今日も一日疲れたな~、親はうるさいし、友だちとの関係には気を遣うし、勉強はおもしろくないし、部活では先輩がえばりくさっているし。
現実の世界にうんざり気味な日ってありますよね。
そんなときに、おすすめなのがファンタジー小説です!
タイムスリップしたり、架空の世界に迷い込んだり、モノがしゃべりだしたり、魔法使いがあらわれたり不思議がいっぱいなんです。
中学入試、高校入試で出題された本や、入試でよく出題される作家さんの本から選んだ、小学高学年・中学生におすすめファンタジー小説17冊を紹介します。
ファンタジーの世界へ入り込んでみてください。
中学入試・高校入試で出題された本がほとんどです
『月白青船山』
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【著者】朽木祥
【出版社】岩波書店
ファンタジーポイント!
鎌倉時代にタイムスリップ
●あらすじ
現代と過去をタイムスリップする歴史ファンタジーであり、さらには謎解き冒険小説
●主人公
中学2年生の兵吾くん、小学5年生の主税(ちから)君の兄弟と、小学5年生の鈴音ちゃん
『月白青船山』は、一見、難しそうなタイトルで「おもしろいのかな?」と疑ってしまうかもしれませんが、なんとタイムスリップあり、冒険あり、ミステリーありのファンタジー小説なんです。
3人の少年少女がタイムスリップするのは、鎌倉時代。
そこは、時間が止まってしまっている鎌倉の”とある場所”にワープしてしまいます!
え~、この後3人はどうなるの、現代にもどれるの?
鎌倉時代ってどんな感じなんだろうか?
頼朝の娘の悲恋、不思議な光る白猫、瑠璃という石を見つければ救われる星月谷とファンタジーのなかにミステリー、さらに鎌倉の歴史が組み合わさって、面白さ倍増です!
読めば読むほど、ワクワクがとまりません。
『晴れたらいいね』
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【著者】藤岡陽子
【出版社】光文社
ファンタジーポイント!
戦時中のマニラにタイムスリップ!
●あらすじ
戦時中のマニラにタイムスリップしたら!?物語
●主人公
看護師の紗穂
世界で絶えることのない戦争。
だけど、どこか他人ごとのように感じていませんか?
そんな人たちにおすすめなのが『晴れたらいいね』です。
看護師の紗穂さんは、ある日の夜勤中に、1944年のマニラにタイムスリップしてしまうのです!
しかも、従軍看護婦として戦争に巻き込まれてしまいます。
紗穂は、過酷な戦争を生き抜けるのか?
そして、現代へもどってこられるのか?
物語を通して、戦争のすさまじさや、理不尽さを体感し、そしてそんな苦しみのなかにもある、人と人との繋がりや、愛がを感じ、命の大切さ、生きる希望をもてるありがたさが心に刻まれる感動物語です。
『陽だまりの彼女』
【著者】越谷オサム
【出版社】新潮社
ファンタジーポイント!
恋人の真緒には秘密があった!
●あらすじ
中学時代クラスメイトだった真緒と浩介の、ピュアで不思議な恋愛物語
●主人公
社会人(若手)の浩介
中学時代「変わった女子」「学年有数のバカ」といわれていた真緒が、大人になったら「モテ女子」に大変身していた!
中学時代から真緒に淡い恋心を抱いていた浩介は、真緒とつき合い始めます。
お、これは恋愛物語にありがちな展開だなと思いきや、どうも妙なことが次々と起こるのです。
なぜなら、真緒には秘密があったのです!
浩介と真緒の幸せな日々は続くのでしょうか?
そして、真緒の秘密とは?
ふたりの互いを想い合う、愛おしい気持ちがあふれでた、不思議な不思議な恋愛物語です。
☟2013年映画化されています
『かがみの孤城』
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【著者】辻村深月
【出版社】ポプラ社
ファンタジーポイント!
鏡のなかの世界
●あらすじ
鏡の中に入りこんでしまった7人の少年少女が、願い事が叶うという「カギ」を探す日々の物語
●主人公
中学1年生のこころちゃん
鏡のなかにうつる自分をじっと見ていると、なんだか変な気分になりませんか?
別の自分が鏡の中に存在しているような。
鏡の中の自分から話しかけられているような。
そんな神秘的な鏡の中に入りこんでしまったら、そこにはお城があり、不思議な少女オオカミさまがいて、さらには同じ年代の少年少女が6人もいた!
もう、物語の設定を聞いただけでもワクワクしてしまいますよね。
しかも『かがみの孤城』は、ただのファンタジー物語ではなく、それぞれ特別な事情があり悩みを抱えた少年少女たちの成長物語にもなっているのです。
鍵は見つかるのか?
7人が集められ理由とは?
7人それぞれが抱く〈人に言えない願い〉とは?
オオカミさまとは誰なのか?
あなたも鏡の中の世界をのぞいてみてください。
☟映画化されています
☟小学生が読みやすい児童書版もあります
『家守奇譚』
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【著者】梨木香歩
【出版社】新潮社
ファンタジーポイント!
日常に潜む怪奇現象
●あらすじ
連作短編集
当たり前のように、ふつうに、不思議な現象が次から次へと展開されていく物語
●主人公
行方不明?(亡くなっている)の友人の家に住み、屋敷と庭の管理を任されている綿貫征四郎
●その他情報
続編あり『冬虫夏草』
普通の生活を送っている男性の日常と思いきや……。
会話ができる庭の草木、河童、人魚、化ける狸、小鬼、マリア様、竜、亡くなった友といった怪奇現象が、当たり前のようにスッと男性の日常に現れるのです。
「キャー!怖い」というよりも、不思議だけど、どこか静寂で美しく、それなのに、にぎやかな楽しさすら感じてしまうのです。
この不思議な世界観をぜひぜひ味わってほしい!
一編が6ページくらいの短さなので、通学時間や、朝読書におすすめの一冊です。
『カラフル』
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【著者】森絵都
【出版社】文藝春秋社
ファンタジーポイント!
別人になって生き返る!
●あらすじ
生き返るためのチャンスをつかめ!別人の人生を送るなかで、自分を見直す本当の自分発見物語
●主人公
中学3年生の少年「小林真」の体にホームスティする、ぼく
「おめでとうございます! 抽選にあたりました! 」
ぼくが当たったのは、なんと、天使業界の輪廻サイクル抽選だった!
中学三年生の少年小林真の体にホ-ムステイし、生前の罪を思い出すことができればなんと蘇生のチャンスが与えられるというのです。
この物語の設定だけでも、興味がわいてくる本です。
真として生きるぼくは、罪をみつけ、見事に蘇生できるのでしょうか?
この本はもう何十年にもわたって、読み継がれている名作です。
読んでなかったら、損している!といっても過言ではありません。
ぜひ読んでみてくださいね。
『コンビニたそがれ堂』
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【著者】村山早紀
【出版社】ポプラ社
ファンタジーポイント!
コンビニの店長と店員は人間じゃない!
●あらすじ
5つの連作短編集
無くしたもの、失ったもの、探しものがみつかる不思議なコンビニ物語
●主人公
コンビニ「たそがれ堂」の店長 風早三郎
●その他情報
シリーズ化されていている
2024年7月に最新刊が発売
無くしたあとに、大切さに気づくもの
もう取り返せないと思っているもの
何かを失うたびに、「ああすればよかった」「こうすればよかった」とイジイジ悩んだり、後悔したり。
失った悲しみをずっと心の奥底にしまっていたり、しませんか?
そんな人たちに、よいお知らせです!
なんと、大事な探し物が必ず見つかるという、魔法のコンビニがあるそうです
場所は、風早の街にある駅前商店街の外れ。目印は、赤い鳥居と稲穂のマーク。
さあ、どんな人たちがやってくるのでしょうか?
自分に似た人がいるかもしれません。
大切にしていたモノ、人への想いがつまった優しい物語で、心が癒されます。
そして泣けます。
ちなみに、人間だけではなく、神様や動物も登場するユニークなファンタジー物語です。
『つめたいよるに』
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【著者】江國香織
【出版社】新潮社
ファンタジーポイント!
夢をみているかのような不思議な体験ができる
●あらすじ
小学生のリアルな日常、タイムスリップ系の不思議な出来事などなどが書かれた短編集
●主人公
小学生から大人の女性まで、さまざまな人たち
2001年センター試験「国語Ⅰ」で号泣者が多数でたという、伝説ともいえるセンター試験の問題文が江國香織さんの短編「デューク」です。
「デューク」は、『つめたいよるに』という本に入っている短編です。
この『つめたいよるに』にはたくさんの短編がはいっていますが、なかには現実ではありえない!?不思議な物語があります。
犬が亡くなった次の日の不思議な出来事「デューク」
「夏のすこしまえ」中学生に戻った?洋子は本当はいくつ?
「桃子」修行僧と小さな女の子の物語
「草之丞の話」お母さんと庭で話をしているお侍さんはだれ?
などなどの、不思議な短編が多数はいっています。
『つめたいよるに』は、ごく普通のリアルな現実の物語の間に、はさまって不思議な物語があるので、現実のなかに密やかにひそむ秘密ぽくて、ちょっとワクワクしちゃうのです。
江國香織さんの描きだす、みずみずしくて不思議な物語の雰囲気を心で感じてください。
子どもの感性にビビビと響く物語集です。
*中には、大人向けの短編もあるので、子どもが読む前に、親御さんに読んでほしくない短編をみてもらうのがおすすめかも。
「藤島さんの来る日」「冬の日、防衛庁にて」などは、子どもにはわからないはず。
『図書館からの冒険』
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【著者】岡田淳
【出版社】偕成社
ファンタジーポイント!
小学校の図書館から不思議な島へワープ!
●あらすじ
少年が、図書室からワープした島で、気持ちの悪い生き物に立ち向かう大冒険ファンター小説
●主人公
小学校6年生の渉
●その他情報
桜若葉小学校シリーズあり『カメレオンのレオン』『小学校の秘密の通路』『夜の小学校で』『森の石と空とぶ船』
「桜若葉小学校」には大きなクスノキがあり、そこから向こうの世界に行き来できる
学校の図書館から、不思議な島へワープする!
もうそれだけで、ワクワクしてしまいますが、さらに、その島は嵐と地震に悩まされていて、不気味な悪い生き物もいるというのです。
少年は、島で出会った少女と島を救おうとするのですが。
恐ろしい島に変えていた原因は、実は……。
ファンタジーでありながらも、現実の人間社会にはこびる富と欲、環境問題などが関り待ってくるのです。
ドキドキ、ハラハラ、驚き、恐怖、楽しさの連続する物語展開に、読書が苦手な人でも、飽きることなく読めるはずです。
『ペンギン・ハイウェイ』
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【著者】森見登美彦
【出版社】KADOKAWA
ファンタジーポイント!
郊外の住宅地にペンギンの集団が現れる!
●あらすじ
住宅街に現れたペンギンの謎など、日常に起こった不思議な現象を研究する少年の物語
●主人公
自称?頭の良い小学4年生のアオヤマ君
「ペンギン・ハイウェイ研究」をはじめ、主人公のアオヤマくんは、不思議な現象にぶつかるたびに、ノートを開き、ノートをつかって研究をはじめるのです。
「へんな小学生だな~」と思うかもしれませんが、なんでも理論的に考え行動するアオヤマ君ですが、一方で、夜の歯磨きを忘れちゃったり、歯医者さんに勤めるおねえさんにほのかな恋をしたりと、キュートな面も多いんです。
そして、熱心に研究をしても、謎を解き明かせないこともある人生の理不尽さに、無力感を感じる大人ぽさも持ち合わせています。
ファンタジーたっぷりの物語ですが、アオヤマくんはリアルに魅力的です。
友だちとの冒険のようにすすめる、彼の研究もリアルに面白い!
さあ、さっそくアオヤマ君に会いたくなりませんか?
☟2018年に映画化されています
『だれも知らない小さな国―コロボックル物語 1』
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【著者】佐藤 さとる
【絵】村上 勉
【出版社】講談社
ファンタジーポイント!
小さな小さな国に住む種族、コロボックル!
●あらすじ
日本のすぐそばにある小さな国の物語
●主人公
はじまりは小学3年生のぼく のちに大人になりコロボックルたちから「セイタカさん」と呼ばれる
●その他情報
シリーズ化している
有川浩さんが書く有川版のコロボックル物語『だれもが知ってる小さな国』がある
驚きはこの『だれもしらない小さな国』が出版されたのは、なんと1959年!
あなたのお父さんやお母さんも生まれていないんじゃないかな?
それからずっと読み継がれているロングセラーの名作本なんです。
小さなころに見かけた身長3cmほどの小さな種族「コロボックル」を守るために、大人になった人間の「セイタカさん」が、コロボックルの国をつくり守っていこうと決心します!
どんな国になるのでしょうか?
「セイタカさん」とコロボックルは無事に国を作り上げられるのか?
ワクワクしてしまいますよね。
さらに、ワクワクは続編へと繋がり「コロボックル物語」はシリーズ化しています。
そして、さらにさらに2015年、「コロボックル」は新たな作者、あの有川浩さんの手によって、新しい物語『だれもが知ってる小さな国』が始まっているのです。
長くたくさんの人たちに愛されているファンタジー物語を読まないなんて損しちゃいます!
『18枚のポートレイト 柏葉幸子小品集』
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【著者】柏葉幸子
【出版社】理論社
ファンタジーポイント!
人と人を結ぶ不思議な生き物たち
●あらすじ
18の短編小説
不思議な現象のなかにも、人と人との大切な関り合いが書かれた物語集
●主人公
少年少女から大人まで、さまざまな人たち
柏葉幸子さんが、長い間書かれてきた不思議な物語が1冊の本になりました!
鬼や、魔女、かっぱ、きつね、神さま、雪だるま、お地蔵様
日常にふと現れる不思議な世界は、怖いのかな?と思いきや、なんだか、おもしろい!
あまりにも日常に溶けこんだ不思議さに、なんだか自分も同じような体験をするのではと思ってしまいます。
また、驚きたっぷり物語のほかにも、東日本大震災を題材にした作品や、心にギュッと響く感動物語もあるので、飽きることなく読みきれます。
ファンタジー小説初心者に、ぜひおすすめの一冊です。
『あずかりやさん』
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【著者】大山淳子
【出版社】ポプラ社
ファンタジーポイント!
モノが物語を語りだす!
●あらすじ
あずかりものに隠された秘密に心打たれる、ファンタジー感動小説
●主人公
目の見えない青年桐島透、「あずかりやさん」の店主
●その他情報
シリーズ化している
2024年1月第5弾が発売
「一日百円で、どんなものでもあずかります」と言われたら、なにを預けますか?
大事なモノを預けようかな?
失敗したテストを預けようかな?
お店には、毎日のように「秘密のモノ」を預ける人たちがぞくぞくやってきます。
どんな人が、どんなものを預けにくるのか、気になりませんか?
さらに不思議なことに、人間ではないものたち(のれんだったり、ガラスケースだったり、自転車だったり)が、物語を語り始めるのです。
人の秘密をのぞくような、興味しんしんの気持ちで読み始めたら……。
意外や意外、なんだか胸がいっぱいになる、やさしい、心あたたまるストーリーに「読んでよかった」と大満足できるはずです。
『十年屋 時の魔法はいかがでしょう? 』
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【著者】廣嶋玲子
【出版社】静山社
ファンタジーポイント!
いろんな魔法使いが登場する
●あらすじ
魔法でモノを預かりますという、魔法ファンタジー小説
●主人公
時の魔法使い「十年屋」のマスター
●その他情報
シリーズ化している
作者は、あの人気シリーズ「銭天堂」を書いている廣嶋玲子さん。
となれば、もう、まちがいなく面白いでしょう!と、読む前からワクワクしてしまいますよね。
期待を裏切らず、おもしろい!
「忘れたくても忘れられない大切なもの、思い出と一緒に、魔法でお預かりします――」という、魔法使いがマスターのお店「十年屋」が舞台になった物語です。
マスターだけでなく、たくさんの魔女が出てくるファンタジー小説なのですが、逆に、お店を訪れる人たちは身近にいそうなリアル感があるので、本の世界観に入りこみやすいです。
心あたたまる物語もあれば、シビアな現実をつきつけられることもあり。
一長一短でいかない物語になっているのが、子どもでも面白く感じられるはずです。
『むすぶと本。『さいごの本やさん』の長い長い終わり 番外編』
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【著者】野村美月
【出版社】KADOKAWA
ファンタジーポイント!
本の声が聞こえる青年と、その恋人の「本」夜長姫!
●あらすじ
連作短編集
本の声が聞こえるという不思議な高校生が、悩める人たちを本のパワーによって元気にさせる物語
●主人公
高校生、榎木むすぶ君
●その他情報
シリーズ化している
本の声が聞こえるという不思議な高校生榎木むすぶよりも、ファンタジー感たっぷりなのは、実は榎木君の恋人なんです!
なんと、榎木くんの恋人は「本」なのです!
姿?は「本」でも、中身は人の目には見えない少女で夜長姫と呼ばれています。
この、不思議な不思議な夜長姫は、人には見えない小さな少女で、いつも彼の胸ポケットに入っています。そして性格は、気位が高くて嫉妬深いのです。
不思議カップルなのですが、榎木くんが、ちょこちょこと夜長姫と会話をするシーンは、どこか恐妻カップルを連想させるおもしろさがあります。
設定はファンタジーたっぷりですが、物語は現実的。
リアルな悩みをもつ人たちと「本」を結びつけて、「本のパワーで新しい一歩を踏み出せる」成長・再生物語です。
読むと元気になれますよ。
特に、本が好き、読書が好きな人におすすめです。
『鎌倉うずまき案内所』
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【著者】青山 美智子 (著)
【出版社】宝島社
ファンタジーポイント!
クルクルがたくさん!鎌倉にある「案内所」
●あらすじ
平成時代を6年ごとに巻き戻していく6つの短編集
鎌倉にある「案内所」に迷い込む、人生にお悩み中の人たちの物語
●主人公
ユーチューバーを目指す息子にお悩み中の母親、友達との関係に悩む中学生など、人生にグルグル悩んでいる人たち
前髪と「もみあげ」がクルクルの双子のおじいさんがいて、所長はクルクル巻貝のアンモナイトという、なんとも不思議な「案内所」が、鎌倉にあるというのです!
その「案内所」は地図にものってない、どう行けばいいのかもわからないけれど、人生に悩み中の人は気づくとそこに入りこんでしまいます。
えー!そこで何が起こるんだろう?と不安になってしまいますが、なんと、その「案内所」は迷いこんだ人たちの心のグルグルを、そっと巻き戻してくれるとっても不思議な場所なんです。
夢をみてるような気分になり、前向きになれるステキな「案内所」、ちょっと行ってみたいです。
『しずかな魔女』
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【著者】市川朔久子
【出版社】岩崎書店
ファンタジーポイント!
物語のなかの、もうひとつの物語
●あらすじ
なじみの司書さんからすすめられた物語「しずかな魔女」を読んだ少女が、本当の自分を取り戻していく物語
●主人公
学校に行けなくなり、図書館に通っている、中学1年生の草子ちゃん
自分の気持ちをはっきり言えない、自分に自信がない、学校で過ごす自分はにせものだ、自分は弱虫だ
そんな「自分がきらいだ」と思っている人におすすめしたい本です。
この物語には、もうひとつの物語「しずかな魔女」が入りこんでいます。
その「しずかな魔女」こそが、ふたりの小学生ひかりちゃんと野枝ちゃんが過ごす、不思議がつまったキラキラしたまぶしい夏休みの物語なのです。
魔女になったら、魔法で自分を変えられるのかな?
魔女になるために必要なこととは何?
草子ちゃんと一緒に、不思議な物語の世界へ入り込んでみませんか。
『八月の御所グラウンド』
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【著者】万城目学
【出版社】】文藝春秋社
ファンタジーポイント!
京都の街に死んでしまった人たちが現わる!
●あらすじ
京都で体験する不思議な現象物語
中編小説2編
①女子高校駅伝物語「十二月の都大路上下ル」
②野球物語「八月の御所グラウンド」
●主人公
①超絶方向音痴方向音痴の女子高校生、サカトゥー
②1日おきに早朝野球大会への出場する大学生の巧
●その他情報
続編あり『六月のぶりぶりぎっちょう』
歴史ある都市、京都というと、なにやら人間だけじゃない、不思議な世界と繋がっているような感じがしませんか?
特に関東地方の人たちにとって、京都という場所は、憧れの地であり、長い歴史が育んできた独特の文化や、雰囲気をかもしだしている街です。
そんな京都では、不思議な現象がおこっても、そう驚くことはありませんし、怖いと感じることもないのです。
現代にいることのない歴史上の人(人たち)や、現世に未練があるだろう人たちが、目の前にあらわれても、なぜか、「京都なら仕方ないかな、または当たり前か」と思ってしまう、無意識の納得のファンタジーが京都には存在する気がします。
下手すると、ファンタジーなのかと気づかずに、終わってしまうかもしれないファンタジー小説です。
☟作者の万城目学さんのつぶやき(どこの学校の問題なんだろうか?)
入試問題に採用された「十二月の都大路上下ル」、「まっすぐ進んで、一回だけ右!」と主人公がタスキを渡される場面で傍線が引かれ、ここでどんな問題が作れるの? と不思議に思って頁をめくると、駅伝コースマップが印刷され、主人公が走るコースはどれ? と選ばせる超アクロバティックな出題でした。
— 万城目学 (@maqime) March 4, 2024
ファンタジー小説【入試出題本多め】小学高学年・中学生におすすめリスト
中学入試、高校入試で出題された本、入試でよく出題される作家さんの本から選んだ、小学高学年・中学生におすすめファンタジー小説17冊を紹介しました。
あなたの気に入ったファンタジーの世界へ入り込んでみてください。
気になる本があったら、どんどん読んでみてね。
鎌倉時代にタイムスリップ
戦時中のマニラにタイムスリップ!
秘密のある彼女との不思議な恋
鏡のなかの世界
日常に潜む怪奇現象
別人になって生き返る!
コンビニの店長と店員は人間じゃない!
夢をみているかのような不思議な体験ができる
小学校の図書館から不思議な島へワープ!
郊外の住宅地にペンギンの集団が現れる!
小さな小さな国に住む種族、コロボックル!
人と人を結ぶ不思議な生き物たち
モノが物語を語りだす!
いろんな魔法使いが登場する
本の声が聞こえる青年と、その恋人は「本」夜長姫!
クルクルがたくさん!鎌倉にある「案内所」
物語のなかの、もうひとつの物語
京都の街に死んでしまった人たちが現わる!
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