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2025年11月20日更新
2025年秋から2026年冬(2025年9月〜2026年2月)に文庫本になった作品のなかから、小学校高学年・中学生・高校生におすすめの本を紹介します。
おすすめするのは、なんと――入試で出題された本ばかり!
「えっ、入試に出る本って、なんか難しそう……」「おもしろくなさそう……」とがっかりした人にこそ、読んでみてほしいんです。
軽くて持ち運びやすくて、値段もお手頃な文庫本。
気軽に読めて、しかも入試対策にもなるなんて、読まない理由がないですよね!
①2025年9月〜2026年2月に文庫本になり発売
②中学入試、高校入試で出題された本
文庫本とは、単行本よりも一回り小さいサイズ(A6サイズ)の書籍のこと。
一般的に、単行本が発売された後、数か月から数年の期間を経て、単行本の内容が文庫本化されます。
近年では、書き下ろしといわれる、単行本や文芸誌で発表されていない作品が文庫本で発売されるケースもあります。
【「幻冬舎メディアコンサルティング」のホームページより引用】
せっかく本を読むなら、入試に出た本を読んでみませんか?
このブログでは、中学入試・高校入試で出題された本のなかから選んでいます。なぜなら……。

中学・高校受験出題本はとにかくおもしろい!
国語の専門家である国語の先生たちが選んだ本はどれも失敗なし!なのです。
『マカン・マラン-二十三時の夜食カフェ』

おいしくて癒される
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【著者】古内一絵
【出版社】中央公論新社
●あらすじ
おかま、いえいえ身長180センチを超える美男子ドラァグクィーンのシャールさんが店長を勤める夜食カフェがマカン・マラン。
悩みを抱え、このお店を必要とした人だけが、たどり着る謎のお店ともといわれる不思議な夜食カフェなのですが……。
この不思議なお店の魅力は。
シャールさんが作る夜遅くに食べても胃にやさしい野菜たっぷりの食事メニューと、悩める人の心に寄り添ってくれるやさしく頼もしいシャールさんが作るさんの言葉。
あなたと同じような悩みを持った人が来店するかもしれないマカン・マランに行ってみませんか?
●その他情報
シリーズ化している
第1弾『マカン・マラン 二十三時の夜食カフェ』
第2弾『女王さまの夜食カフェ マカン・マラン ふたたび』
第3弾『きまぐれな夜食カフェ マカン・マラン みたび』
第4弾『さよならの夜食カフェ マカン・マラン おしまい』
第5弾『女王さまの休日-マカン・マラン ボヤージュ』
●文庫本発売 2025年11月

おすすめポイント
自分自身も生き方に悩んできたシャールさんの優しい言葉や、体と心をいたわる料理が魅力的な本です。
読むほどに、マカン・マランの魅力にどっぷりつかってしまいます。
2024年度、開智高等学校の高校入試で出題された
マカン・マランの店長シャールさんが登場する別の小説があります。
若き日のシャールさんはどんな人だったのか?マカン・マランシリーズと合わせて読んでみて。
☟『銀色のマーメイド』
『虹いろ図書館のかいじゅうたち』

いじめっ子の気持ちを知る
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【著者】櫻井とりお
【出版社】河出書房新社
●あらすじ
シリーズ本の3作目
1作目『虹いろ図書館のへびおとこ』と合わせて読むのがおすすめです。
なぜなら、この3作目には、1作目の主人公ほのかちゃんをいじめていたクラスメイトのかおりちゃんが登場します。
いじめっ子、かおりちゃんの心のなかは?
そして伝説の司書のイヌガミさんがいる図書館に通う、いじめられっ子少年ケンくんも登場します。
ふたりは図書館で新たな人生の出口をみつけられるのでしょうか?
●その他情報
シリーズ化している
●文庫本発売 2025年11月

おすすめポイント
いじめっ子にも事情があるのかもしれない……。
「いじめ」について視点をかえて考えてみると……。
なにか解決の糸口がみつかるかもしれないと希望がもてます。
第1弾『虹いろ図書館のへびおとこ』が2022年度、神奈川学園中学校の中学入試で出題された
☟1作目『虹いろ図書館のへびおとこ』
『月の立つ林で』

「月」に興味がわいてくる
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【著者】青山美智子
【出版社】ポプラ社
●あらすじ
元看護師、芸人、二輪自動車整備士、女子高生、アクセサリー作家。
なんの関わり合いもない人たちが、実はあることで繋がっているのです。
それは……。
共通して聴いているポッドキャストがある!
世代も立場も違う彼らが心の拠り所とするのは、タケトリ・オキナがポッドキャストを通じて届けてくれる「ツキない話」。
「(天体)月のない?」「(運の)ツキがない?」「(終わりがない)ツキない?」
どんな内容のポッドキャストなんだか気になりませんか?
今の境遇に不満や不安をもち、そんな自分にイライラしている人たちが、前向きになるきっかけをつかむ人生物語。
●文庫本発売 2025年9月

おすすめポイント
「最近ツイてない」と感じている人におすすめ。
大きくて明るい道しるべのようでもあり、そして静かに見守ってくれる”月”を見上げて、「さあ、元気になろう!」と思えるすてきな物語です。
2025年度、西大和学院中学校の中学入試で出題された
出題短編「お天道様」
2024年度、江戸川学園取手中学校の中学入試で出題された
出題短編「誰かの朔」
『透明な耳。』

辛さと苦しみの先にあるものは?
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【著者】村本大志
【出版社】双葉社
●あらすじ
原田由香は、ダンス部のエースとして活躍する17歳の高校生。
彼女はある日、学校の帰り道で交通事故に遭い、突発性難聴となってしまう。
交錯する絶望、葛藤、希望。そして音楽とダンスをこよなく愛する女子高校生が、聞こえと引き換えに手に入れたものとは――。
突然、「音」を奪われた主人公と、両親、恋人、友人、それぞれの心情を、リアルな描写とけれんのない筆致で書き上げた青春群像劇。
【アマゾン紹介文より抜粋】
●文庫本発売 2025年9月
2022年度、山脇学園中学校の中学入試で出題された

おすすめポイント
この本はけっこう前(2020年)に出版されていたのですが、ようやく文庫本になり、個人的に「うれしい」と思っている本です。
読みやすい文章なので、読書が苦手な人にもおすすめの一冊です。
突然おそった不幸に、どう対応していいのかわからない、絶望する主人公の気持ちがビシビシ伝わってきます。
読んでいて、辛くて泣いてしまうかもしれません。
でも辛いだけじゃなく、大きくて包み込まれるような素敵な”愛”が感じられる物語なのでぜひ読んでみてください。
由香の彼が、高校生とは思えない大きな愛で由香を見守ってくれるのが、とってもかっこよかったです!!
『タスキメシ 五輪』

みんな大人になっていく
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【著者】額賀澪
【出版社】小学館
●あらすじ
2作目で箱根駅伝を終えた千早。
就職した食品会社に就職から東京五輪選手村食堂に派遣された。
選手村食堂というオリンピックの裏側では何がおこっていたのか!?
一方、眞家春馬(1作目の主人公早馬の弟)はパリ五輪を視野に入れ世界陸上に参戦するのだが……。
世界を相手に挑戦を続けるライバルたちの、葛藤も。
1作目では高校生だった彼らの「今」は??
●その他情報
シリーズ化している
1作目『タスキメシ』
2作目『タスキメシ 箱根』
3作目『タスキメシ 五輪』
*3冊とも文庫本で読めます
●文庫本発売 2025年9月
シリーズ1作目『タスキメシ』が2021年度、横浜女学院中学校の中学入試で出題された

おすすめポイント
感動を何倍にもするためにぜひ第1作目から読んでほしい本です。
駅伝、長距離レース好きの人におすすめのシリーズ。
3作目では「東京五輪選手村食堂」の裏側がのぞけるような内容で楽しかったです。
そして、1作目から読んでいると高校生だった早馬・春馬兄弟、ライバル助川くん、藤宮くん、そして料理上手の都ちゃんが大人になっていて感動でした。
あの3人の恋模様も気になっていましたし(笑)
それぞれ高校生のころには想像しなかっただろう悩みにぶつかる彼らを応援しながら読めます。
☟シリーズ1作目はこちら
『ふれあいサンドイッチ』

おいしいサンドイッチ
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【著者】谷瑞恵
【出版社】角川書店
●あらすじ
サンドイッチ店で繋がる連作短編集
姉妹二人が切り盛りする、公園のそばにある、レンガ色の壁と白いドア、軒の赤い屋根のかわいいサンドイッチ専門店を舞台にした物語。
大切な人と食べる食事は特別な味。姉妹が営むサンドイッチ専門店へようこそ。
困った人、悩んでいる人たちに寄り添い、その人のためにつくられたサンドイッチが悩みを吹き飛ばす!!
●その他情報
シリーズ化している
1作目『めぐり逢いサンドイッチ』
2作目『語らいサンドイッチ』
3作目『ふれあいサンドイッチ』
●文庫本発売 2025年9月
2作目の「語らいサンドイッチ」が2021年度、桐蔭学園中等教育学校の中学入試で出題された
出題短編:「青い花火」

おすすめポイント
心が軽くなる、温かくなる、そして前向きな人生が開けてくる、そんな魔法のサンドイッチが登場します。
おいしそうなサンドイッチの描写を読んでいると、おなかも減ってきます。
ちなみに、サンドイッチ店の姉妹二人と、常連客の小野寺さん、パン職人の川端さんといった男性陣との恋模様もこの本の読みどころ。
『ふれあいサンドイッチ』は3作目で、前作に『めぐり逢いサンドイッチ』『語らいサンドイッチ』があるので、こちらを読むとサンドイッチ店の姉妹二人の秘密や、恋模様がわかるのであわせて読んでみるのがおすすめです。
☟シリーズ1作目はこちら
『秒速5センチメートル the novel』

恋をしたくなる
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【著者】新海誠 (原著), 鈴木史子 (著)
【出版社】KADOKAWA
●あらすじ
ずっと昔に出会った大切な人を、あなたは覚えていますか?
2008年。東京で働く貴樹は、人と深く関わらず、淡々とした毎日を送っていました。
でも、30歳を前にして気づきます――自分の心のどこかが、あの頃のまま止まっていることに。
思い出すのは、小学生のころ出会った少女・明里(あかり)のこと。
18年という時を、異なる速さで歩んだ二人の恋を描いた、せつなくて美しい物語。
●文庫本発売 2025年9月
2020年度、実践女子大学の大学入試で出題された
小説『秒速5センチメートル』が、2020年度の実践女子大学の入試問題に使用されたとのことです。うれしいなあ。皆さん正解されましたように。
いずれ過去問集にも収録されるとのことです。 pic.twitter.com/IDvxiy7mJS— 新海誠 (@shinkaimakoto) May 30, 2020

おすすめポイント
思い合っていても結ばれないこともあるし、一生懸命に思ってもむくわれないこともあるし、相手の気持ちがわからなくて逃げ出すこともある。
それでも「恋をしたい!」と思ってしまうほどの100%恋愛小説です。
☟2025年10月映画化されました
☟映画の小説版の文庫本
☟原作の文庫本
☟児童用(角川つばさ文庫)
『なんとかしなくちゃ。 青雲編』

新鮮!!問題解決物語
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【著者】恩田陸
【出版社】文藝春秋社
●あらすじ
日常に潜む「キモチワルイ」や「モッタイナイ」を見逃さない主人公・梯結子は商人の家系に生まれた四人きょうだいの末っ子。
幼いころからその天才的なひらめきと観察力と調達力で、次々に難題に挑む。
混み合う砂場、プライドが傷付くお友達が出るお誕生会、不利な生徒会長選挙でのアピール。
誰もが諦めた課題を「なんとかしなくちゃ。」の一心で解決する、新感覚エンタテインメント!(幼少期~大学生編)
↓この難問、解けますか?
Q. 学生新聞の広告効果を最大化するには?
Q. 家族の夕食の予定がバラバラ。食材を無駄にせず家計の負担を減らすには?
Q. 最も効果的に潜在顧客へ届けるポスティング戦略とは?
(答えは本文に!)
【アマゾン紹介文より抜粋】
●文庫本発売 2025年10月

おすすめポイント
自分なりの考え方で、ムダなく効率のよい生き方を追求していく。
そんな結子の生きざまにビックリ!そして感激!しました。
そしてむちゃくちゃおもしろかった!!
無駄にだらだら生きてきた自分に「喝」をいれられます。
あなたの生き方の参考になるかも?しれないです。
結子に負けず、結子の家族もそれぞれユニークな生き方をしているのがステキでした。
結子&家族の今後も気になるのでぜひ続編が読みたいです。(特に結子の恋が気になる!!)
2024年度、東京都八王子東高校の公立高校入試で出題された
『川のほとりに立つ者は』

人って謎だな……。
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【著者】寺地はるな
【出版社】双葉社
●あらすじ
カフェの若き店長・原田清瀬は、ある日、恋人の松木が怪我をして意識が戻らないと病院から連絡を受ける。
松木の部屋を訪れた清瀬は、彼が隠していたノートを見つけたことで、恋人が自分に隠していた秘密を少しずつ知ることに――。
「当たり前」に埋もれた声を丁寧に紡ぎ、他者と交わる痛みとその先の希望を描いた物語。
【アマゾン紹介文より抜粋】
●文庫本発売 2025年10月
2025年度、江戸川学園取手中の中学入試で出題された
2024年度、城北高等学校の高校入試で出題された

おすすめポイント
謎もあり、読んでみて「ああ、そうだったのか」とつぶやいてしまう小説です。
人ってわからないもんですね。
もし、だれかのことをわかったつもりになっているとしたら……。
心にガツンと染み入りる物語です。
『生者のポエトリー』

詩の魅力を知る
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【著者】岩井圭也
【出版社】集英社
●あらすじ
全6編の短編集
「言葉にできない想い」をもし“詩”が、その想いを伝えてくれるとしたら。
言葉を失った青年・悠平
最愛の人を亡くした気象庁の元職員・公伸
日本語を学ぶ少女・ジュリアと先生・聡美
など
主人公たちは、傷ついた心に、静かに火をともす言葉の力“詩”によって変わっていくのです。
人生の痛みと希望を描く、心に響く6つの物語集。
【アマゾンの作品紹介より抜粋】
●文庫本発売 2025年10月

おすすめポイント
「詩」を通して心に秘めた自分の気持ちを、言葉で紡ぎ声に出し、外に開放するっていいな。
ひとりひとりの気持ちが素直に現れた「詩」の魅力に感動しながら読める物語でした。
2023年度、宮城県の公立高校入試で出題された
出題短編「街角の詩」
2021年度、本郷中学校の中学入試で出題された
【2025年秋冬】文庫本になった入試出題小説
2025年秋冬(2025年秋から2026年冬)に文庫本になった入試出題本を紹介しました。

あなたの好みの本を選んで読んでみてね。
ユニークなドラッグクイーン、シャールさんの営むカフェ物語
☟『マカン・マラン』のオーナーシャールさん、若き頃の物語
☟伝説の司書イヌガミさんのいる図書館の物語
☟『虹いろ図書館のかいじゅうたち』の1作目はこちら
ポッドキャスト「ツキない話」でつながる物語
突発性難聴になった女子高校生の物語
長距離ランナー&オリンピック裏側物語
☟シリーズ1作目はこちら
心をいやしてくれるサンドイッチ店の物語
☟シリーズ1作目はこちら
18年の時をこえる恋愛物語
☟映画の小説版の文庫本
☟原作の文庫本
☟児童用(角川つばさ文庫)
「なんとかしなくちゃ。」解決物語
「詩」で想いを伝える物語

















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