児童書、ヤングアダルト(YA)ブック、中学受験出題本のおもしろさにどっぷりにハマっている私が、おすすめしたい本を紹介します。
中学入試・高校入試で出題されることが多い村山早紀さんの本のなかから、小学高学年から中学生、高校生におすすめ本を紹介します。
入試で出題されるから難しい理解しにくい本かと思いきや、村山早紀さんの小説は、ファンタジーが多めで、とにかくやさしさにあふれているのが魅力です。
そして、物語の舞台が「風早街」というファンタジーの世界になっている本が多くあり、本と本の繋がりを発見しながら読むのも楽しみのひとつになっています。
お気に入りの本を見つけて、村山早紀ワールドに広がる感動を楽しんでください。
紹介した本の多くは、入試で出題されています。
1963年長崎県生まれ
児童文学作家
【参考:村山早紀wikipediaより】
『コンビニたそがれ堂』
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【著者】村山早紀
【出版社】ポプラ社
やさしさとファンタジーポイント
コンビニの店長と店員は人間じゃない!?
●あらすじ
無くしたもの、失ったもの、探しものがみつかる不思議なコンビニ物語
●5つの連作短編集
●主人公は?
コンビニ「たそがれ堂」の店長 風早三郎
●その他情報
シリーズ化されていている
2024年7月に最新刊が発売
無くしたあとに、大切さに気づくもの
もう取り返せないと思っているもの
何かを失うたびに、「ああすればよかった」「こうすればよかった」とイジイジ悩んだり、後悔したり。
失った悲しみをずっと心の奥底にしまっていたり、しませんか?
そんな人たちに、よいお知らせです!
なんと、大事な探し物が必ず見つかるという、魔法のコンビニがあるそうです
場所は、風早の街にある駅前商店街の外れ。目印は、赤い鳥居と稲穂のマーク。
さあ、どんな人たちがやってくるのでしょうか?
自分に似た人がいるかもしれません。
大切にしていたモノ、人への想いがつまった優しい物語で、心が癒されます。
そして泣けます。
ちなみに、人間だけではなく、神様や動物も登場するユニークなファンタジー物語です。
『百貨の魔法』
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【著者】村山早紀
【出版社】ポプラ社
やさしさとファンタジーポイント
デパートに現れる魔法がつかえる?猫
●あらすじ
「閉店」がウワサされるデパートで働く人たちとお客様の心温まる物語
●連作短編集
●主人公は?
星野百貨店で働くひとたち
そこに行くだけで幸せな気持ちになれる場所ってありますか?
物語の舞台は、街の人たちが愛してきたデパートです。
そのデパートがあるのは、ファンタジーの国風早の街ですから、何か不思議なことがおこるに違いまりません。
デパートは、時代の流れによって「閉店」の危機がおとずれていますが、愛されるデパートで働く人たちと、デパートを愛する人たちのもつ、優しさと温かさは変わりません。
さあ、愛のつまった星野百貨店に行ってみてください。(本を読んでみてください)
『魔女たちは眠りを守る』
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【著者】村山早紀
【出版社】KADOKAWA
やさしさとファンタジーポイント
数百年も生きる魔女たち
●あらすじ
長い間を生きる魔女のみてきた人間たちの物語
●主人公は?
黒猫をつれた若い魔女の七瀬と、カフェバー「魔女の家」を営む銀髪のやや高齢の魔女ニコラ
舞台は風早街。
そうです、あの不思議なコンビニや百貨店がある街です。
今回はその街に、魔女が現れます!
『魔女たちは眠りを守る』では、長い間を生きる魔女と、魔女からするとほんの身近な人生を送る人間とのふれあいが、物語を作り上げています。
生と死について考えてしまう、ちょっぴりの悲しさと切なさを感じる物語なのですが、でもそこにも、村山早紀さんの描く優しさがきちんとあります。
その優しさは、魔女よりも短くとも、「生きる」ことは決してムダではない、大切に生きたいと思わせてくれます。
読み終わった後に、自分のまわりにも、もしかしたら魔女がいるかもしれない、いや、いてほしいと思い始めてしまうはず。
『ルリユール』
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【著者】村山早紀
【出版社】ポプラ社
やさしさとファンタジーポイント
黒猫工房で働くルリユール(本の修復をする人)のクラウディアと黒猫たち
●あらすじ
本の修復が、人の愛も修復してくれる素敵なファンタジー物語
●主人公は?
中学生の瑠璃
またまた舞台は、風早街。
もう、私の今行ってみたい街ナンバーワンになっています。
風早街あるあるで、今回もファンタジーのある物語です。
主人公の瑠璃ちゃんが、すてきな洋館で出会ったのは、魔女のように本の修復をするルリユール職人のクラウディアと、人の言葉を話す黒猫たちです。
不思議な世界が広がっていますが、クラウディアに本に愛をこめて修復をお願いする人たちと、その想いを本にのせて、本をよみがえらすクラウディアの優しい気持ちが交わり合い、心地よく不思議な世界へ入りこめます。
大切なものを、大切な人たちへの未来へつなげていく。
読み終えた時、不思議さすら超えた「愛」が、温かくて心地よくて、幸せな気分になっているはずです。
『風の港』
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【著者】村山早紀
【出版社】徳間書店
やさしさとファンタジーポイント
空港での出会い
●あらすじ
空港を舞台にした心に傷をもつ人たちの物語
●空港でつながる4つの短編集
●主人公は?
夢やぶれた男性、書店で働く女性、33年ぶりに会う女友達、奇術師の老女
『風の港』と聞いて、私はてっきり海辺の物語だと思ったのですが、空港にまつわる物語集でした。
空港が好きな人、旅が好きな人におすすめの一冊です。
空港にある出発「departure」と、到着「arrival」には、毎日たくさんの人たちが行き来していて、そこではたくさんの出会いや別れ、旅立ちやが戻りが繰り返されています。
あの広々とした滑走路から飛行機が次々と飛び上がっていくのを見たり、人が行き交う活気にみちた空港内、旅立ちの前のちょっとした不安と気分が高まるワクワク感、旅から戻ったときの現実に引き戻された喪失感などなど。
空港は、普段とはどこか違う雰囲気が漂う空間です。
そう、空港は人間模様や、人々の感情がいりみだれするドラマチックな場所なのです!
空港で偶然会った人たちや、空港での不思議な体験をする人、戻ってきた空港で人生を振り返る人が『風の港』では描かれています。
特別な人生を送っている人ではない、心に傷をもっている(生きていればだれもが何かしら傷をもっていますよね)、なんだかすぐそばにいるような人たちの人生をのぞきこむように読める物語なので、多くの人たちが共感できるはずです。
そして、彼らの気持ちを和らげてくれる、ふんわりとやさしい風が心に響いてきます。
今は辛くて苦しくても、いつか「良い風」が吹くことを信じたい!
今まで紹介してきた村山早紀さんの本に比べると、大人向きな1冊です。
でも、村山早紀さんのやさしい言葉が紡ぐ小説ですので、小中学生や、高校生でも読みこなせると思いますよ。(おすすめは中高校生です)
『桜風堂ものがたり』
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【著者】村山早紀
【出版社】PHP研究所
やさしさとファンタジーポイント
1冊の本に関わる人たちがもつ本への「愛」
●あらすじ
ひとりの書店員の青年が、本と人の力で新たな一歩を踏み出していく本屋さん物語
●主人公は?
書店に勤める青年、月原一整
●その他情報
シリーズ化している
続編『星をつなぐ手—桜風堂ものがたり—』、最新刊は『桜風堂夢ものがたり』
本好きにはたまらない本があります!
本が好きな人たちなら、だれもが一度は憧れる書店員の仕事。
本屋さんがどんどん街から消えているので、そのうちに、幻の職業になってしまうのでしょうか?
そんな書店員の仕事の、あれこれ、裏側まで、そして書店員ならではの幸せや苦労などがのぞけてしまう物語が『桜風堂ものがたり』です。
主人公は、理不尽なことで心に傷を負った書店員の男性、月原一整です。
彼が新しく働きだした書店「桜風堂」は、本と人をやさしくつなげてくれます。
本の力、そして温かな人びとのやさしさや助けは、心に傷を負った人たちを癒し、元気づけ、新たな一歩を踏み出す勇気をくれるのです。
本が好きな人にはもちろんですが、本を読むのが苦手でめんどくさいと思っている人に、ぜひぜひ読んでほしい本です。
いつか、あなたが弱ったとき、困ったときに読んだ本が、やさしい人とあなたをつなげてくれるかもしれませんし、本があなたに何かを語りかけてくれるかもしれません。
村山早紀さんのやさしさあふれるファンタジー小説 紹介した本リスト
中学入試・高校入試でよく出題される村山早紀さんの小説のなかから、小学高学年から中学生、高校生におすすめ本を紹介しました。
お気に入りの本を見つけて、村山早紀ワールドを楽しんでください。
あなたの好みの本を選んで読んでみてね。
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