【入試問題で出題された】甘いお菓子小説を紹介します。
実は甘いだけじゃない、喜びやうれしさはもちろん、切なさや悲しみまでも味えるのが甘いお菓子小説なのです。
本を読むのが苦手でも、甘いお菓子が大好きな人は多いはず!
大好きなお菓子小説を楽しんでみてください。
せっかく本を読むなら、入試に出た本を読んでみませんか?
このブログでは、中学入試・高校入試で出題された本のなかから選んでいます。なぜなら……。

入試で出題されたというと、堅苦しいと思うかもしれませんが……。
中学・高校受験出題本はとにかくおもしろい!
国語の専門家である国語の先生たちが選んだ本はどれも失敗なし!なのです。
『小田くん家は南部せんべい店』

南部せんべい
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【著者】髙森美由紀
【出版社】徳間書店
●あらすじ
連作短編物語
小学四年生、弘毅くんの家は「小田せんべい店」。
祖父・よっしーは、南部せんべい一筋の職人だが、子どもぽい面もあり、孫の弘毅くんには、尊敬すべき人であり、ライバルのような存在だ。
そんなよっしーや、しっかり者のおばあちゃん、優しいお父さんとお母さん、頼りになる姉に見守られながら、弘毅が成長していく家族物語。
でも実はこのすてきな家族には秘密があるのです……。
2025年度、福島県の公立高校入試で出題された

おすすめポイント
小麦粉のこうばしさと甘みがいりまじった南部せんべいのかおりが、本いっぱいに広がります!
この甘くてやさしい味の南部せんべいが、たくさんの人たちの心の癒しになるのです。
そんな南部せんべいを焼いているのは、孫にも、家族にも、近所の人にも、孫の友達にも、南部せんべいにも愛情たっぷり、負けずぎらいで元気いっぱいのおじいちゃん、よっしーです。
おじいちゃんよっしーは、笑えます、そして泣かせます!
でも「サザエさん」のような、ほがらかな楽しい家族物語と思いきや。
実はこの仲良し家族には、秘密があるのです……。
☟私の2024年読んだ本ベスト10に入った本です。
『まるまるの毬』

和菓子
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【著者】西條奈加
【出版社】講談社
●あらすじ
江戸の菓子屋「南星屋」でおこる事件・人情物語
江戸の町で親子三代で菓子を商う「南星屋」。
店主は武家の身分を捨て、職人となった治兵衛。
治兵衛といっしょにはたらいているのは、出戻り娘のお永と、お永の娘の看板娘、お君。
仲良し家族経営の和菓子屋さんの物語、おいしい和菓子物語なのかと思いきや。
実は、店主の治兵衛には、他人に言えない大きな秘密があるのです……。(治兵衛と弟以外は秘密を知らない)
その秘密が元となり、起こるさまざまな事件とは?
看板娘お君ちゃんの恋も気になります……。
●その他情報
シリーズ化しています
1作目『まるまるの毬』
2作目『亥の子ころころ』
3作目『うさぎ玉ほろほろ』


おすすめポイント
店主の治兵衛がつくる和菓子は、治兵衛が日本各国を歩きながら、その土地土地のお菓子を食べてきた経験を生かした和菓子。
その土地でしか味わえない、今でもめずらしい和菓子がたくさん楽しめます。
秘密の運命に翻弄される「南星屋」の面々ですが、家族の間ではおいしいお菓子と愛があふれています。
なにがあっても前向きで、すがすがしくあたたかい人の心に、ほっとしたり、涙したり、甘い和菓子が家族をつなげてくれるやさしい物語です。
『亥子ころころ』

和菓子
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【著者】西條奈加
【出版社】講談社
●あらすじ
江戸の菓子屋「南星屋」でおこる事件・人情物語パート2
お君ちゃんが元気いっぱいでホッと一安心。
さて第2弾の『亥子ころころ』では、雲平という謎の男が登場します。
雲平は味方なのか?敵なのか?
●その他情報
シリーズ化しています
(家族構成や、店主の治兵衛がもつ大きな秘密を知るためにも、第1弾『まるまるの毬』を先に読むのをおすすめします。)
1作目『まるまるの毬』
2作目『亥の子ころころ』
3作目『うさぎ玉ほろほろ』

おすすめポイント
家族に平和がおとずれたかと思いきや……、新しい問題がまたまた起こるのです。
でもそこから、またまたおいしい和菓子ができあがります!!
店主治兵衛の創作意欲はスゴイのです。
『甘いもんでもおひとつ 藍千堂菓子噺』

和菓子
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【著者】田牧大和
【出版社】文藝春秋社
●あらすじ
父親が亡くなったあと、なぜか叔父さんに父の和菓子屋さんを追い出された兄弟。
そんな兄弟は新しい和菓子屋「藍千堂」を始めるのですが……。
叔父さんの意味のない意地悪が続き、つねに和菓子屋はピンチの状態なのです!
でもそんなときに助けてくれるのは……。
江戸の人情たっぷり、和菓子屋物語。
●その他情報
シリーズ化しています
2作目『晴れの日には 藍千堂菓子噺』
3作目『あなたのためなら 藍千堂菓子噺』
4作目『 想い出すのは 藍千堂菓子噺』
5作目『 子ごころ親ごころ 藍千堂菓子噺』
6作目『 わかれ道の先 藍千堂菓子噺』
(2024年4月現在)
2025年度、鷗友学園女子中学校の中学入試で出題された

おすすめポイント
季節ごとにつくられる甘い和菓子たち。
ピンチを乗り越え、菓子職人の兄と商才に長けた弟が工夫をしながら、素材にこだわり丁寧につくられる和菓子はおいしそうなだけではなく、兄弟や関わる人たちの愛が注がれています。
でも、誠実で愛すべき兄弟がなぜか叔父さんに嫌われているのかという謎がつねにつきまとう……。
甘さと意地悪と秘密がそろった物語です。
『天満つ星』

お菓子
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【著者】中村汐里
【出版社】小学館
●あらすじ
希望の難関私立中学校に入学した室本さくら。
さっそく調理部に入部して、すてきな中学生活が始まるはずだったのですが……。
新しい中学生活は、ワクワクすることでいっぱいのはずだったのに。
じっさいは、友人関係、入部した調理部の先輩との関係などなど、悩みもいっぱい。
そんななか入部した調理部でお菓子コンテストに挑戦することになるのですが、こちらも問題が!
さくらは、コンテストでトップをとれるのか?
問題ひとつひとつに向き合い、クリアし、成長していくさくらの青春スイーツ小説。
●その他情報
前作『殻割る音』があり
『殻割る音』は2025年度、攻玉社中学校の中学入試で出題された
2025年度、開智未来中学校の中学入試で出題された

おすすめポイント
主人公のさくらが挑戦するのは、お菓子作り。
お菓子作りは、分量を正確に計り、手順通りに作らないと失敗するというほど難しいのですが……。
それだけに完成したときの、甘い香りと甘い味に”脳”が幸せモードでいっぱいになれるあの興奮と高揚感が、読んでいるだけでたっぷりと味わえます。
そして、悩みにモンモンとしながらも、好きなことに没頭する。
好きなことに熱中できる楽しさ、甘いお菓子のワクワク感を共感したい人におすすめです。
☟作者の中村汐里さんからの報告あります
このたび、開智未来中学校2025年度入試第2回の国語にて、中村汐里著『天満つ星』(小学館文庫)を問題文として採用していただきました。
声の教育社( @koe_kyo )から刊行される『開智未来中学校 2026年度用 3年間スーパー過去問』に掲載されます。発売は4/28です!
たいへん光栄です!!大感謝です!! pic.twitter.com/vjbkg4Yj9W
— 中村汐里@新刊『天満つ星(そらみつほし)』小学館文庫 (@shi0ri_nkmr) February 18, 2025
『桜の木が見守るキャフェ』

和菓子
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【著者】標野凪
【出版社】文藝春秋社
●あらすじ
連作短編集
季節の和菓子とお茶、そしてそっと心によりそってくれる店主がいる〈キャフェ チェリー・ブラッサム〉が舞台。
桜の木が見守るカフェの一年間を通して、お客様ひとりひとりがすこしづつ成長し、前にむかって進んでいく姿が描かれます。
自分らしい生き方を応援してくれる癒しとエールの物語。
2025年度、女子学院中学校の中学入試で出題された

おすすめポイント
甘い和菓子で自分をあまえさせてもいいのでは?
甘くておいしい和菓子が、心にちょっとささった”とげ”をぬくように……、そっと心をいやしてくれる本です。
人と比べない、自分の良さを自分で褒めてあげたくなる!
季節を感じながら、甘い和菓子でほっと一息すれば、やさしい気持ちがあふれでてきて、ほんわりと気持ちがよくなれる。
癒しを求めている人におすすめです。
『お菓子の船』

どら焼き
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【著者】上野歩
【出版社】講談社
●あらすじ
長編物語
今まで食べてきたモノの中で、一番記憶に残っているものは何ですか?
製菓学校を卒業した樋口和子(わこ)は、忘れられない味、幼い頃食べた祖父のつくった「どら焼き」を再現するために、祖父のことを調べていくと……。
和菓子職人としての仕事への葛藤を続けるなかで、戦争によってほんろうされた祖父の波乱万丈の人生を知るのです。

おすすめポイント
「どら焼き」の表現描写が、ユニークで不思議難だけで、なぜかとにかくおいしそう!
どんな味のどら焼きなんだろう?と気になります。
そして、祖父はどうやってその味を生み出したのかという謎、祖父の人生に隠されていた秘密にドキドキ、切なくしんみり……。
涙があふれます。
2024年度、鷗友学園女子中学校の中学入試で出題された
出題された部分はココ!
和子の老舗和菓子店での修行中シーン
『ショートケーキ。』

ショートケーキ
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【著者】坂木司
【出版社】文藝春秋社
●あらすじ
ケーキ屋さんで繋がる5つの連作短編集
性別も年齢も違うけれど、彼らが気になるのはいちごののった「ショートケーキ」
同じお店の、同じ見た目、同じ味の「ショートケーキ」だけど、彼らひとりひとりにとっては、どんな「ショートケーキ」なのか?
ショートケーキを愛する人たちの、それぞれの人生におけるショートケーキ物語。
2024年度、高輪中学校の中学入試で出題された
出題された部分はココ!
短編「ホール」
互いに母と二人暮らしの大学生、ゆかとこいちゃんの物語

おすすめポイント
本の表紙のショートケーキのイラストにノックアウト!
おいしそうすぎる……。
でも甘くておいしそうなショートケーキは、うれしいだけじゃない、せつなかったり、悲しかったり、悔しかったりといろんな想いを秘めているのです。
あなたも「ショートケーキ」への思い入れはありますか?
誕生日、入学式・卒業式、合格祝い、就職祝い、成人のお祝い、快気祝いなどなど。
大事な日に大切な人と食べた、あなたのケーキの「想い」や「思い出」がよみがえるかもしれません。
『とっておきのおやつ。5つのおやつアンソロジー』

デザートブッフェ
鯛焼き
フレンチトースト
プリンアラモード
あんみつ
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【著者】青木祐子、阿部暁子、久賀理世、小湊悠貴、椹野道流
【出版社】文藝春秋社
●あらすじ
5人の作家さんが描く”おやつ”アンソロジー
おやつは「甘い」だけじゃない!
ほんのりスパイスのきいた「おやつ」とは?
2024年度、石川県の公立高校入試で出題された
出題短編:阿部暁子「たぬきとキツネと恋のたい焼き」

おすすめポイント
2025年度本屋大賞を受賞した阿部暁子さんなど、今や大人気作家さんたちの作品が一気に読めるスゴイ本なのに……。
残念ながら紙媒体では中古本でしか手に入りません。
電子書籍では読めるので、ぜひぜひ読んでほしい!
おすすめです。
甘いお菓子小説リスト
【入試で出題された】甘いお菓子小説を紹介しました。
実は甘いだけじゃない、喜びやうれしさはもちろん、切なさや、悲しみまでも味える驚きがありました。
まずは好みのお菓子が出てくる、甘い物語を選むのをおすすめします。

気になった本があったら読んでみてね
家族で営む南部せんべい店物語
家族で商う和菓子店物語(江戸時代)
☟1作目
☟2作目
料理部お菓子つくり物語
兄弟で営む和菓子屋(江戸時代)物語
和菓子カフェ物語
祖父の味!どら焼きを求める和菓子職人物語
ショートケーキ物語
5人の作家さんによる”おやつ”物語
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