小学高学年から中学生におすすめしたい、男子と女子の友情物語が書かれた児童書を紹介します。
男子は男子、女子は女子でしか友情は成り立たないなんて、今やありえない時代!
思春期まっただなか恥ずかしがりやの小学生・中学生であろうとも、男子と女子が性別を超えて友情を築いていくのです。
男子と女子の友情物語では、同性同士とはまたちがった、恋の一歩手前のような胸キュンをふくんだ友情の形が楽しめます。
せっかく本を読むなら、入試に出た本を読んでみませんか?
このブログでは、中学入試・高校入試で出題された本のなかから選んでいます。なぜなら……。

中学・高校受験出題本はとにかくおもしろい!
国語の専門家である国語の先生たちが選んだ本はどれも失敗なし!なのです。
『たまねぎとはちみつ』

小学校5年生クラスメイトの男女
★すべて平均くらいの千春ちゃん
★俊太くん
●画像をクリックするとアマゾンへ
【著者】瀧羽麻子
【出版社】偕成社
●あらすじ
ふつう”だから注目されない自分に不満はないけれど、もうちょっと成長したいなと思っている千春ちゃん。
近所に住むエンジニアで発明家のおじさんと知り合い、いろんなことを話すうちに、家族や学校しか知らなかった世界がどんどん広がっていくのです!
そして彼女を元気づけてくれるクラスメイトの男子も登場し……。
「よし、やってみよう」と自分の殻をやぶる勇気がでてくる物語。
★おすすめポイント★
学校生活での友達とのこと、クラス内の問題、家庭でのお母さんとの会話などなど。
日常生活で、たくさんのことにモヤモヤしている千春ちゃんが、まるで自分みたい!と思える物語。
モヤモヤ悩める千春ちゃんを助けてくれるひとりは、クラスメイトの男の子。
クラスで一緒に勉強しているときには、まったく気にならなかった男子!気づかいができる優しい俊太くんです。
千春ちゃんと俊太くん、ふたりの関係にちょっと胸がキュンとしちゃいます。
「言いたいことが言えない」「もうちょっと大人になりたいな」と思っている人におすすめ本です。

私はこの本が大好き!
文庫本になってくれれば、大人も読みやすいのにと思っています。
●続編あり
『ひこぼしをみあげて』千春ちゃんが中学生になります
『むこう岸』

中学生の男女
★有名進学校で落ちこぼれ公立中学に転校した、裕福な家庭の和真
★父を事故で亡くし、母と妹と三人、生活保護を受けて暮らす樹希
●画像をクリックするとアマゾンへ
【著者】安田夏菜
【出版社】講談社
●あらすじ
まったく違う環境で育ったため、お互いを理解できずに苦手に思っていた和真くんと樹希ちゃん。
でも二人は、互いを知るにつれて、自分だけが今の状況に苦しんでいるわけではないと、相手を思い合えるようになっていきます。
そして二人は「貧しさゆえに機会を奪われる」ことの不条理に立ちっていくのです。
どうにもならない辛いことや悲しいこともたくさん出てくるけれど、何かに立ち向かうパワーや素直な気持ちがすがすがしい物語。
★おすすめポイント★
親からのプレッシャーや、家庭の貧困による”家庭の呪い”を感じたことありませんか?
呪われて、それに縛られて辛く悲しい思いをしていませんか?
だれにも話せない家庭の事情をわかってくれるのは、実は仲良しのお友達じゃないのかもしれません。
意外な人が、あなたの悲しみをわかってくれて、しかも助けてくれようとしたら……。
身近に「私のことぜったいにわかってくれない(だから苦手)」と感じる人がいたら、ぜひ読んでほしい本です。
『世界は「」で沈んでいく』

中学2年生の男女
★都会から海辺の町に引っ越した凛ちゃん
★クラスメイトの将暉くん
●画像をクリックするとアマゾンへ
【著者】櫻いいよ
【出版社】PHP研究所
●あらすじ
友達がいない、友達が少ないことはダメなんだろうか?
友達の多さがカッコイイし、良いと感じることが多いけれど、ほんとうにそうなんだろうか?
孤独を愛する人(子ども)、凛ちゃんの孤独への戦い物語。
★おすすめポイント★
自分の価値観は、みんなと同じじゃないといけないのかな?
こう書くとすごく難しい小説かと思いきや、友情のような恋のような男女二人の関係性をからませながら、孤独を愛する主人公の気持ちがていねいに書かれていて読みやすい!
クラスメイトたちの「友達が大切で必要」という態度や考え方にも納得できるし、「友達がいない・少ない」のがさみしいわけじゃないという凛ちゃんの価値観、どちらもわかりやすいと思います。
友達をつくらなくちゃと悩んでいる人に、ぜひ読んでみてほしいおすすめ本です。
そして、男女関係なく自分をわかってくれる人に「ビビビ」とくる運命にドキドキ!
「運命の相手」を感じてしまうキュンキュン物語でもあります。
『空と大地に出会う夏』

小学6年生の男女3人
★成績はかなりいいが、ムダがきらいで理屈ぽい。目立つタイプではない理一郎
★空気が読めないマイペースな不思議ちゃん女子で有名。目立つタイプの空良(みそら)ちゃん
★理一郎の幼なじみ、転校先で不登校になっている大智
●画像をクリックするとアマゾンへ
【著者】濱野京子
【出版社】くもん出版
●あらすじ
優等生だが、目立つタイプではない理一郎くんは、空気が読めないマイペースな女子の空良(みそら)ちゃんと知り合い話すようなる。
一方、幼なじみだった男友達の大智が転校先で不登校になっていると知った。
空良と大智と仲良くすることを母親はよく思っていないのだが……。
理一郎くんが、今までとは違う自分を見つけていく成長物語です。
★おすすめポイント★
いつもと違う友達と話してみたら……。
あれ?自分ってこんなこと話すんだっけ?こんな風に考えるんだっけ?と、新しい自分に驚くことってありませんか?
「自分ってどんな人なんだろう?」「優しい人なのか?」「だらしない人なのか?」「正直者か?」「真面目なのか?」「いじわるなのか?」
自分がよくわからない人に読んでほしい本です。
この物語は「良かったな」と思える理想的な終わり方でもないかもしれませんが、「現実ってこうだよな」と思えるリアルな物語なので、現実的な人にもおすすめです。
『ぼくのとなりにきみ』

中学1年生のクラスメイト3人
★慎重で大人っぽいサク
★スポーツ万能で天真爛漫なハセ
★クラスでも不思議ちゃん的女子の近田
●画像をクリックするとアマゾンへ
【著者】小嶋陽太郎
【出版社】ポプラ社
●あらすじ
クラスでもちょっと外れものぽい男女3人組。
一見仲良くなれない3人に思えるけれど……。
お互いの家族状況を知り、お互いを思いやる、優しい男女3人の物語。
そして3人のかかえる家族問題とは何なのか?
★おすすめポイント★
まったく性格の違うデコボコ3人組は、お互いを知るにつれて、互いを信頼しあい、友情を深めていきます。
自分ではどうにもならない家族問題をかかえているデコボコ3人組。
昭和時代なら男子3人、女子3人という組み合わせだったと思うのですが、令和時代は男女トリオが当たり前になりそうです。
「なんでこの家にうまれちゃったのかな?」「自分は不幸だ、ついてない」と思っている人に読んでほしい本です。
そしてこの3人のなかで、ほんのり恋心をもつの人がいます。
さてだれかな?
『with you ウィズ・ユー』

中学3年生の男女
★家族問題を抱える悠人
★暗い影のある表情をもつ朱音
●画像をクリックするとアマゾンへ
【著者】濱野京子
【出版社】くもん出版
➡2022年7月に講談社から文庫本が出版されています。
●あらすじ
夜の公園で会ったのは影のある少女だった……。
優秀な兄、家を出ていった父親、兄弟格差を感じさせる態度をとる母親をもつ、自分の存在意義がわからない悠人が、影のある朱音との出会いによって、誰かを思う気持ちや、世の中の不平等に気づいていく。
傷ついている自分よりも、気になる友達を少しでも助けてあげたいと思う気持ちがわいてきたら……。
中学生の男女が、自分自身を見直しながら、生きる未来へ、社会へ目を向けていく成長物語。
★おすすめポイント★
母親の介護で疲れきっている朱音との出会いにより、大人の階段を登り始める悠人。
ふたりはお互いを意識し、悠人は朱音を助けてあげたいと強く思うのですが……。
悠人が相談相手に選んだ人はだれでしょうか?
「悠人がどんな大人になるのか楽しみだな」「悠人と朱音のこの先が気になる!」と、この先が気になる本です。
愛情たっぷりの両親がいて、家のなかがここちよいと思っているような家族に恵まれている人にこそ読んでほしい本です。
『リマ・トゥジュ・リマ・トゥジュ・トゥジュ』

中学生の男女
★マレーシアからの帰国子女 中学2年生の沙弥
★沙弥と同級生の 沙弥の初恋相手藤枝くん
★延滞本の督促をしてまわる3年の「督促女王」こと図書委員佐藤莉々子
●画像をクリックするとアマゾンへ
【著者】こまつあやこ
【出版社】講談社
●あらすじ
マレーシアから帰国した沙弥は、日本の中学に順応しようと四苦八苦中。
そんな沙弥は、3年生の「督促女王」と襲られる女子先輩と短歌を始めることになってしまう……。
短歌の吟行を始めて気づく、新しい世界とは?
中学生の成長青春物語。
★おすすめポイント★
沙弥に短歌の楽しみをおしえてくれた「督促女王」と、沙弥の初恋相手の藤枝くん、そして沙弥。
3人の関係は?
短歌でわかる3人それぞれの気持ちとは?
3人は、どうなると思いますか?
『バスを降りたら』

中学1年生
★律(りつ)
★奈鶴(なつる)
●画像をクリックするとアマゾンへ
【著者】眞島めいり
【出版社】PHP研究所
●あらすじ
長編小説
奈鶴と律、交互にふたりの視点で書かれる物語
通学のバスで、顔見知りの中学生の男子と女子のお互いへの想いは?
お互いが気になるふたりだけど、相手にいだく気持ちは全く正反対のふたり。
でも、挫折感から抜け出せないやるせない思い、学ぶ意味、将来のこと、気になる人のことなどなど。
モヤモヤした気持ちをもっているのは同じ。
ふたりのモヤモヤは晴れるのか?
中学生ふたりの清々しい青春成長物語。
★おすすめポイント★
学校も違うし、どこに住んでいるかも知らない。ただ、顔だけ知っているだけなのに「なぜか気になる」人がいる。
そんな経験ありませんか?
通学のバスの中で会だけなのに、お互いの存在が気になる中学生の男女ふたりは、知り合いになるのか?友達になるのか?
そして、なぜふたりはお互いが気になるのでしょうか?
男子と女子の友情物語おすすめ児童書リスト
小学高学年から中学生におすすめしたい、今や当たり前!男子と女子の友情を描いた本を紹介しました。
同性同士とはまたちがった、男子と女子の友情の世界をのぞいてみてください。

気になる本があったらよんでみてください
普通すぎる女子とクラスメイトの男子
真逆の家庭環境で育った男子と女子
自分と似ている気がする男子と女子
考え方、生き方が違う男子と女子
家族にふりまわされる男子と女子
家族に悩む女子を助けたいと思う男子
短歌の世界で交差する3人の女子と男子
バスの中で出会う男子と女子
コメント