【中学入試で出題された】おいしい小説を紹介します。
中学入試で出題されたというと、堅苦しい物語を思いうかべる人もいるかもしれませんが、意外にも「おいしい小説」がたくさん出題されています。
本を読むのが苦手でも、おいしいものが大好きな人におすすめの本です。
テスト中にお腹が減っちゃいそうな、おいしそうな物語を楽しんでみてくださいね。
『給食アンサンブル』
【著者】如月かずさ
【出版社】光村図書出版
● クラスメイトたちが順番に主人公になっていく連作短編集
● 主人公:悩める中学1年生の男女
● 続編『給食アンサンブル2』がある
● 児童書
給食をテーマにした、悩み多き中学生のリアルな姿がみえる物語です。
短編ひとつひとつのタイトルには、「七夕ゼリー」「マーボー豆腐」「黒糖パン」「ABCスープ」「ミルメーク」「卒業メニュー」と、おいしそうな給食メニューが並びます。
毎日モヤモヤ、イライラしているのは自分ひとりだけじゃないと思えるはずです。
周りから、家族からの自分への期待や評価は?
友達から自分はどう思われているのか?
本当の自分はどうなんだろうか?
心配しないでも、同じようにクラスメイトのみんなも「自分って?」と悩んでいます
「自分ってなんだろう?」ってモンモンと悩むのも、大切な時間ですから、おいしい料理を食べて心配しすぎないで!
①『給食アンサンブル』は2021年和洋国府台中学校入試で出題されました。
出題された部分はココ!
短編「マーボー豆腐」
大人になるための努力をしている、辛いモノが苦手な桃ちゃんの物語
②『給食アンサンブル』は2022年聖学院中学校入試で出題されました。
出題された部分はココ!
短編「七夕ゼリー」
お嬢様学校から公立中学に転校してきた美貴ちゃんの物語
『給食アンサンブル2』
【著者】如月かずさ
【出版社】光村図書出版
● クラスメイトたちが順番に主人公になっていく連作短編集
● 主人公:悩める中学2年生の男女
● 児童書
前作に引き続き、給食をテーマにした、悩み多き中学生のリアルな姿がみえる物語です。
続編の給食メニューは「アーモンドフィッシュ」「ハヤシライス」「ミートボール」「クリームシチュー」「くじらの竜田揚げ」「牛乳」と、またまたおいしそう!
そしてまたまた、悩める中学生たち。
「自分ってなんだろう?」って悩み、自分に自信がないことに落ち込み、他のクラスメイトに嫉妬したり、自分の価値観を押し付けて孤立したり、恋をしたり。
悩んだこと、その時感じた想いは、中学生生活の思い出になり、もはや青春の1ページとなるはず!
前作に出てきた何人かは『給食アンサンブル2』でも引き続き登場するので、合わせて読むと、成長した彼らに出会える楽しみもあります。
『給食アンサンブル2』は2024年青山学院中等部の入試で出題されました。
出題された部分はココ!
短編「アーモンドフィッシュ」
バスケ部をやめたことに悩んでいる大久保慎吾くんの物語
『天の台所』
【著者】落合由佳
【出版社】講談社
● 長編物語
● 児童書
● 主人公は、小学6年生の天くん
祖母が亡くなってしまい、現在は、父と弟と妹と4人暮らし
「台所は、家の心臓なんだよ」
そんな、おばあちゃんの言葉から物語は始まります。
生きるためには「食べる」のが必要
でも、ただ食べるだけなら「えさ」になっちゃう。
じゃなくて、「食べ物」は、おいしく、楽しく、幸せに、大切に食べるから、体にも心にも栄養になる。
祖母が亡くなり、だれも料理をすることがなくなってしまった天くんのお家。荒れ放題の、うちのなかやおばあちゃんの台所。
天くんは、お隣に住む、ちょっと怖い「がみババ」から、厳しく料理を習い始めます。
まずは自分の好きなものから。
唐揚げ、玉子焼き、サバ缶入りトマトカレーなどなど
生きるために、家族再生のため、おばあちゃんの台所を守るため料理をマスターしていく天くんは、カッコいい!
料理とは、食材を調理するだけじゃなくて、台所に立ち、道具を駆使し、食材を選び、メニューを考え、洗い物といった後片付けもする、そんな一連の流れが毎日毎日繰り返されて、おいしい料理が食べられるのに気づく天くん。
天くんを通して、食事の大切さやありがたさをかみしめて!
2024年普連土学園中学校の入試で出題されました。
出題された部分はココ!
お父さんと唐揚げをあげるシーン
運動会の日のシーン
『すきだらけのビストロ』
【著者】冬森灯
【出版社】ポプラ社
● キッチンカーのビストロ「つくし」で繋がる7つの連作短編集
● 主人公:ビストロ「つくし」を訪れる悩める人たち
今までありそうで、なかった!?
おいしい料理と素敵な芸術が組み合わさった物語
舞台は、猫ぽいギャルソンと、シロクマのようなコックが迎えてくれる芸術のある場所に現れる、期間限定でオープンする、キッチンカーのビストロ「つくし」
音楽、絵画、演劇といった芸術は、その人自身を映しだしたり、新たな発見・知恵をくれたり、勇気や元気を与えてくれるモノ
同じように、おいしい料理も、弱った心や体をあたためて、あなたの栄養となり、生き返る元気を与えてくれるモノ
料理と芸術は、最強の組み合わせかもしれません!
さらには、キッチンカーでビストロをだしているふたり(兄妹)には理由があったりと、ちょっとした謎も隠されています。
魔法にかけられたような、ファンタジーを楽しむような時間を味わえるステキな物語です。
真鯛のグリエ、仔牛のポワレ、地鶏のコンフィ、自家製ソーセージ、ブイヤベース、伊勢海老と帆立貝のメダイヨンなどのメニューは、どれもおいしそうでお腹がすいてきます。
『すきだらけのビストロ』は、2024年聖光学院中学校の入試で出題されました。
出題された部分はココ!
出題短編:「マエストロのプレジール」
美術展に行った織絵さんと山吹君の物語
『お菓子の船』
【著者】上野歩
【出版社】講談社
● 長編物語
● 主人公:製菓学校を卒業した樋口和子(わこ)
今まで食べてきたモノの中で、一番記憶に残っているものは何ですか?
主人公の和子は、幼い頃食べた祖父のつくった「どら焼き」の味が忘れられず、再現したいと思います。
再現するために、祖父のことを調べていくと……。
和菓子職人としての仕事への葛藤を続けるなかで、戦争によってほんろうされた祖父の波乱万丈の人生を知ります。
祖父のつくった「どら焼き」を表現の描写が、ダイナミックっで、どんな味なんだろう?と味への興味がつきませんでした。
そして祖父はどうやってその味を生み出したのかという謎に、ワクワクしながら読めます。
『お菓子の船』は、2024年鷗友学園女子中学校入試で出題されました。
出題された部分はココ!
和子の老舗和菓子店での修行中シーン
『本日のメニューは。』
【著者】行成薫
【出版社】集英社
● 食べ物に関する人間ドラマが楽しめる5編の短編集
● 主人公:食べ物を愛する人たち
● 続編『できたてごはんを君に。』がある
今まで味わったことのないおいしいものを食べたとき、病気などで好きなものが食べられなくなったとき、みんなで料理を楽しく食べた時、一人でさみしさを感じながら食事をしたとき、貴重なものを味わったとき、ふと気づく
食べることは、人生のなかでとっても大事なこと
食べ物は、生きるうえで大事なモノ
ラーメン、おむすび、唐揚げ定食、ロコモコ丼、ドミグラスソースといった何気ない料理がキッカケで、生き方が変わってしまうこともあるのです。
料理は、人の気持ちや人生すらを変えちゃうくらいのパワーももっている!
料理、食べ物って不思議です。
『本日のメニューは』は、2021年神奈川学園中学校(A午前)入試で出題されました
出題された部分はココ!
短編:「おむすび狂誌曲(ラプソディー)」
母のつくったお弁当をめぐり、母と娘のいざこざに巻き込まれたおむすび屋さんの店主結女の物語
『できたてごはんを君に。』
【著者】行成薫
【出版社】集英社
● 「食べ物」でつながる4つの短編小説集
● 主人公:米粉パンつくりに挑戦する若きパン職人など
● 『本日のメニューは。』の続編
”「美味しい」と「幸せ」がたっぷり詰まってます!
最高の“ごはん小説”誕生! ”
こんな本の紹介文が書いてあったら、「読みたい!」と食いしん坊さんは飛びつきます。
かつ丼、カレー、ラーメン、米粉パン
おいしそうな食べ物の裏には、それぞれの人生があります。
「食べ物」と「人生」が結びついた、「食べること」と「幸せ」が結びついた、本の紹介どおり「最高のごはん小説」です。
『でできたてごはんを君に。』は、2024年神奈川学園中学校入試で出題されました。
『ショートケーキ』
【著者】坂木司
【出版社】文藝春秋社
● ケーキ屋さんで繋がる5つの連作短編集
● 主人公:ショートケーキを愛する人たち
ケーキは特別な食べ物
だからケーキには、その人の「想い」「思い出」がつまっている。
ケーキ店で繋がる人たちには、それぞれの人生におけるショートケーキ物語がある!
性別も年齢も違う彼らが気になる「ショートケーキ」
同じお店の、同じ見た目、同じ味の「ショートケーキ」だけど、彼らひとりひとりにとっては、どんな「ショートケーキ」なのかな?
あなたも「ショートケーキ」への思い入れはありますか?
『ショートケーキ』は、2024年高輪中学校の入試で出題されました。
出題された部分はココ!
短編「ホール」
互いに母と二人暮らしの大学生、ゆかとこいちゃんの物語
『たそがれ大食堂』
【著者】坂井希久子
【出版社】双葉社
● 連作短編集
● 主人公:マルヨシ百貨店に勤める美由起
デパートの大食堂って行ったことあるかな?
大きな部屋に、たくさんのテーブルがあって、メニューには洋食も和食も中華もそろっていて、子どもも大人もワクワクしちゃうレストランです。
そんなデパートの昭和レトロ感たっぷりの大食堂のマネージャになった美由紀さんですが、就任してすぐに、大食堂の存続の危機を知ります。
さらに、デパートを改革をしようとしている若社長のつれてきた新しい料理人の智子は、今までの大食堂の味を大きく変えようとするから、料理人同志のバトルに!
美由紀は、大食堂を守れるのでしょうか?
オムライス、クリームソーダ―、エビフライ、ナポリタン、プリン、お子様ランチと、おいしいメニューがぞくぞく出てくる、おいしいお仕事小説です。
『たそがれ大食堂』は、2023年聖光学院中学校の入試で出題されました。
出題された部分はココ!
新しくデパートの食堂の料理長に就任した智子と、長年食堂で働いている中園と新オムライスをめぐる争い
『月曜日の抹茶カフェ』
【著者】青山美智子
【出版社】共同通信社
● 12か月ごとのショート・ストーリー集
● 主人公:喫茶店「マーブル・カフェ」が定休日の月曜日にだけオープンする「抹茶カフェ」を訪れる人たち
● 『木曜日にはココアを』の続編
人と人との繋がりの温かさを、素直に感じられる。
自分の体や気持ちが、すーとキレイになっていくのを感じ、心がポカポカと温かくなり、自然と涙がこぼれたり、微笑んでしまったりする。
そんな体験をしたい人は、ぜひぜひ『月曜日の抹茶カフェ』を読んでみてください。
苦みと甘みが一体になった「抹茶」は、人生と似ているのかな~。
『月曜日の抹茶カフェ』は、2022年栄東中学校の入試で出題されました。
出題された部分はココ!
短編「拍子木を鳴らして」(皐月・京都)
光都と祖母の物語
『宙ごはん』
【著者】町田そのこ
【出版社】小学館
● 連作短編集
● 主人公:宙ちゃん 子育てやら家事が苦手なお母さんと暮らしている
宙ちゃんは小学校に上がるとき、イラストレーターとして活躍してはいるが、家事や育児が苦手なお母さんと暮らし始める。
そんな母の代わりに宙を助けてくれたのが、ビストロで働く佐伯さんだ。
宙ちゃんは、佐伯さんから料理を教わり、そのレシピをノートに書き続けます。
「ふわふわパンケーキのイチゴジャム添え」
「かつおとこんぶが香るほこほこにゅうめん」
「あなたのための、きのこのとろとろポタージュ」
「思い出とぱらぱらレタス卵チャーハン」
「ふわふわパンケーキは、永遠に心をめぐる」
各話のタイトルが、佐伯さんが教えてくれる料理になっています。
佐伯さんの教えてくれる料理は、どれもおいしそうで、宙ちゃんがうらやましい!
そして、何よりも佐伯さんは、宙ちゃんに、料理のおいしさと、生きる楽しさを教えてくれるのです。
小学生から高校生になる宙ちゃん。
宙ちゃんの成長ごとに、家族の姿や、人の気持ちも違って見えてきます。
食べ物や食べることって、甘みも苦み、しょっぱさや辛みもあり、辛さも幸せも教えてくれる人生そのもので、人生の大切な思い出にもなります。
『宙ごはん』は、2023年桐朋女子中学校の入試で出題されました。
出題された部分はココ!
宙ちゃんが保育園時代のシーン
宙ちゃんと佐伯さんの「初めまして」のシーン
『女神のサラダ』
【著者】瀧羽麻子
【出版社】光文社
● 野菜・農業で繋がる8つの短編集
● 主人公:日本のあちこちで、農業にたずさわる女性たち
私は農家の女性たちと一緒に仕事をしていた経験があります。
彼女たちは、家を守り、家族の健康を考え、さらに農業という仕事、農産物の販売にも熱心に取り組んでいて、とにかくパワフルだったのを覚えています。
女性とか男性とかは関係ないのですが、女性ならではの視点や感覚がするどく、旦那さんより経営者向きだなと思う人にもたくさん出会いました。
そんな、すてきな彼女たちを思い出す物語をみつけました。
みずみずしいレタス、想いのつまったオリーブ、茄子、馬鈴薯、アスパラガス、レモン、チーズ、トマト
『サラダの神さま』には、それらの野菜を作り出す農家の女性たち、農業にたずさわる女性たちの生き方が書かれています。
もちろん、いいことばかりじゃない農業生活
自然を相手にする難しさ、体力も必要だし、家族で仕事をする大変さといった悩みや苦しみもあるけれど、野菜という生きているモノを作り出す楽しみや、家族一緒にその楽しみを味わえる幸せもあります。
本を読みながら、「わかるな~」と共感したり、「そうなんだ!」と驚いたり。
登場する女性たちと一緒に、泣いて、笑って、元気になれます。
『女神のサラダ』は、2022年白百合中学校の入試で出題されました。
出題された部分はココ!
短編「茄⼦と珈琲」
『お弁当を作ったら』
【著者】竹下和男 (著)
【出版社】共同通信社
● 「お弁当の日」をめぐる感動の8編の連作短編集
● 主人公:小学生、先生たち
毎日の給食とはちがったお弁当には、楽しみも悲しみも、おいしさも、失敗もつまっています!
2001年に香川県のとある小学校で始まった「弁当の日」は、買い出しから調理、箱詰め、後片付けまですべて子どもだけで行った弁当を、給食の代わりに持たせる取り組み。
そんな「弁当の日」から、実際に生まれたエピソードをもとにした物語が書かれています。
ふだんは食べるだけの子どもたちが、自分で自分のお弁当をつくることで、いろんなことに気づき大きく成長していきます。
またお弁当で、自分の過去を振り返る先生の姿も描かれています。
お弁当のテッパンおかず、ハンバーグ、玉子焼き、ポテトサラダなどがでてきて、手作りのお弁当が食べたくなっちゃう物語でした。
『お弁当を作ったら』は、2022年頴明館中学校入試で出題されました。
出題された部分はココ!
小学6年生のヒデトの話し
中学受験の勉強に忙しいヒデトが「弁当の日」に母親が作ったお弁当を持参したときのシーン
『タスキメシ』
【著者】額賀澪
【出版社】小学館
● 一章「去る者」、二章「追う者」からなる2編の連作中編小説集
● 主人公:高校3年生の陸上部長距離選手、眞家早馬
● シリーズ化している
2作目『タスキメシ 箱根駅伝』、3作目『タスキメシ 五輪』
大けがを負ってリハビリ中の陸上部、早馬くんは、調理実習部の同級生、都ちゃんに料理を教えてもらい料理に興味をもちます。
同じ陸上部にいる一ひとつ年下の弟・春馬や陸上部部長の親友助川は早馬の復帰を切実に待っているが、早馬は自分に限界を感じ、競技からの引退を宣言してしまう。
兄に駅伝にもどってほしい弟の春馬と、そんな弟の走りを料理面から支えようとする兄の気持ちはすれ違うばかり。
料理を通して兄弟ふたりは理解しあえるのだろうか?
アスパラと里芋と豚肉の照り焼き炒め、鯵のなめろう丼、ピーマンの肉巻き、カブと手羽元の煮物といった、偏食気味の弟のために作る料理は本格的!
白熱した駅伝シーンもあり、おいしい料理が山のようにでてきて、誰かを想う心の温かさを感じ、読みどころ満載です。
また二章「追う者」に書かれている、早馬くんの同級生、都ちゃんの幼い頃の物語も読みごたえあります。
なんで都ちゃんは料理上手になったのか。
その謎が明らかになるのです。
こちらは、子どもの純粋な気持ちや、子どもながらに抱く「情け」をかけられたくないプライドがまざりあった、涙があふれる物語です。
『タスキメシ』は、2021年の私立横浜女学院中学校の入試で出題されました。
出題された部分はココ!
二章「追う者」
早馬くんに料理を教える料理上手な高校生、都ちゃんの小学時代の物語
『語らいサンドイッチ』
【著者】谷瑞恵
【出版社】角川書店
● サンドイッチ店で繋がる連作短編集
● 主人公:サンドイッチ店を切り盛りする姉妹ふたり
● シリーズ化している
1作目『めぐり逢いサンドイッチ』、2作目『語らいサンドイッチ』、3作目『ふれあいサンドイッチ』
姉妹二人が切り盛りする、公園のそばにある、レンガ色の壁と白いドア、軒の赤い屋根のかわいいサンドイッチ専門店を舞台にした物語です。
困った人、悩んでいる人たちに寄り添い話を聞き、その人のために作るおいしいサンドイッチが、人々の悩みを解決してくれます。
なぜなら、姉の笹子がつくるサンドイッチは特別!
悩める人たちの、思い出の具材を使い、思い出に寄り添ったサンドイッチなのです。
『語らいサンドイッチ』は、心が軽くなる、温かくなる、そして前向きな人生が開けてくる、魔法のサンドイッチ物語なのです。
看板メニューのたまごサンドに加え、キューカンバーサンドイッチ、フィッシュソーセージサンド、クラブハウスサンド、干し柿のジャムサンド、鶏つくねサンドなど
甘い系サンドイッチも、総菜系サンドイッチも登場し、どれもおいしそう
サンドイッチ店の姉妹二人と、常連客の小野寺さん、パン職人の川端さんといった男性陣との恋模様も読みどころです。
『語らいサンドイッチ』は2作目で、前作に『めぐり逢いサンドイッチ』があるので、こちらを読むとサンドイッチ店の姉妹二人の秘密や、恋模様がわかります。
『語らいサンドイッチ』は、2021年桐蔭学園中等教育学校の入試問題で出題されました
出題された部分はココ!
短編「青い花火」
キューカンバーサンドイッチがキーとなる、高校生、三戸真哉くんと水野知花ちゃんの物語
『純喫茶パオーン』
【著者】椰月美智子
【出版社】角川春樹事務所
●連作短編集
来人くんが小学校5年生、中学1年、大学1年に起こる「純喫茶パオーン」にまつわる短編3編
●主人公:祖父母が喫茶店を経営している来人くん(小学生から大学生まで)
「純喫茶パオーン」は、来人くんの祖父母が営む、創業して50年たつ昭和レトロな喫茶店。
看板メニューは、「おじいちゃんの特製ミルクセーキ」と、どんなにお腹がいっぱいでも食べたくなっちゃう「おばあちゃんの魔法のナポリタン」
おじいちゃんとおばあちゃんは、色眼鏡をかけることなく、喫茶店を訪れるいろんな人たちのことを理解してくれる、とってもステキな人です。
そんなお店には、来人くんの小学時代からの友達、部活の先輩や仲間などなど、純喫茶「パオーン」には、ユニークな人たちが集まります。
そして、ちょっとこわかったり、おもしろかったり、ホロリとしたり、いろんな事件が起こるのです。
なんかイヤなことがあった日も、この本をよめば「家族っていいな」「友達っていいな」と素直に思える、心が浄化される物語です。
「純喫茶パオーン」に行きたくなる!
『純喫茶パオーン』は、2021年品川女子学院中等部の入試で出題されました
出題された部分はココ!
来人くんが中学1年の物語
小学校時代は仲良し3人組だった来人、圭一郎、琉生。琉生だけ別の中学校に進学し、なかなか会えなくなっていた。
そんなある日、来人の祖父母が経営する喫茶店パオーンで不思議な現象が続くようになります。
『雲を紡ぐ』
【著者】伊吹有喜
【出版社】文芸春秋社
● 長編小説
●主人公:いじめが原因で学校に行けなくなった高校生の美緒
羊毛を手仕事で染め、紡ぎ、織りあげられた「時を越える布・ホームスパン」をめぐる、親子三代にわたる絡み合った家族の「心の糸」の物語です。
いじめが原因で学校に行けなくなった高校生の美緒は、母と口論になり、岩手県盛岡市の祖父(ほとんど会ったことのない!)の元へ家出をしてしまいます。
美緒は、羊毛を手仕事で染め、紡ぎ、織る、ホームスパンの職人である祖父と一緒に暮らし、ホームスパン(織物)を教わることになるのですが……。
祖父との暮らしは、美緒にとっては本当の自分を取り戻せるきっかけになるのですが、一方で、学校を留年してしまうことが心配で仕方ない父と母の干渉は続きます。
最後に美緒が出した結末、美緒の家族が出した結末はどんなものでしょうか?
『雲を紡ぐ』は、家族再生の物語、美緒ちゃんの成長青春物語なのですが、とにかく盛岡のおいしい食べ物がたくさん登場する、おいしい物語でもあるのです。
小岩井牧場のチーズケーキ、盛岡土産で有名な”くるみゆべし”、”黄精飴おうせいあめ”、「福田パン」のコッペパン、白龍フェザン分店「じゃじゃ麺」など、物語に登場する盛岡グルメの数々。
実際に存在する喫茶店「機屋(はたや)」「チロル」「クラムボン」、珈琲店「フララフ」、カフェ「カルタ」が登場し、そこでは美緒がおいしそうなコーヒーを飲んだり、ばらいろアップルジュースを飲んだりします。
すぐにでも『雲を紡ぐ』を参考に、盛岡に行って、いろんなものを食べたくなります!
『雲を紡ぐ』は、2021年横浜雙葉中学校や本郷高校で出題されました。
出題された部分はココ!
①2021年横浜雙葉中学校の入試で出題
●出題された部分はココ!
学校に行けなくなっている孫の美緒が、祖父と語るシーン
②2021年本郷中学校の入試で出題
●出題された部分はココ!
美緒が家出をしてきた直後のシーン
【中学入試で出題本より】おいしい料理・食べ物小説リスト
【中学入試で出題された】おいしい小説を紹介しました。
意外にも多く出題される「おいしい小説」に、ビックリでした。
好みの料理や好きな食べ物が出てくる、おいしそうな物語を選んで読んでみてください。
気になった本があったら読んでみてね
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