花や植物、農業に興味がある小学高学年や中学生におすすめ!
逆に、花や植物、野菜を育てたことがない、土に触ったことがない、畑や田んぼをみたことがないといった小学生や中学生にも、ぜひ読んでほしい小説本を集めてみました。
中学入試・高校入試で出題された小説のなかから、小学高学年・中学生におすすめの花・植物・農業に関する小説12冊紹介します。
植物や花、野菜を育てるって、難しいからこそ面白い!
『花屋さんが言うことには』
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【著者】山本幸久
【出版社】ポプラ社
花・植物・農業ポイント
「愛」をこめて選ぶ花
●あらすじ
連作短編小説
花屋で働き始めた女性が、仕事仲間やお客様、そして花を通して自分をみつめなおし成長していく物語
●主人公
ブラック企業を辞めて花屋で働き始めた紀久子、24歳
大人になっても、人生に迷い中の人って、けっこうたくさんいるんです。
主人公の紀久子さんは24歳で大人ですが、人生に悩み中で、まだまだ自分が自分でわかっていない女性なので、中学生くらいでも気持ちはわかりやすく共感できる部分もたくさんあるはずです。
花屋を訪れる人、花屋で働く仲間たちにも、それぞれ悩みがあり、人生いろいろです。
悩める彼らが、だれかのために、弱っている自分のために、相手(自分)を想いながら花を選んで贈るのは、花だけじゃなくて「愛」も一緒に贈っているのです。
物語中には、花にまつわる短歌や、花言葉がちょいちょい組み込まれていて、花に興味をもつキッカケにもなります。
本を読めば、花に詳しい素敵な人になれるかもしれません!
『ハーベスト』
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【著者】花里真希
【出版社】講談社
花・植物・農業ポイント
花と野菜がひとつの花壇に植えられたポタジェガーデン
●あらすじ
自分に自信がないおとなしい少年が、園芸部の仲間や活動を通して成長していく青春物語
●主人公
中学1年生の朔弥
思ったことをきちんと話せない、人に伝えられない、人と話すのが苦手な朔弥くんは、学校でも、家庭でも人との関りをなるべく避けていたのに。
ひょんなきっかけで入部した「園芸部」
そこには、彫の深い顔立ちをしてちょっと怖い西森くんと、なぜかいつもうす汚れたユニコーンのぬいぐるみを抱えたアメリカからの帰国子女の先輩アズサしか部員はいなかった!
へんな部活に入っちゃったのかも……。
でも、朔弥くん「園芸部」の活動をとおして、花のこと植物のこと、虫のことはもちろん、人間関係や生き方などなど、たくさんのことを学んでいきます。
「園芸部」おすすめです!
『勿忘草をさがして』
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【著者】真紀涼介
【出版社】東京創元社
花・植物・農業ポイント
ミステリーと植物の融合
●あらすじ
5編の連作短編小説
植物のもつ生きる力に励まされ、植物を通じて知った人の優しさで、少年が成長していく青春ミステリー
●主人公
訳あってサッカー部を辞めてしまった高校生2年生の航大
熱中していたサッカー部を不本意なかたちでやめてしまった航大くんは、ふとしたことから、おしゃべりなお婆さんと、その孫の無愛想な植物好きの大学生拓海と知り合います。
そして航大くんは、拓海くんと一緒に、日常のちょっとした謎を解くようになるのですが。
その謎解きは変わっていて、金木犀、ガザニア、沈丁花、勿忘草といった身近な草花が持つ性質から、謎を解明していくのです!
サッカーをしていたら知りえなかっただろう彼らや、植物たちとふれあいながら、航大くんは今までの人間関係を見直し、自分自身と向き合うようになっていきます。
謎の真相からは驚きとやさしさ、そして植物のさわやかさと生命力を感じられる物語です。
『植物図鑑』
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【著者】有川浩
【出版社】幻冬舎
花・植物・農業ポイント
おいしい植物と恋
●あらすじ
イケメン植物オタクとの、風変わりな恋愛小説
●主人公
会社員のさやか
夜に思わず拾ってしまった?家事万能のイケメンと始まる同居生活!
女子が夢見るような物語のスタートですが。
謎のイケメン「イツキ」は、植物オタクだったのです。
イツキと近所の河川敷野草採集(「狩り」)自分たちで採取し、ふきのとうの天ぷらやふきの混ぜご飯、つくしの佃煮をイツキが料理する。
そんなことに幸せを感じるようになっていく、さつき。
でも、名前しかしらないイツキとの関係は、このまま続いていくのでしょうか?
イツキはいったい何者なんでしょうか?
☟2016年に映画化されています。
『チイの花たば』
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【著者】森絵都
【絵】たかおゆうこ
【出版社】岩崎書店
花・植物・農業ポイント
花たばに込めた想い
●あらすじ
5つの連作短編集
お花屋さんになりたい少女の物語
●主人公
チイちゃん
●その他情報
児童書
きれいなお花、カワイイお花、色とりどりの花を見て、お花屋さんになりたいなと思ったことのある人いませんか?
チイちゃんもそんな、お花屋さんになりたい少女です。
チイちゃんは、おばあちゃんのようなお客さまに喜んでもらえるお花屋さんになりたいのです。
おばあちゃんによると、お花屋さんになるためには「花から試される時」がくるというのですが。
ダリア、コスモス、チューリップ、ツユクサ、リンドウ、サイネリア、カーネーション、バラ、タンポポ、ヒマワリ、ガーベラ、などなどの花から、お客さま(動物)に合わせた花束をつくります。
やぎのユキオくん用の「海の花束」とは?
ぞうの青年のプロポーズ用の花束とは?
チイちゃんの花束は喜んでもらえるのでしょうか?
お花屋さんになれるのでしょうか?
可愛らしい絵がたっぷり入った素敵な本です。
『女神のサラダ』
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【著者】瀧羽麻子
【出版社】光文社
花・植物・農業ポイント
大切な人・モノを思い出させてくれる野菜
●あらすじ
8つの短編小説
農業にまつわる愛とおいしさがつまった物語
●主人公
シングルマザー、農家の嫁、女社長など8人の女性
人生の壁にぶつかっている人におすすめです。
そして、野菜が大好きな人には、ぜひ読んでほしい!
今日あなたが食べた野菜にも、その野菜が作られた背景があります。
野菜を育てる、野菜を食べる、そして野菜の思い出
野菜たちが、悩める女性たちを励ましてくれます!
ちょっとしたことをキッカケに、見方を変えてみれば。
農業という自然と人間を結び付ける農業のパワーで、成長していく女性たちが、頼もしくカッコいいのです。
『天地ダイアリー』
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【著者】ささきあり
【出版社】フレーベル館
花・植物・農業ポイント
仲間で育てる植物
●あらすじ
栽培委員会の個性的なメンバーの青春成長物語
●主人公
中学1年生の木下広葉くん
●その他情報
残念ながら紙媒体では中古本のみ
主人公の広葉くんは、自分を守るためにマスクは必需品という、軽度のマスク依存症。
そんな彼は、当たり障りのない無難な、栽培委員会を選んだつもりでしたが……。
委員のメンバーは、驚くほど個性的だった!!
広葉くんのマスクなんて、かわいいもので、強烈な被り物をした少年が登場します。
広葉くんは、無事に栽培委員をつとめられるのか?
植物を育てること、そして植物の生長が、広葉くんにどんな変化をもたらすでしょうか?
ちなみに、この『天地ダイアリー』が出版されたのは、2018年でコロナ前です。
コロナ禍を過ごしてきたあとなら、マスク依存症なんて目立たなかったのに!
ちょっとした時代で「当たり前」「普通」が、特別なものになったりするんだな~と、まずは思ってしまいました。
マスク依存なんて、かわいいもので、栽培委員には驚きのキャラクターが登場するので、ぜひ読んでほしい本です。
にしても、マスクをつけていると「安心」って、なんだか共感できませんか?
『生きるぼくら』
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【著者】原田マハ
【出版社】徳間書店
花・植物・農業ポイント
さまざまな問題を乗り越えて作る、生きるための稲!
●あらすじ
引きこもり人生を抜け出すため、稲作に奮闘する青年の成長物語
●主人公
麻生人生、24歳
表紙の絵、白い馬が駆け抜ける姿、美しいですよね~。
東山魁夷さんの作品です。
といっても、この本『生きるぼくら』は、美術に関係する本ではありません。
今の行き止まりの人生から抜け出したい、今もうれつに孤独を感じている人におすすめの本です。
主人公の人生くんに、人生最大のピンチが訪れることから物語は始まります。
引きこもり生活中だったなか、唯一の家族であり、命綱だった母親が家出をしてしまったのです!
これからどうやって暮らしていけばいいのか悩んだ人生くんは、祖母が住む蓼科に向かうのですが、久しぶりに会った祖母は認知症のため、人生のことをすっかり忘れてしまっていました。
さらには、祖母は見知らぬ女の子と暮らしていたのです。
どうする?人生!
生きるため、祖母の田んぼで稲作に挑戦し始める人生くんですが、そう簡単に稲を収穫できるのでしょうか?
引きこもり、就職難、農業の担い手の少なさ、過疎化する地方、認知症への理解、孤独な老人や、孤独な子どもの存在、片親家族の抜け出せない貧困など、社会にひそむ問題がてんこ盛りに詰まった、読みごたえたっぷりの物語です。
温かい人間関係こそが最大の肥料となり、生まれ育つ、人間の生きる力の力強さに感動できます。
『ひゃっか! 全国高校生花いけバトル』
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【著者】今村翔吾
【出版社】文響社
➡文庫本は【角川春樹事務所】から出版されています
花・植物・農業ポイント
たたかう「生け花」
●あらすじ
5つの短編集
「生け花バトル」に挑む高校生の青春物語
●主人公
高校2年生、大塚春乃ちゃん
☟作者、今村翔吾さんのつぶやき
某私立中学校の入試の国語に『ひゃっか!』が採用されたとのこと。作者が解けないとかいう噂を聞いて「またまたー」と解いてみたのですが……一つ答えを選択する問題で、
「2つから絞り込めねぇ!!」となりました(苦笑)
どっちもいけそうなんですけど、敢えていうとこっちかな程度で不安。— 今村翔吾 (@zusyu_kki) April 12, 2020
「全国高校生 花いけバトル」(ルール:その日初めて見た花材を使い、観客の前で5分間で生ける)に出場したい!
華道同好会ただ一人の部員の春乃ちゃんは、まずはペア探しからスタートです。
彼女がペアの相手に選んだのは、山城貴音くん。
でも、思春期の男女となれば、意見は合わないし、お互いを理解するのもたいへん。
「生け花」よりも、難しいかも……。
そんな問題だらけの男女コンビが挑む、「花いけバトル」をかけた熱き青春の輝きが楽しめます。
『ハジメテヒラク』
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【著者】こまつあやこ
【出版社】講談社
花・植物・農業ポイント
「生け花」から学ぶ生き方
●あらすじ
生け花部に入部した中学生の成長物語
●主人公
中学1年生、綿野あみちゃん
ひそかな趣味は脳内実況
生け花って、経験したことありますか?
経験者ならわかると思うけれど、生け花って、無駄な葉や枝を切って、スッキリした花を、どれだけ美しく見せるかが勝負なんです。
その生け花の精神を、自分の心に照らし合わせてみると、どうでしょう?
生け花と同じように、ムダなモヤモヤした心にあるものを、葉や枝を切るように捨てていくと、あなたの心に残るのは何でしょうか?
自分のやりたいことや目指すモノがスッキリと現れてくるのではないでしょうか。
生け花の考え方って、人間の生き方にも通じるものがあるんです。
あみちゃんが入部した生け花部では、文化祭で「生け花ショー」を行うことになり、あみちゃんは今まで脳内実況していたことを、しっかりと口にだして、生け花の実況することになります。
さあ、あみちゃんはマイクをもって、どんな言葉を発するのでしょうか?
『ストロベリーライフ』
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【著者】荻原浩
【出版社】毎日新聞出版社
花・植物・農業ポイント
いちご作りが教えてくれる人生
●あらすじ
家業のいちご農園を継ぐべきか?人生の岐路にたつ男性の人生再生物語
●主人公
東京で働く望月恵介 妻子あり 独立したグラフィックデザイナー
●その他情報
2017年度、青少年読書感想文全国コンクール<高校生の部>の課題図書に選ばれている
父親が倒れた!
実家のつぶれかけのイチゴ農家は廃業の危機に!
農業とはまったく別の仕事をもち東京で働いていて、養うべき妻と子どがいる、長男の恵介は人生の決断を迫られるのです。
つぶれかけたイチゴ農家の再起を賭けた恵介ですが、新しい人生に歩み出す恵介と家族は、どうなっていくのでしょうか?
そう簡単に、イチゴは育つのでしょうか?
そして、恵介がほんとうにやりたいことは何なのでしょうか?
本当に困ったときに、悩んだときにこそ、自分の人生を真剣に考えるキッカケになります。
悲しいけれど、人間ってそんなことがないと、人生になかなか真剣に向き合えないものです。
『家守奇譚』
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【著者】梨木香歩
【出版社】新潮社
花・植物・農業ポイント
話しかけてくる草花
●あらすじ
連作短編集
不思議な現象が次から次へと展開されていく物語
●主人公
行方不明?(亡くなっている)の友人の家に住み、屋敷と庭の管理を任されている綿貫征四郎
●その他情報
続編あり『冬虫夏草』
普通の生活を送っている男性の日常物語と思いきや……。
会話ができる庭の草木、河童、人魚、化ける狸、小鬼、マリア様、竜、亡くなった友といった怪奇現象が、当たり前のようにスッと男性の日常に現れる不思議な物語。
「不気味な本だな」と思うかもしれませんが、なぜか、どこか静寂で美しく、それなのに、にぎやかな楽しさすら感じてしまう、奇妙な世界が広がっているのです。
この不思議な世界観を、ぜひぜひ味わってほしい!
一編が6ページくらいの短さなので、通学時間や、朝読書にもピッタリのおすすめの一冊です。
花や植物、農業に関する小説【入試出題本】小学高学年・中学生におすすめリスト
中学入試・高校入試で出題された小説のなかから、小学高学年・中学生におすすめの花・植物・農業に関する小説12冊紹介しました。
花や植物、農業に興味がわく1冊になりますように。
気になる本があったら、どんどん読んでみてね。
「愛」をこめて選ぶ花
花と野菜がひとつの花壇に植えられたポタジェガーデン
ミステリーと植物の融合
おいしい植物と恋
花たばに込めた想い
大切な人・モノを思い出させてくれる野菜
仲間で育てる植物
さまざまな問題を乗り越えて作る、生きるための稲!
たたかう「生け花」
「生け花」から学ぶ生き方
いちご作りが教えてくれる人生
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