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中学入試で出題された小説本のなかから、2024年になって文庫本になった本を紹介します。
どんな本を読んでいいかわからないなら、入試で取り上げられる本を読んでみるのがおすすめです。
入試ででるくらいだから、難しくて、面白くないんじゃないかな?という心配はいりません!
読みだしたらどんどん先が気になる本ばかりです。
文庫本は持ち運びもラクチンですし、お値段もお手軽なので、たくさんの本を読んでみてください。
まずは、自分に合う本を選んでみてくださいね
『虹いろ図書館のへびおとこ』
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【著者】 櫻井とりお
【出版社】河出書房新社
★【文庫本出版年月】
2024年7月
★本の内容
長編小説
★主人公
小学6年生、火村ほのかちゃん
★あらすじ
いじめで学校に行けなくなった少女が、学校のかわりに通い始めた図書館で知り合った人たちに支えられ成長していく物語
★その他情報
続編あり
「虹いろ図書館」シリーズになっている
もし、あなたがいじめられて学校へ行けなくなったらどうしますか?
物語の主人公、ほのかちゃんは学校に行けないことを家族にも言えず、家を毎日出ては図書館に通うようになるのです。
いじめられているのを、親に話すのって勇気がいりますものね。
ほのかちゃんのつらい毎日を助けてくれたのは、図書館司書の体の半分が緑色!司書イヌガミさん、同じように図書館に通っている少年、そしてたくさんの本でした。
いじめられっ子というと、おとなしくて、弱々しい子を想像するかもしれませんが、ほのかちゃんは、とにかく前向きで元気いっぱいで明るい子なので、暗い物語ではありません。
今の自分の立場で、どう生きていけばいいのかを、真正面から見て、自分で判断し、行動しているほのかちゃんは、カッコいいのです。
いじめっ子は弱いというイメージを、吹き飛ばしてくれます!
ほのかちゃんが図書館で出会う本たちのリストが巻末にあるので、本好きさんなら、2倍楽しめるようになっています。
『花屋さんが言うことには』
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【著者】山本幸久
【出版社】ポプラ社
★【文庫本出版年月】
2024年3月
★本の内容
連作短編集
★主人公
ブラック企業を辞めて花屋で働き始めた紀久子、24歳
★あらすじ
花屋で働き始めた女性が、仕事仲間やお客様、そして花を通して自分をみつめなおし成長していく物語
大人になっても、人生に迷い中の人って、けっこうたくさんいるんです。
主人公の紀久子さんは24歳で大人ですが、人生に悩み中で、まだまだ自分が自分でわかっていない女性なので、中学生くらいでも気持ちはわかりやすく共感できる部分もたくさんあるはずです。
花屋を訪れる人、花屋で働く仲間たちにも、それぞれ悩みがあり、人生いろいろです。
悩める彼らが、だれかのために、弱っている自分のために、相手(自分)を想いながら花を選んで贈るのは、花だけじゃなくて「愛」も一緒に贈っているのです。
物語には、花にまつわる短歌や、花言葉がちょいちょい組み込まれていて、花に興味をもつキッカケにもなります。
本を読めば、花に詳しい素敵な人になれるかも!
『ある晴れた夏の朝』
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【著者】小手鞠るい
【出版社】偕成社
★【文庫本出版年月】
2024年7月
★本の内容
長編小説
★主人公
高校生 日系アメリカ人のメイちゃん
★あらすじ
アイルランド系、中国系、ユダヤ系、アフリカ系と、さまざまなルーツをもつアメリカの高校生8人が、広島・長崎に落とされた原子爆弾の賛成、反対をディベートする物語
とうとう文庫本が発売されます!
より多くの子どもたちに読んでほしい一冊です。
原爆投下から人種差別、真珠湾の戦争、満州国でも日本の行いなど、さまざまな問題が提起され、ディベートはどんどん盛り上がっていきます。
アメリカの高校生のディベート力に圧倒されてしまう!
読み終わった後に、原爆投下についてどう思うかな?読む前と考え方は変わるかな?
『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー 2』
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【著者】ブレディみかこ
【出版社】新潮社
★【文庫本出版年月】
2024年6月
★本の内容
エッセイ
★主人公
作者のブレディみかこさんの息子 イギリスで9年生(日本の中学2年生くらい)
★あらすじ
イギリスで暮らしているブレディ家の息子さんのリアルな学生生活、青春物語
イギリスのリアルな「今」、そしてイギリスの中学生の「今」が知れます!
教えてくれるのはイギリス南端にあるブライトン(ロンドンからは車で2時間程度離れた場所)で暮らし、ふつうの公立中学校(英国人で白人が9割を占めリアル社会の縮小版のような学校)に通っている息子さんをもつ、ブレディみかこさんです。
自分がマイノリティであると常に感じている、日本人の母をもち東洋人顔をしたブレディ家の息子、ぼく。
さらに、思春期ならではの友達との関係や、勉強のこと、親子関係などなど、ぼくの毎日は悩み事や不思議なこと、理不尽なことでいっぱい!
ベストセラーとなった1冊目より、すこし成長した息子さんは、さらに自分のことだけでなく、政治のこと環境のこと、社会のことにも目を向けていきます。
息子さんと一緒に家族でいろいろな話しをして、考えて、成長していく、イギリスに住むブレディ一家をのぞける本です。
1作目を読んでなかったら、ぜひ2冊目合わせて読んでください。
『天国からの宅配便』
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【著者】柊サナカ
【出版社】双葉社
★【文庫本出版年月】
2024年3月
★本の内容
4話の短編小説
★主人公
大事な人を亡くし残された人たち 老女、女子高生、中年男、大学生
★あらすじ
依頼人の死後に届けものをするサービス「天国宅配便」の物語
☟作者、柊サナカさんのつぶやき
今年も私立中学入試の問題に「天国からの宅配便」の中の「オセロの女王」を使っていただきました。受験生の皆さんお疲れ様でした。天国からの宅配便シリーズは、今までにも入試問題と、進学塾の入試対策問題集にもたびたび取り上げられていますので、今後受験を目指す方、また保護者のみなさまもぜひ。 pic.twitter.com/O9LlbO0Jkw
— 柊サナカ (@hiiragisanaka) May 2, 2024
もし、あなたが突然亡くなってしまったら。
伝えたいことを伝えられずに亡くなってしまったら。
逆に、大事な人が突然なくなったら。
伝えたいことがあったのに、相手が亡くなってしまったら。
そんなときに、このサービス「天国宅配便」があれば!
残された人たちを、優しい愛で勇気づけてくれる「天国宅配便」に、感動で涙が止まりません。
『僕の神さま』
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【著者】芦沢央
【出版社】KADOKAWA
★【文庫本出版年月】
2024年2月
★本の内容
連作短編集
★主人公
小学生の僕とクラスメイトの水谷くん
★あらすじ
クラスメイト達から「神さま」と尊敬する水谷くんと僕が体験するミステリー
なんでも知っている男の子、水谷君が小学生の僕たちにおそいかかる「謎」に挑戦する!
ホームズとワトソンのように、ふたりは謎の事件、ウワサの真相を追求していきます。
最初の物語は、ほのぼのとした小学生の日常におこった謎だったのに、2話になるにつれて、どんどんダークな事件が起きてきます。
事件・謎の見える闇だけでなく、そこにある人の気持ちを読み解くのが、解決のキーになっていきます。
「神さま」水谷君は、どのように謎を解いていくのでしょうか?
中学受験の入試問題では珍しい、ミステリー本です。
『みとりねこ』
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【著者】有川ひろ
【出版社】講談社
★【文庫本出版年月】
2024年4月
★本の内容
7つの短編集
★主人公
7匹のねこ
★あらすじ
人間と暮らす猫たちの物語
猫が好きな人、ペットを飼っている人にぜひ読んでほしい1冊です!
自分の飼っている猫(ペット)が、どんな気持ちでいるのかな?と思ったことありませんか?
そんな人にぜひおすすめしたいのが『みとりねこ』です。
話すことはできない猫たちの大切な人への想いに、心にジンときます。
『みとりねこ』には、有川浩さんの人気本『旅猫リポート』にまつわる物語(旅猫レポート外伝)が2話、『アンマーとぼくら』のスピンオフが1話入っています。
『旅猫リポート』『アンマーとぼくら』も、中学入試で出題されている本です。
『旅する練習』
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【著者】乗代雄介
【出版社】講談社
★【文庫本出版年月】
2024年1月
★本の内容
長編小説
★主人公
小学生6年生のサッカー少女亜美(あび)と、小説家の叔父
★あらすじ
2020年の春休み、小学生女子と叔父が、利根川沿いに、徒歩で千葉の我孫子から鹿島アントラーズの本拠地を目指す5日間の旅の物語
読み終わったら、もう一度、読み返したくなる物語です。
両親とも違う、どこか友達ぽさもある叔父さんとの旅は楽しいのかな?
旅をしながら、姪も叔父も成長をしていくのですが……。
この『旅する練習』は、ただの楽しい旅行記ではないのです。
最後まで読むと、この本への感想が一気に変わります!
「そーいえば!」と思い返して、もう一度、本をめくってしまうはずです。
『女神のサラダ』
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【著者】瀧羽麻子
【出版社】光文社
★【文庫本出版年月】
2024年1月
★本の内容
8つの短編小説
★主人公
シングルマザー、農家の嫁、女社長など8人の女性
★あらすじ
農業にまつわる愛とおいしさがつまった物語
人生の壁にぶつかっている人におすすめです。
そして、野菜が大好きな人には、ぜひ読んでほしい!
今日あなたが食べた野菜にも、その野菜が作られた背景があります。
野菜を育てる、野菜を食べる、そして野菜の思い出
野菜たちが、悩める女性たちを励ましてくれます!
ちょっとしたことをキッカケに、見方を変えてみれば。
農業という自然と人間を結び付ける農業のパワーで、成長していく女性たちが、頼もしくカッコいいのです。
『雪のなまえ』
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【著者】村山由佳
【出版社】徳間書店
★【文庫本出版年月】
2023年12月
★本の内容
長編小説
★主人公
小学5年生の雪乃ちゃん
★あらすじ
いじめにあい不登校になった雪乃ちゃんが父親と田舎へ引っ越し、再生をはかる成長物語
学校に行けない気持ちを、上手に親に伝えられない。
そんな少女のもどかしい気持ちが、丁寧に書かれている物語です。
読んでいると、そんな、繊細な心をもつ少女に大人は優しく心を寄り添うだけでいいのか?それとも、ある程度は突き放すべきなのか?と、問われているように感じます。
子どもだけではなく、大人も人生につまづくときがある。
そんなときに、自分自身は、周りはどうすべきなのか?
ひとそれぞれの考え方があるけれど、今の場所、状況から逃れることが大事な時もあるのではと、心をそっと軽くしてくれました。
本当の自分を、受け入れ、大事にしてくれる、愛してくれる、そんな場所、そんな人たちを見つけるのが、人生なのかもしれません。
『犬がいた季節』
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【著者】伊吹有喜
【出版社】双葉社
★【文庫本出版年月】
2024年1月
★本の内容
連作短編集
★主人公
平成時代を生きる高校3年生たち
★あらすじ
高校で飼われている犬「コーシロー」がみつめた、平成を生きた高校3年生の生徒たちの青春物語
「青春っていいな」とつぶやきたくなる小説が『犬がいた季節』です
ほんのちょっと前のことから、だいぶ昔のことまで。
平成時代を背景に、1匹の犬コーシローは、たくさんの高校生たちとふれあってきて、そのたびに、彼らの悩みや決意を目にし、耳にしてきたのです。
友情に感謝するときもあれば、自分の生き方に不安になるときもあるし、他の人に嫉妬したりうらやんだり、自分がイヤになるときもある。
それでも、高校生の彼らには未来がある!
人の優しさや愛情、生きるパワーに心が満たされる素敵な小説です。
『道をたずねる』
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【著者】平岡陽明
【出版社】小学館
★【文庫本出版年月】
2023年7月
★本の内容
長編小説
★主人公
地図会社キョーリンの調査員・合志俊介
★あらすじ
地図つくりに情熱を注ぐ!親子2代にわたる、愛がつまった男の友情・青春・人生物語
小学時代に交わした「誓い」をあなたなら守り続けられますか?
地図といえばグーグルマップを思いうかべるかな?
でも、昭和・平成時代の人たちなら、住宅地図といえばゼンリンを思いうかべる人も多いはず。
その地図のゼンリンがモデルになった小説が『道をたずねる』です。
住宅地図がどうやってつくられたのか!
そこには、中学時代にした3人の男同士の誓いがあったのです。
物語は、昭和(1958年)から平成(2017年)へと、親子2代にわたって繋がっていくのですが、いつの時代にも、どこにでも、友情あり、家族の愛があり、夫婦の愛があり、仕事への情熱があり、人を想う気持ちがあるのです。
すがすがしく、輝いている、生涯変わらない男どうしの友情が生み出す感動を味わってください。
【2024年版春夏】文庫本になったよ!小学高学年・中学生におすすめ 中学入試出題小説本10冊リスト
中学入試で出題された小説本のなかから、2024年になってで文庫本になった小説本を紹介します。
文庫本は持ち運びもラクチンですし、お値段もお手軽なので、たくさんの本を読んでみてください。
気になる本があったら、どんどん読んでみてね。
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