小学高学年から中学生におすすめしたい、【中学入試で出題された】親子で読み合いたい!父と息子の物語を紹介します。
男同士でわかりあえそうなのに、なぜかわかり合えない父と息子の姿に、共感してしまう親子も多いはず。
そんな父と息子が同じ本を読み合えば、親子でいろんなことを話すキッカケになると思いますよ。

児童書、ヤングアダルト(YA)ブック、中学受験出題本のおもしろさにどっぷりにハマっている私が実際に本を読んで紹介します。

『おいしくて泣くとき』
【著者】森沢明夫
【出版社】角川春樹事務所
- 東大進学率が高くて有名なあの開成中学校の入試問題(2022年)で出題された本
- 主人公:中学3年生の心也くん
- 長い物語に挑戦したい小中学生におすすめの本
- 感動で泣ける本
- ほのかな恋・家族の問題あり
- 2025年映画化
心也の父親は、子どもたちに無料で「こども飯」を提供する『大衆食堂かざま』のオーナーです。
その食堂には心也の同級生たちもやってくるのですが、心也は学校では偽善者の息子と言われることもあり、父親に「こども飯」を辞めてほしいと言ったこともあります。
「こども飯」にやってくる子どもたちは、家族内の貧困や暴力など、子どもにはどうにもならない現実を知りながらも、懸命にもがいているのです。
やさしい心がぶつかりあうストーリーに胸がいっぱいになるはずです。
『おいしくて泣くとき』中学入試メモ
2022年2月開成中学の入試問題で出題されました。
出題箇所は第二章の「台風がくる」より
心也が自分の机に「偽善者」と書かれたいたずら書きを見つけるところから、第2章の最後まで。
開成中学の問題文章のなかにでてきた、「人の幸せってのは、学歴や収入で決まるんじゃなくて、むしろ『自分の意思で判断しながらいきていうかどうか』に左右されるんだって」と心也の父が心也に伝えるセリフは、入試問題ながらも感動でジーんとしちゃいました。
『はじめてだらけの夏休み』
【著者】唯野未歩子
【出版社】祥伝社
- 2022年2月筑波駒場中学の入試問題で出題された本
- 主人公:9歳の葉太
- 児童書なので読書に不慣れな小学生におすすめ本
- 心が温かくなり、前向きになれる本
- 父と息子のちょっとした挑戦あり
- 家族の問題あり
闘病(うつ病)のために実家に帰ってしまった母親にかわり、ほとんど家にいなかった録音技師の父親と過ごすことになった葉太。
これまで一緒に過ごしてきた母親とはまったく違う父親が苦手な葉太は、父親との関係にとまどいながらも、父との夏休みを過ごし始めます。
今までお互いにきちんと向き合ってこなかった父と息子の再生物語です。
*残念ながら現在出版されていないようです。(2022年8月現在)
『はじめてだらけの夏休み』中学入試メモ
2022年2月筑波駒場中学の入試問題で出題されました。
出題箇所はココ!
二人の夏休み中、お父さんに仕事の電話がかかってくる場面から葉太がお父さんから仕事を手伝ってほしいと言われる場面まで
『あめつちのうた』
【著者】朝倉 宏景
【出版社】講談社
- 2021年山脇学園中学校の入試で出題された本
- 主人公:高校を卒業し社会人になった大地
- 長い物語に挑戦したい小中学生におすすめ本
- 前向きになれる本
- 泣ける感動する本
- ジェンダーの問題あり
絶望的な運動神経の持ち主・雨宮大地は、自分とは正反対の弟、運動神経なしの大地など相手にしない父へのモヤモヤした気持ちから逃げるように、実家を離れ、東京から大阪の甲子園のグラウンド整備を請け負う阪神園芸へと入社します。
大地は、心の傷を癒し、成長し日本最高のグラウンドをつくりだすグラウンドキーパーになれるのか?そして、家族とは理解しあえるのか?
大地と一緒に働く仲間や、高校時代のチームメイトなど登場する人みんながそれぞれの生き方に悩みを抱えていて、かなり読みごたえのある物語です。
華やかな表舞台で活躍している人だけでなく、そこに行きつくまでの人や、その裏で懸命に働いている人たちにも、それぞれのドラマがあるのです。
野球のもつ熱気、本音のぶつかり合い、誰かを想う気持ち。あちこちに熱い心がほとばしり、物語にぐいぐいと引き込まれてしまいます。
自分に自信をもてるようになる初めの一歩は、自分の殻を破ることだと教えてくれる本でした。
『あめつちのうた』中学入試メモ
2021年山脇学園中学校(A)入試で出題
出題された部分はココ!
小さなころからぎこちなかった父と息子が本音で語るシーン
今までお互いを避けてきた父と息子(高卒社会人1年目)の会話
『はとの神様』
【著者】関口尚
【出版社】集英社
➡関口さんは実力のある児童文学作家。
2002年『プリズムの夏』が第15回小説すばる新人賞を受賞してデビュー、2007年『空をつかむまで』で第22回坪田譲治文学賞している。
- 2021年、渋谷教育渋谷中学校入試で出題されました。
- 主人公:【前編】悟、ユリカ、みなと小学5年生舞台
- 中編2編になっている
- 前編は小中学生向け。後編は大人向けだが小中学生でも読める内容。
- 前向きになれる本
- 家族の問題あり
- 子どもから大人へにかけての友情物語
時代は1986年、転勤族のみなとは小学校5年生、新しいクラスでも、家でも新しいお母さんになじめない、どこにも自分の居場所のない男の子です。
みなとは、学校で声をかけてくれた悟と友達になります。
さらに悟のお父さんの趣味である鳩がきっかけで、知り合った隣町に住む同じ年の少女ユリカが、自分の鳩をレースに出してみたいという願いを叶えるために、悟とみなと、ユリカ3人は旅に出ます。
子ども3人の旅に途中から加わる悟の父親が、”いい味”を出しているのが読みどころです。
本は2編になっていて、後編は2010年、悟とみなとは35歳になっています。
相変わらずはっきりしないみなとに、はっぱをかける悟悟とみなとのふたりのライバルでもある友情は続いているのです。
自分自身の生き方を考える、子どもたちの成長が頼もしく感じられる物語でもあり、子ども同士の友情、男親と息子の男同士の親子の関係、男の生き方と読みごたえがある物語でした。
*残念ながら、現在新しくは出版されていないようです。電子書籍あり。(2022年8月)
『はとの神様』中学入試メモ
2021年、渋谷教育渋谷中学校入試で出題されました。
出題された部分はココ!
3人が小学生の物語(前編)、長い旅の終わり部分
ヒナの頃から大事に育ててきた鳩を、初めての長丁場の鳩レースに参加させる前日の3人の子供たちの会話から、レース当日の悟親子の会話の部分
『つむじ風食堂と僕』
【著者】吉田篤弘
【出版社】筑摩書房(ちくまプリマ―新書)
- 2016年東邦大学付属東邦中学、和洋国府台女子の入試問題で出題されました
- 主人公:12歳の律君
- 3つの短編集
- 全編が律君の目線で語られるので、同世代の小中学生向け
- 哲学的な内容もある
- やさしい気持ちになれる、前向きになれる本
主人公は12歳の律君は、サンドイッチ店を営む父安藤さんの息子です。大きなメガネをかけた少年は少し大人びていて、自分の「むかし」を考え、未来を考えているような子です。
律くんは、よく隣町にある「つむじ風食堂」に一人で食事をしに出掛け、そこで大人のお客さんに「仕事はなんですか?」と尋ねます。
リツ君は大人の話しを素直に聞いて、自分の頭で自分サイズに合わせて物事を考え、そこから自分の考えをまとめています。
親や先生といった身近な大人ではない大人との会話って、子どもにとってみると新鮮なんだな~と感じられる本です。
『つむじ風食堂と僕』中学入試メモ
2016年東邦大学付属東邦中学、2016年和洋国府台女子の入試問題(国語)で出題されました
①2016年東邦大東邦中学入試、出題された部分
第3章「百円玉」より
サンドイッチ店を営む父親の生き方が”小さい”と思っている律君。
いつもお世話になっているアパートの大家さんや、父のサンドイッチ店で働くオーリィーさんは「そうかな?」とリツ君の意見に疑問を唱えます。
リツ君が父親に、父親の経営しているサンドイッチ店についてどう考えているのかを聞いてみる部分
②2016年和洋国府台女子の入試問題で出題された部分
第1章「路面電車」より
リツ君が通う「つむじ風食堂」でのシーン
食堂で一緒になった大人のお客さん(お肉屋さんと文房具屋さん)との会話から
大人との仕事についての会話から、自分の将来や「幸せ」について考えるリツ君
『14歳の水平線』
【著者】椰月美智子
【出版社】講談社
- 2016年には筑波大学付属中学、浅野中学、ラ・サール中学といった中学入試で出題され、2020年には帝京八王子中学入試で出題されました。
- 主人公:中学2年生の加奈太と父親
- 中編2編になっている
- 前編は小中学生向け。後編は大人向けだが小中学生でも読める内容。
- 前向きになれる本
- 家族の問題あり
- 子どもから大人へにかけての友情物語
中学2年生のさわやかな青春を描いた、映画『スタンド・バイ・ミー』のような物語です。
両親が離婚し父親の征人と暮らしている中学2年生の加奈太は、家でも学校でもなにかとイラつく日々を過ごしていました。
そんな加奈太は、夏休みに、父親の故郷の島で中2男子限定のキャンプに参加することになります。
一方、思春期の加奈太の気持ちを理解できず、息子とすれ違う日々になやんでいた父親の征人は、故郷にもどり、かつて14歳だった30年前の日々に引き戻されてゆきます。
14歳の息子と、かつて14歳だった父親。
親子ふたりの、たった一度の「14歳の夏」が始まります。
『14歳の水平線』中学入試メモ
2016年には筑波大学付属中学、浅野中学、ラ・サール中学といった中学入試で出題され、話題になりました。
2020年、帝京八王子中学入試で出題されました。
2020年帝京八王子中学入試の出題箇所はココ
父親の征人が14歳のときの物語から
海で遭難した征人の父親の船がみつかるシーンから、友人のタオの家へ向かう部分
父と息子の物語本リスト
【中学入試で出題された】親子で読みたい!父と息子の物語を紹介しました。
男同士なんだからわかりあえそうなのに、なぜかわかり合えない父と息子の姿に、共感してしまう親子も多いはずです。
残念ながら、新刊本で読めない本もありますが、どの本も私立中学の先生たちが入試に選んだだけあって、読みごたえがありながらも、物語の面白さも感じられるバランスの良い本です。

朝読書の時間などを利用して、気になる本があったら読んでみてくださいね
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