないすさまじいお話も、明るいお洋服の似合う、元気いっぱいの、あの角野さんの子ども時代なんだな~と思いながら読むと、リアル感が増します。

悲惨な子ども時代をすごした角野さんが、今の子どもたち、未来の子どもたちには戦争の悲しみや辛さを味わってほしくないと願い、楽しい物語を描いてくれている気がします。

☟角野栄子さんのインスタグラムより
ピンク色のお洋服がお似合いです。

『ある晴れた夏の朝』

【著者】小手鞠るい
【出版社】偕成社

★主人公
高校生 日系アメリカ人のメイちゃん

★ページ数
206ページ

★読みどころ
アメリカの高校生が考える原爆の是非

★入試情報
2020年、麗澤中学校の入試で出題された

ところで、原爆をつくって日本に落としたアメリカでは、原爆についてどんなふうに考えられているのか気になりませんか?

アメリカの高校生たちが「原爆投下の是非」について繰り広げる討論会が物語になった本を紹介します。

時代は1980年代、アメリカの8人の高校生が、広島・長崎に落とされた原子爆弾の是非をディベートをする物語です。

参加者は、日系アメリカ人のメイ(主人公)をはじめ、アイルランド系、中国系、ユダヤ系、アフリカ系と、人種や彼らのバックグラウンドが違う面々。

だからこそいろんな意見が飛び交います。

原爆の話をきっかけに、真珠湾攻撃、南京大虐殺など戦時中に起こったことについても取り上げられ、さらに、人種の問題にも発展していきます。

ひとつの問題から、こんなにもたくさんの問題があふれ出てくるのかとビックリしますし、大人の私も知らなかった出来事があるなと、自分の無知を恥ずかしく思いました。

アメリカ人だからみんなが原爆投下に賛成しているわけではない。

原爆投下に賛成している人だって、戦争はしたくない、平和を願う気持ちは、日本人もアメリカ人も、世界中の人が望んでいるのだと思える本でした。ところで、原爆をつくって日本に落としたアメリカでは、原爆についてどんなふうに考えられているのか気になりませんか?

『晴れたらいいね』

【著者】藤岡陽子
【出版社】光文社

★主人公
看護師の紗穂

★ページ数
352ページ

★読みどころ
戦時中のマニラにタイムスリップしたら!?


世界で絶えることのない戦争。
だけど、どこか他人ごとのように感じていませんか?

そんな人たちにおすすめなのが『晴れたらいいね』です。

看護師の紗穂さんは、ある日の夜勤中に、1944年のマニラにタイムスリップしてしまうのです!
しかも、従軍看護婦として戦争に巻き込まれてしまいます。

紗穂は、過酷な戦争を生き抜けるのか?
そして、現代へもどってこられるのか?

物語を通して、戦争のすさまじさや、理不尽さを体感し、そしてそんな苦しみのなかにもある、人と人との繋がりや、愛がを感じ、命の大切さ、生きる希望をもてるありがたさが心に刻まれる感動物語です。

『バケモンの涙』


【著者】歌川たいじ
【出版社】光文社

★主人公
国民学校の教師となった橘トシ子、19歳

★ページ数
264ページ

★読みどころ
戦争中の子どもたち
日本初のポン菓子製造会社、タチバナ機工(北九州市戸畑区)の創業者、吉村利子さんの物語

★入試情報
2024年、目黒日本大学中学校の中学入試で出題された

ポン菓子って知ってますか?
お祭りで見たことあるかな?

「ポン」、いや「ボン!!」と爆発音がしてできあがる、ポップコーンのお米版のようなお菓子です。

そのポン菓子の製造機が、戦時中・戦後の子どもたちの命を救うためにつくられたということを知っていますか?

舞台は太平洋戦争末期の大阪。

戦争が悪化して、食べることもままならず栄養不足になる子どもたちを、なんとしても救いたいと願った教師のトシ子は、ポン菓子の存在を知り、ポン菓子製造機を作ろうと、縁もない北九州にたったひとりで乗り込むのです!

トシ子、すごい行動力です。

子どもを救いたい一心で、苦難を乗り越え、自分の信念を貫き、奮闘するトシ子の感動物語です。

そして、そんなトシ子のパワーを生み出したのは、ごくごく普通の生活をしていた一般の人たちが苦しみ死んでいった、悲惨な「戦争」だったということを教えてくれる物語です。

『モノクロの夏に帰る』

【著者】額賀澪
【出版社】中央公論社

★主人公
セクシャルマイノリティの書店員
保健室登校の女子中学生
家族にコンプレックスを持つテレビマン
アメリカから来た高校生と、福島から来た高校生

★ページ数
272ページ

★テーマ
現代の若者からみた戦争

★入試情報
2023年、神奈川学園の中学入試で出題された

『モノクロの夏に帰る』は、戦中・戦後の写真をカラー化した1冊の写真集『時をかける色彩』を軸にして、4つの連作短編集になってます。

今回紹介する本の中では、ちょっと変わった存在の本です。

まず、短編集であること。
そして、物語の軸となっているのが、戦争中の体験・出来ごとではないことです。

戦争を知らない現代の若い人たちが、ひとりひとりの自分の目で戦争を見る、戦争を知り、心を動かされていく物語です。

物語の主人公たちが、「今」の自分自身で、戦争にどう向き合うのか、それを通してどう心がうごいていくのかが読みどころです。

戦後80年ちかくになり、戦争を体験したひとたちから直接戦争の話を聞くことは減ってしまい、戦争が歴史の1ページとなり、どんどん風化している気がします。

そんな今だからこそ、『モノクロの夏に帰る』をキッカケに、「今」の自分、現代から、戦争をみつめてみてください。

そして、戦争について考えたことを、今を生き抜く力に変えてみませんか?

☟作者の額賀澪さんのインスタグラムより
 額賀さんのこの本への想いが書かれています。

『世界の果ての子供たち』

【著者】中脇初枝
【出版社】小峰書店

★主人公
高知県から満洲にやってきた日本人の少女、珠子

★ページ数
単行本 386ページ
文庫本 480ページ

★テーマ
戦争中 満州での子どもたち
戦後 中国戦争孤児など

入試情報
2017年、駒場東邦中学校の中学入試で出題された

高知県から親と満洲にやってきた珠子、朝鮮人の美子(ミジャ)、横浜から来た恵まれた家庭で育った茉莉
昭和18年の満州で、国籍など関係なく情で結ばれる幼い三人の少女たち。

戦争によって、なんの罪もない子どもたちの人生が振り回され、そして3人の人生は、戦後も壮絶なものになってしまいます。

戦争によって、ひとりひとりの大切ないちどきりの人生が、大きく変わっていくのです。

そもそも「満州」ってどこなの?と思う人もいるかもしれません。
満州は戦時中(1932年から1945年)まで、日本が占領していた日本の傀儡国家、中国東北地方と内モンゴルがおもな領域。

日本も他の国を占領していた過去があるのです。

『世界の果ての子供たち』は、戦争、戦後の混乱した世の中のなかで傷ついた人たちの人生、戦争への口に出せないほどの辛い想い、戦中の恨みから生まれる戦後の差別など、戦後生まれの私たちにたくさんのことを伝えてくれます。

いったい戦争って、誰のためのものなんだろうか?

だれもが思う疑問がつきまとう物語です。

『光のうつしえ 廣島 ヒロシマ 広島』

【著者】朽木祥
【出版社】講談社

★主人公
中学1年生の希未ちゃん

★ページ数
248ページ

★テーマ
広島の原爆

★入試情報
2024年、香蘭女学校中等科の入試で出題された
2018年、聖ヨゼフ学園中学校の入試で出題された

作者の朽木祥(クツキショウ)さんは、広島生まれ、被曝二世の作家さんです。
この作品のほかにも、たくさんの「原爆」に関する本を書いています。

広島の原爆投下から26年後、中学生の希未ちゃんが知ったひとつひとつの真実は……。

あのときの広島のすさまじい状況
そして、あの時に広島に暮らしていた人たちが経験したこと、感じたこと
さらには、戦争が終わっても苦しみ続ける人たち

ひとりひとりに物語があり、人生があり、苦しみがあった。

時間がたつほどに風化してしまいがちな「原爆投下」の恐ろしさをどう伝えていくのか?

戦争を繰り返してしまうのはなぜなのか?

唯一の被爆国の日本が世界に発することは何かないのか?

原爆で大切な人を亡くした先生が語る「加害者になるな。犠牲者になるな。そしてなによりも傍観者になるな。」という言葉の重み。

この本を読んで、自分なりにいろんなことを考えてみてください。

『窓ぎわのトットちゃん』『続 窓ぎわのトットちゃん』

【著者】黒柳徹子
【出版社】講談社

★主人公
タレントの黒柳徹子さん(トットちゃん)

★ページ数
『窓ぎわのトットちゃん』
単行本 295ページ
文庫本 384ページ
青い鳥文庫(子ども向け) 358ページ

『続 窓ぎわのトットちゃん』
256ページ

★テーマ
『窓ぎわのトットちゃん』
戦前の子どもたち

『続 窓ぎわのトットちゃん』
戦時中の子どもたち、戦後のテレビ界

★入試情報
『続 窓ぎわのトットちゃん』
2024年、久留米大付属中学校の入試で出題された

『窓ぎわのトットちゃん』『続 窓ぎわのトットちゃん』は、テレビで活躍する玉ねぎ頭のタレント黒柳徹子さんの自叙伝です。

42年前に、日本の国民的ベストセラーとなった『窓ぎわのトットちゃん』は、戦争に入る前のあわただしい生活のなかでも、トモエ学園というすばらしい学校で過ごした学校生活が中心に書かれています。

遠足に行ったり、運動会をしたり、お弁当をもっていったりと、不穏ななかでも、まだまだ学校生活が楽しめていたのですが。

『続 窓ぎわのトットちゃん』では、トットちゃんの生活が激変します。

戦争が長く続き、戦地ではない日本本土も、もはや戦地状態のようにピリピリし、いつ爆弾が落ちてくるかの毎日がやってくるのです。

お父さんは出兵し、トットちゃんはお母さんと弟と東京大空襲の数日後に、青森へ疎開をするのです。

都会で暮らしていたトットちゃんの、疎開先での生活とは?

一番最初に紹介した、角野栄子さんの自叙伝『トンネルの森1945』と合わせて読むのも、おもしろいです。

☟黒柳徹子さんのインスタグラムより 祝『窓ぎわのトットちゃん』ギネス記録達成!!

『ぼんぼん』

【著者】今江祥智
【出版社】岩波書店
*新装版が理論社から販売されています

★主人公
大阪の裕福な家の”ぼんぼん”、洋(ひろし)
小学3~6年生まで

★ページ数
岩波少年文庫本<岩波書店>494ページ
単行本<理論社>432ページ

★テーマ
子どもの見た体験した戦争

★入試情報
2022年、洗⾜学園中学校の入試で出題された

ちょっと長めのお話ですが、主人公の洋くんの気持ちに寄り添いながら読めるので、ぜひ挑戦してみてほしい本です。

物語の舞台は、昭和16年に日本が第二次世界大戦を始めてから、昭和20年に敗戦するまでの4年間の大阪です。

『ぼんぼん』は、小学3年生の少年が体験し肌で感じ取った戦争が、子ども目線で書かれている物語です。

今までの日常とは違った、戦争という「死」と隣り合わせになり、人の気持ちや価値観を大きく変えてしまう生活にとまどいながらも、必死に生きていくのです。

子どもだから、素直に思うことや感じることが、よけいに戦争の恐ろしさを際立たせてくれます。

物語自体は、戦時下にあっても喜びやユーモアを忘れずに生きる少年の姿や、ほのかな恋心、頼りになる佐脇さんの存在などが書かれていて、恐ろ恐ろしいものではありません。

むしろ、戦争中のなかで、どうにかこうにか生活をして、生き抜き、成長をしていく洋くんが生き生きと書かれている青春物語といってもいいほどで、読みやすいと思います。

大阪弁で話す洋くんが、いい味をだしています。

『鐘を鳴らす子供たち』

【著者】古内一絵
【出版社】単行本➡小峰書店
【出版社】文庫本➡小学館

★主人公
東京の小学校に通う6年生の良仁くん

★ページ数
単行本336ページ
文庫本336ページ

★テーマ
戦後の日本に生きた子どもたち

★入試情報
2021年、山脇中学校の入試で出題された

学校の歴史で習う戦後の日本は、どのようなものでしたか?
貧しいなかでも、たくさんの人たちが頑張って、先進国の仲間入りをしたすごい日本を学んだはずです。

でも、現実は、そうかんたんなものではなかったのです。

昭和22年の日本。
長い戦争が終わり、敗戦から立ち直りつつはあったが、貧しく、ほとんどの子どもがいつもお腹を空かせていました。

食べるものがなくて、いつもお腹がすいているなんて想像できますか?

「ラジオ小説で戦後の日本を励まそう!」という企画のもと、主人公の良介をふくむ小学6年生が、NHKのラジオ小説に参加することになります。

ラジオという、大人の世界に足を踏み入れた少年たちがみた、戦後の日本の姿とはどんなだったのでしょうか?

物語のなかでは、いまの裕福で平和な日本からは想像できない、戦後の東京(日本)の姿が目の間に広がっています。

闇市や配給、GHQ(進駐軍)と日本人との関りなどなど、子どもの知らない大人の世界や、戦争で親を亡くしたたため、犯罪のような行動をしながら食べるものを手に入れ、野宿をして生きている戦災孤児も登場します。

きっと、書かれているひどい状況さえ実際の一部分だろうし、自分の想像する人の苦しみや悲しみなんてほんの一握りなんだと思うと、胸がつまります。

今の日本に至るまでは、決して平たんではなかったし、いろんな人たちの犠牲があってこそなんだとあらためて思いました。
そして、かつての「戦争」「戦後」の真実をもっと知りたくなります。

『お菓子の船』

【著者】上野歩
【出版社】講談社

★主人公
和菓子職人になりたての樋口和子(わこ)

★ページ数
320ページ

★テーマ
戦争中に活躍した「お菓子の船」の正体とは?

★入試情報
2024年、鷗友学園女子中学校の入試で出題された

小中学生ではなく、和菓子職人として仕事を始める女性のお仕事物語ですが、物語のキーになる「おじいちゃんのつくってくれたどら焼き」が、戦争と大きく関わってくるのです。

おいしいお菓子と戦争って、どう関係するの?

と気になったらぜひ読んでみてください。

おじいちゃんのどら焼きを再現するために、調べていくうちに、いままで知らなかったおじいちゃんの姿が明らかになっていきます。

おじいちゃんは太平洋戦争に出征していたころ、「お菓子の船」に乗っていたというのです!

「お菓子の船」ってどんな船なのか?
気になりますよね。

そしておじいちゃんの波乱万丈の生き方に、泣けます。

おいしくて泣ける
そんな読書をしたい人に、おすすめの本です。

『花や咲く咲く』

【著者】あさのあつこ
【出版社】実業之日本社

★主人公
高等女学校3年(15歳くらい)、三芙美(みふみ)ちゃん

★ページ数
276ページ

★テーマ
戦時中の少女たちの青春

★入試情報
2019年、吉祥女子中学校の入試で出題された

★その他情報
残念ながら、単行本・文庫本とも中古本でしか手に入らない

第二次大戦中の昭和18年、高等女学校3年の幼馴染4人組、三芙美、則子、和美、詠子の青春物語です。

4人でもいればなんでも面白と笑いあえるし、美しいモノを愛でる気持ちをもっている彼女たちだけど、現実では、笑うことさえも制限され、美しいモノ、オシャレも我慢してモンペをはいている。

やりたい事ができない、何もかもお国のために我慢しなければいけなかった時代。

そんな時代に青春時代をすごさなければならなかった彼女たちを生み出してしまった戦争。
罪のない人たちの自由を、人としての尊厳を奪う戦争。

人が笑って、ご飯を食べて、安心して眠れる、自由に生きられる。
今当たり前にできることができなかった彼女たちを想像しながら、読んでみてください。

悲惨な戦争のなかでも、希望をもって生きるパワーやすばらしさも感じられる物語ですので、読みやすいと思います。

戦争について考える小説 小学高学年・中学生におすすめ本リスト

中学入試で出題された物語のなかから、戦争について考えるキッカケになる小説を選んでいます。

紹介した本をリストにしたので、読みたい本をもう一度確認してみてください。

朝読書の時間などを利用して、気になる本があったら読んでみてくださいね

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