児童書、ヤングアダルト(YA)ブック、中学受験出題本のおもしろさにどっぷりにハマっている私が、おすすめしたい本を紹介します。
中学入試・高校入試で出題されることが多い藤岡陽子さんの本のなかから、小学高学年から中学生、高校生におすすめ本を紹介します。
入試で出題されるから難しい理解しにくい本かと思いきや、藤岡陽子さんの小説は、とにかく感動×感動なのが魅力です。
感動の嵐がふきあれ、号泣まちがいなし!なのです。
お気に入りの本を見つけて、藤岡陽子ワールドに広がる感動を楽しんでください。
紹介した本の多くは、入試で出題されています。
1971年京都府生まれ
大学卒業後、報知新聞社でスポーツ記者として働いていたが退社し、タンザニア・ダルエスサラーム大学に留学する
帰国後、小説を書き始めた一方で、慈恵看護専門学校に通い、看護師資格を習得している
2009年『いつまでも白い羽根』でデビューした
【参考:藤岡陽子wikipediaより】
『金の角持つ子どもたち』
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【著者】藤岡陽子
【出版社】集英社
号泣ポイント
物語いっぱいにあふれる!人がだれかを思う気持ち
●あらすじ
中学受験をとおして成長していく人たちの物語
●3つの連作短編集
●主人公は?
中学受験生の小学6年生、俊介
俊介の母
俊介の塾の講師、加地36歳の物語
年々加熱する中学受験に対して賛否の意見が交わされる一方で、受験の現場ならではの感動を味わってみませんか?
中学受験戦争が過熱している現在。
あなたは、中学受験をどんなふうに考えていますか?
ただ希望の学校の試験試験をパスするために勉強を頑張るもの、と安易に考えていませんか?
いやいや、中学受験は受験生本人だけでなく、周りの人々にも大きな影響を与え、大人も子どもも大きく成長させてくれるものなんです。
受験に立ち向かう子どもたちは、小さな大人なんです。
いつまでも親の考えているような、なにも考えていない無知な子どもじゃありません。
だれかを想い、だれかに喜んでほしいと必死に生きています。
大きく羽ばたいていく直前の子どもたちなんです!
必死に立ち向かった中学受験は、子どもも、大人も成長させてくれます。
『金の角持つ子どもたち』は、中学受験を考えている親子はもちろん、中学受験なんて関係ない世界だな、と思っている人にぜひ読んでほしい一冊です。
おまえが大人になったら、その能力を他の人にもわけてほしいんだ(中略)
『金の角持つ子どもたち』(p.247)
お前のようになりたくてもなれない人が、世の中にはたくさんいる。いろいろな理由で不本意な生き方しかできない人が、驚くほどたくさんいるんだ。おれは美乃里のその恵まれた能力を自分だけのものにせず、多くの人にわけてあげてほしいと思っている。
受験前日に、中学受験塾の講師加地が、1年間塾でトップの成績をとり続けた優秀な受験生美乃里にかける言葉に号泣しました
12歳の女の子に、強く生きることができる子に弱い人を見捨てないでほしいと真摯に頼む、大人の塾講師加地の言葉に心うたれ、号泣しました。
中学受験生の多くは、恵まれた環境で育った子どもたち。
でも、世の中には自分で未来を切り開ける子もいれば、そのスタート地点にも立てない子もいる現実を伝える塾講師の加地の一言は、恵まれた子どもにこそ生涯を通して忘れてほしくない言葉です。
『海とジイ』
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【著者】藤岡陽子
【出版社】小学館
号泣ポイント
人生の先輩たちが、今までの経験から教えてくれること
●あらすじ
3人の”ジイ”たちが伝えてくれる、人生の生き方物語
●3つの連作短編集
●主人公は?
3人のおじいさんと小学生、看護師、高校生
『海とジイ』は、3つの短編小説集で、「生きること」に前向きになれる、海に囲まれた島で暮らすジイたち(おじいさん)からの応援小説です。
1話目の「海神~わだつみ」では、不登校になってしまった小学4年生の優生くんが、瀬戸内の島に暮らす95歳の曾祖父(病気で死期がちかい)と会い、ふたりだけの約束を交わします。
年の大きく離れた二人が交わした約束とは?
3話目の「波光~はこう」も、学生が読みやすい物語です。
すべてを陸上競技に捧げてきたのに、怪我により挫折してしまい苦しみのなかにいる高校生の澪二くんが訪ねたのは、島に住む祖父でした。
祖父と過ごし、祖父の半生を知った澪二くんは何を感じとるのでしょうか?
年配の人とふれあうこと、関わることが少ない、小学生や中高校生にぜひ読んでほしいです。
『リラの花咲くけものみち』
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【著者】藤岡陽子
【出版社】光文社
号泣ポイント
自らの人生を、自分の力で、そして周りの人たちの支えによって変えてゆく少女のパワー
●あらすじ
家庭環境に悩み心に傷を負っている少女が、獣医師を目指し成長していく物語
●主人公は?
聡里(さとり)
今までがどんなにつらい人生であったとしても、その人生を変えることができるはず!
家庭環境に悩み心に傷を負った聡里(さとり)は、祖母とペットに支えられて獣医師を目指し、北海道の獣医学大学へ進学します。
そこでは、素晴らしい出会いがあれば、悲しい別れもあります……。
そして、真剣に「命」と向き合うことで、動物たちが、仲間が「生きること」を教えてくれるのです。
小説のなかには過酷なシーンもありますが、いつのまにか、周囲の人物に支えられ成長する聡里を応援し、聡里の悲しみを一緒に悲しみ、幸せを一緒に喜びながら、物語に没頭して読んでいる自分に気づきます。
自らの人生を変えてゆく、少女の成長するパワーに勇気をもらえる感動物語です。
『跳べ、暁!』
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【著者】藤岡陽子
【出版社】ポプラ社
号泣ポイント
子どもには、どうにもならない悩み
●あらすじ
バスケにかける情熱とバスケを通じた友情がキラキラ光る青春物語
●主人公は?
父親と二人暮らしの14歳の少女、暁(あかつき)
中学生の子どもたちには、どうにもならない問題ってありますよね。
親の仕事の都合だったり、家族の金銭状態だったり、両親との相性不一致だったりと、悩んでも解決できないことって割とあります。
『跳べ、暁!』には、そんな悩みをもった女子中学生たちの物語です。
苦しい立場にいる彼女たちは、仲間とバスケットボールをしているときだけは、悩みも忘れて熱中できる!
彼女たちの、お互いの悩みを分かち合い友情を深めて成長していく、きらめく青春が味わえます。
家族が仲良しで、両親に恵まれている人にこそ、読んでほしい一冊です。
『手のひらの音符』
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【著者】藤岡陽子
【出版社】新潮社
号泣ポイント
過去から未来へつながっている人生は、自分自身のものという当たり前のこと
●●あらすじ
45歳の大人になった水樹が過去を回想しながら、今の自分を見つめなおす物語
●主人公は?
45才の独身女性デザイナー、水樹
ひとりひとりに人生があって、それはだれも代わりに生きることはできない。
だから自分で、自分の人生を闘いながら、いきていかなくてはならない。
当たり前のことだけど、毎日が忙しくバタバタすごしていると忘れてしまう大切なことを思い出させてくれる物語です。
人生は厳しいときもあるし、優しいときもある。
自分が弱ったとき、壁にぶち当たったときに、どうしたらいいか勇気づけてくれる本になるはず。
「今、辛いな」と思っている人におすすめです。
『おしょりん』
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【著者】藤岡陽子
【出版社】ポプラ社
号泣ポイント
新しいことに挑戦する勇気と、人生をかけてひとつのことを成し遂げる力
●あらすじ
新産業「めがね」に奮闘する兄弟の、あきらめない心とパワーに勇気をもらえる人生物語
●主人公は?
めがねで世界を変えた兄弟、兄の増永五左衛門と弟の幸八
物語の舞台は明治38年、福井県麻生津村。
ちょっと難しそうな本だなと思っちゃいますよね。
ページ数も338ページと多めです。
でも、藤岡陽子さんの作品に「はずれ」はありません!
読み始めると、困難ななかを生き抜こうとする兄弟の波乱万丈の人生が、ドラマをみているように展開され、夢中になって読んでしまうはずです。
ほとんど普及していなかった「めがね」に着目し、農業以外での村の新たな産業として、めがね製造を提案した兄弟は、村人たちの猛反対の中、二人は困難な道を歩み始めます。
新しいことに挑戦するのは、だれにも、勇気のいることです。
でも、一歩踏み出さなくては、何も始まらない!
兄弟の先を見抜く力と、あきらめない力、そして人を信じる力に、生きる勇気をもらえる人生物語です。
「めがね」にお世話になっているなら、ぜひ読んでおきたい!
そして、兄弟とひとりの女性をめぐる恋も描かれているので、ドキドキも味わえます。
長編小説なので、時間に余裕があるとき、「読書したい!」とフツフツと意欲がわいているときに読み始めるのをおすすめします。
☟映画化されています。
『空にピース』
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【著者】藤岡陽子
【出版社】幻冬舎
号泣ポイント
社会的に弱い立場の子どもたちへの愛
●あらすじ
なにがあろうとも、教師という仕事に希望をもてる物語
●主人公は?
都内の公立小学校に勤める女性教諭 教師になって5年目のひかり
みんな同じような能力があって、同じような境遇で、同じような考えをもっている
そんな子どもがひとつのクラスに集まっている、夢のような教室はない!
虐待、貧困といった現代の教育現場の問題が続々とでてくるのですが、暗さよりも、優しさや愛情、温かさを感じる、不思議な物語なんです。
さすが、藤岡陽子さん!
問題が複雑化した現代でも、先生が子どもに寄り添う気持ちは、今も昔も変わりません
そして、その先生を頼る子どもたちの可愛らしさ!も変わりません
教育問題だけでなく、教師という職業の魅力も書き出され、物語を通して子どもも教師にも「希望」がもてる作品になっています。
そして実はミステリー仕立てになっている、藤岡さんの作品には珍しい物語なんです。
『晴れたらいいね』
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【著者】藤岡陽子
【出版社】光文社
号泣ポイント
生き抜くことの大切さ、戦争の理不尽さと平和のありがたさ
●あらすじ
戦時中のマニラにタイムスリップしたら!?物語
●主人公は?
看護師の紗穂
世界で絶えることのない戦争。
だけど、どこか他人ごとのように感じていませんか?
そんな人たちにおすすめなのが『晴れたらいいね』です。
看護師の紗穂さんは、ある日の夜勤中に、1944年のマニラにタイムスリップしてしまうのです!
しかも、従軍看護婦として戦争に巻き込まれてしまいます。
紗穂は、過酷な戦争を生き抜けるのか?
そして、現代へもどってこられるのか?
物語を通して、戦争のすさまじさや、理不尽さを体感し、そしてそんな苦しみのなかにもある、人と人との繋がりや、愛がを感じ、命の大切さ、生きる希望をもてるありがたさが心に刻まれる感動物語です。
ドリカムの「晴れたらいいね」(物語にも出てきます!)を聞きながら、読みたい本です。
感動で号泣する藤岡陽子さんの紹介した本リスト
中学入試・高校入試でよく出題される藤岡陽子さんの小説のなかから、小学高学年から中学生、高校生におすすめ本を紹介しました。
お気に入りの本を見つけて、藤岡陽子ワールドを楽しんでください。
あなたの好みの本を選んで読んでみてね。
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